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タイトルマイナビ予備予選、室田伊緒VS山口仁子梨
記事No1593
投稿日: 2021/05/31(Mon) 11:37
投稿者丹善人
第15期マイナビ女子オープン予備予選、室田伊緒VS山口仁子梨の対局は、121手で
先手の室田伊緒が勝ち、一斉予選への切符を手に入れました。

愛知出身の室田伊緒に、岐阜在住の山口仁子梨ですが、山口が将棋を始めるのが
遅かったため、接点はあまりないかもしれません。

先手室田伊緒3間飛車に、後手山口仁子梨居飛車の対抗形。双方美濃に組みます。
先手は角を7七から6八に下げて飛車先を開けます。戦端は後手が4筋の歩を突き、
そのまま伸ばすのに対し、先手は7筋で歩の交換。中段に飛車を据えます。後手は
金銀を4筋に集めた後、角を4二に下げて8筋の飛車を援護します。さらに、玉頭が
さみしくなったので銀冠に移行。先手も2枚銀を玉近くに集めます。

先手は攻めかかろうとする後手の銀をいったん追い返します。そして目障りな5筋に
伸びている後手の歩を飛車で取り去って、飛車は再び7筋に。それでも後手は銀を
5筋で前進させ、飛車を中央に回します。先手は当たりになりそうな角を下げますが、
後手は攻める銀頭にさらに歩を追加して攻め込む体制を築きます。

先手はとりあえず桂馬を飛ばして飛車を成り込ませようとします。後手は飛車上げで
応戦。先手は守りに金銀4枚を集めると、後手も好位置に角を配置します。先手が
守りに力を入れている間に、後手は先手の飛車を抑え込み、さらに飛車を7四に転換
して、攻防に生かします。ならば、先手は桂馬を逆方向にはねての飛車成りを目指し
ます。後手はとにかく飛車先だけ押さえ込もうとしますが、先手は強引に飛車交換と
出ます。これは応じる以外に手がなく、優劣は微妙なところ。

後手は飛車を取った先手角当たりに飛車を貼りますが、先手も飛車の打ち返し。しかも
これが将来的には銀1枚得をする交換となるところ。後手は手に乗ってその筋に
飛び込んでいきます。後手はあえて飛車角交換の道を選択します。後手はと金を作って
堅い守りの先手玉を崩しにかかります。さりとて後手陣は比較的守りが薄く、2枚飛車は
怖いところです。

後手山口仁子梨は、守りに利かしにくい角を上げて攻めに活用しますが、先手室田伊緒は
2枚飛車の攻めを開始。着実に後手陣を崩し始めました。後手も攻めに使いたかった
角を守りに投入。先手は悩むことなく飛車角交換。後手はせっかく前に出ていた角を
引き下げることになり、攻めがうまくいきません。

じっくり攻めようという先手に、後手はならばと交換でもらった飛車を打ち込んで
攻めの態勢を維持。しかしまだまだ先手玉へは遠いので、持ち駒すべてを投入して
先手は一気に後手玉に攻めかかります。さすがに物量での攻撃には耐えきれず、
投了と追い込まれました。


÷  丹善人  ÷