�C麗戦４回戦敗者再挑戦組決勝戦、上田初美VS野原未蘭戦は、１５５手で先手の
上田初美が勝ち、予選決勝トーナメントに進出しました。

先手上田初美３間飛車に、後手野原未蘭居飛車で飛車先を突きます。先手は美濃、
後手は玉を３二に置き、金銀４枚が守ります。先手が腰掛け銀に出たところで、
後手が６筋を突っかけます。先手はこれを無視して、銀がどんどん前に出てきて、
後手は６筋の歩を取り、８筋も突き捨てます。先手は飛車を６筋に回して受けます。

先手は５筋の歩ではなく、３四の歩を銀で取ります。後手は６五に桂馬を飛ばして
先手角を移動してもらい、角が直接向かい合うことになったので、３三に蓋をして、
同時に銀にも下がってもらいました。後手の飛車が出てきましたが、角道を止めて
しまったので、いまいち働きが悪いです。

先手は取られそうな桂馬で、目障りな桂馬を交換。後手が飛車を成り込ませます。
先手は角が９五に動き、飛車と連動させて６筋からの攻め。後手が守ると、飛車を
７筋に回します。そして角切りからの飛車成り。後手は取ったばかりの角を
当てますが、先手は竜角交換に応じます。先手は駒損ながら、その間に端を延ばして
十分。後手は攻めに効いている先手の銀を消そうとしますが、これを守って、後手に
隙を与えません。

先手が端に桂馬を打つと、後手は端の香車を釣り上げてから銀取りに龍を動かします。
銀を取られては端攻めが利くのでここはしっかり受ける先手。後手は目障りな
打ち込まれた桂馬を交換で消します。後手玉も守り駒から離されて危うい態勢。
先手は風穴を開けるべく、桂貼りから３三に成り込み、同角とした角を狙って
動いていきます。

後手野原未蘭は角成りとして、遠くから守りを利かせますが、先手上田初美は
空いた箇所をのがすまじと、攻め駒を増やします。後手玉は早逃げしようと
いうところ、先手は角貼りで逃げ道封鎖。それを飛車張りで消そうとする後手。
その飛車を消そうという後手。後手は飛車角交換で玉の逃げ道を作りました。

逃げられてはどうしようもない先手は飛車を打ち込みますが、後手はしっかり
守って攻めを続けさせません。持ち駒が歩しかない先手は、やむなく守りの金を
後手玉逃げ道封鎖に動かしますが、すかさず後手は金銀両当たりに龍を移動。
軌道修正させられて金を攻めに動かせない隙に、後手は今動かした龍を先手玉
攻略に踏み込みます。

先手もなんとか攻め駒を使おうとしますが、後手玉は安全圏内に入り込めそうな
場面。さらに攻め駒が先手玉狙いに突入をかける構えを見せました。先手も後手に
浮いた金を取って、逃げ道封鎖に使いますが、まだ後手玉は逃げる道が残って
います。後手はしっかり、攻めに使わない駒で攻めを許さない形にしました。

しかしここは百戦錬磨の先手上田初美。細かい動きで形勢を引き寄せていきます。
上部脱出を許さない形を作り上げ、金銀を持ち駒に加えて、逆転の態勢を築き
あげました。あと少しで先手玉を追い詰めることができた後手野原未蘭でしたが、
最後の最後で先手玉を追い詰めることができず、無権の敗退となってしまいました。


【第３期大成建設杯清麗戦再挑戦】清麗:里見　香奈

各組予選決勝進出者
６回戦再挑戦：山根ことみ女流二段
５回戦再挑戦：伊藤　沙恵女流三段
４回戦再挑戦：上田　初美女流四段
３回戦再挑戦：中井　広恵女流六段
２回戦再挑戦：
１回戦再挑戦：加藤　桃子女流三段


【４回戦再挑戦組】敗者は予選敗退

上田　初美　○　　●　野原　未蘭　　１５５手

上田　初美女流四段-------+
　　　　　　　　　　　　 +-上田　-+
中村　桃子女流初段-------+　　　  |
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-上田　初美女流四段
渡辺　弥生女流初段-------+　　　  |
　　　　　　　　　　　　 +-野原　-+
野原　未蘭女流１級-------+


÷  丹善人  ÷