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タイトル女流王座戦二次予選、加藤圭VS香川愛生
記事No1601
投稿日: 2021/06/02(Wed) 17:45
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、加藤圭VS香川愛生の対局は、155手で先手の
加藤圭が勝ち本戦に進出しました。

先手加藤圭、いきなりの中飛車宣言。対する後手香川愛生は向かい飛車に。
後手が飛車先の歩を伸ばしたので、先手は飛車を元の位置に戻して受けます。
すると、後手は角を2五から、開いた5七に成り込み。ならばと、先手は
飛車角交換で得た飛車を後手馬先に貼ります。これを角で支える後手。
またまた飛車角交換で、結果的に先になった馬が消されてしまいました。

後手は9筋の歩を突き、ここは角が利いているので放置して、先手は飛車先の
歩を突いていきます。ここは飛車先を押さえられたので、ならばと6筋に
飛車を転換。歩が1枚あればなり込めるところですが、代わりに5筋をついて、
できた空間に角貼りで馬を作ります。

先手は9筋で香車交換から角を生け捕る作戦に。後手はあえて角当たりになる
様に先手の桂馬を釣り上げます。何かを狙った手の様で、先手は慎重に角取りを
進めます。

後手香川愛生は角を犠牲に先手玉の守り駒を浮き足立たせて攻め込む構え。香車
貼りの王手は飛車の横利きを止める為の物。やむを得ず角を取り去りますが、
飛車の利きが止まった先手玉正面に歩を貼って一気の寄せには入ります。
先手加藤圭は身を任せるのみ。ついに先手玉に詰めろがかかりました。

後手は詰めろ飛車取りの銀打ち。これを角貼りで受ける先手。後手はさらに玉正面を
狙っての歩貼り。どうせ取られる運命の飛車なので、ここは銀飛車交換でしのぎます。
意外と先手陣は固く、後手は攻めの決め手を欠きます。先手は黙って受け続け、
後手の攻めが切れるのを待ちます。

いよいよ後手の攻めが切れたと判断した先手加藤圭の攻撃が開始されます。
最後のお願いで飛車を打ち込む後手香川愛生ですが、先手は駒を惜しまず、
きっちりと受けます。ここで後手は先手に対し馬切りを請求。覚悟を決めた
先手は馬切りを決行。しかし後手はきっちり返し技を用意していました。
先手の攻めの拠点となる5三に香車取りの桂馬貼り。これで線絵の攻めが続きません。

先手は飛車を交換に取ることに。後者を取られましたが、馬金交換から飛車を取り、
後手玉の守り駒を遠ざけての詰めろ。これを先手の守り駒の銀を王手で取ることで
自陣を補強します。しかし落ち着いている先手加藤圭は飛車の打ち込みから駒を
足して、着実に後手玉を追い込んでいきます。

後手玉は早逃げを見せます。逃げ道の3三には角が利いていますが、これを角貼りで
遮断。ならばと桂馬貼りで逃げ道を封鎖。後手は角交換で手番を取って桂馬の成り込みで
詰めろに。ここは銀貼りで受ける先手。再び交換から角貼り王手を角で受ける先手。
一進一退の攻防が続きます。

詰めろ飛車取りの角貼りで迫る後手香川愛生。一旦銀との交換で手に入れた桂馬で
王手として、飛車をあきらめて後手からの攻めの要となっている銀を奪おうという、
先手加藤圭。飛車角交換さらに角銀交換でとりあえず自玉を安全にした両者。
先手は角の捨て駒で後手玉を追い詰めて詰めろを掛けます。後手が勝つには
先手玉を寄せきるしか手がなく。持てる駒を総動員して先手玉を追い詰めます。
しかし後手の抵抗もここまで。加藤圭が順位戦A級入りの実力を発揮して、香川愛生を
破り去りました。


【第11期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
山根ことみ女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・上田 初美女流四段  ・  ・塚田恵梨花女流初段
・室谷 由紀女流三段  ・  ・加藤結李愛女流初段
・  ・  ・
・加藤 圭 女流二段  ・  ・


加藤 圭  ○  ● 香川 愛生  155手

加藤 圭 女流二段---+
           +-加藤 圭 女流二段
香川 愛生女流四段---+


÷  丹善人  ÷