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タイトル女流王座戦五番勝負第4局
記事No1370
投稿日: 2020/12/09(Wed) 18:09
投稿者丹善人
挑戦者里見香奈が奪還に王手をかけた女流王座戦五番勝負第4局は、129手で先手の
西山朋佳が勝ち、2勝2敗の五分。決着は最終局に持ち越されました。

角番に追い込まれた先手西山朋佳女流王座は初手7八飛の3間飛車宣言。後手の
里見香奈は飛車先保留で角道を開け、中央に銀を上げます。先手の穴熊を警戒して
先手玉が動き出すと早々と1筋を突き、先手もこれに応えます。後手は角頭歩で
先手玉を牽制。先手は2八銀と上がったので穴熊はなくなりました。

先手も角頭歩をあげたところで、後手は角を4四に上げt、すぐさま先手から角交換。
先手が向かい飛車に回ると、後手も向かい飛車に。先手が8筋の歩を伸ばして、
後手が銀を上げて、ここでようやく後手玉も位置を変えました。後手は金無双に、
先手は美濃模様に組みます。

先手は8筋で歩の交換の後、飛車を下段まで下げます。対する後手は飛車を4段目に
上げます。後手は守りの銀が4段目に上がって積極的な守りに。先手はいったん美濃に
入ってすぐに出ます。後手は組み替えて美濃に移ります。先手は玉を左右に行ったり
来たりの繰り返し。千日手模様となりそうです。

後手は千日手を嫌って手を変えました。先手は結局美濃の囲いを残したまま、玉だけが
反対側に移動してしまいました。続いて飛車を中央に振り、後手も合わせて中央に移動。
後手は取り残された美濃の残骸を中央に移動させます。

後手は穴熊に組み替え。この瞬間に先手は再び飛車を8筋に戻して、玉のこびんを狙って
7筋を突きます。あいたところで、端歩を突き捨てて角打ちから角の突入をはかります。
穴熊に入りかけていた後手玉が慌てて飛び出します。後手の守りの金を釣り上げて、
角が成り込みで着る状況でしたが、後手角が逆襲を狙っていたので、それをまず防御。
後手も角の成り込み阻止に出て一進一退。

先手は目先を変え、銀が前進。もう1枚銀を貼って攻めかかります。その間に後手は香車が
成り込んで先手の攻め語まである飛車を筋から離れさせます。先手は銀金交換からの攻め。
角も使う状況ですが、後手は角当てを兼ねての銀の打ち込み。ここはいったん角を前進
させて逃がします。

後手は先手が腑を使えない位置で香車貼りの金角田楽指し。逃げるべからずで付置しての
先手は桂馬跳ねで攻めを優先。角を放置しての銀交換が後手角にも当たり、結果は
角交換に。すぐさま後手は攻防に利く角打ち。なおも攻めかかる先手に、張ったばかりの
角捨てで守る後手。取れる角を先に取らずに、攻め駒を残しながら、攻めを継続して
角鳥に出ます。

後手玉をとうとう追い詰めた先手西山朋佳。後手里見香奈は再度攻防に利かす角打ち。
しかし挟撃態勢をしっかりと築き上げる先手。逃げ道をこじ開けようとする後手に、
先手は邪魔駒の角を動かして、一気に寄せる手に出ました。
角逃げが終局の合図となり、次の一手で後手の投了となりました。


【第10期リコー杯女流王座戦五番勝負】女流王座:西山 朋佳

西山 朋佳 ○  ● 里見 香奈

+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    | 氏  名 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|女流王座| 西山 朋佳 |  ○  | 先● |  ●  | 先○  |    |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者 | 里見 香奈 | 先● |  ○  | 先○  |  ●  |    |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    |      |124手|110手| 97手|129手|   手|
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+

第1局 10月28日(水) 東京都文京区「ホテル椿山荘東京」
第2局 11月10日(火) 東京都港区「明治記念館」
第3局 12月 1日(火) 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第4局 12月 9日(水) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第5局 12月14日(月) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」


÷  丹善人  ÷