リコー杯女流王座戦本戦1回戦、渡部愛VS里見香奈の対局は、124手で後手の里見香奈
が勝ち、2回戦に駒を進めました。
女流王位戦タイトル戦以来となる両者の対局、先手渡部愛菜居飛車の出だしに、後手里見香奈
ゴキゲン中飛車。先手は超速銀で迎えると、後手も銀対抗とします。先手矢倉模様、後手美濃。
先手が2枚銀を繰り出し、桂馬を飛ばして開戦となりました。
後手は5筋の歩を突いて歩の交換。先手が55の位を取り、後手は1歩を手持ちにしました。
後手から桂馬交換を要求。お互い桂馬を手持ちにしました。先手はさっそく5筋に桂馬貼り。
銀取りに構わず後手は銀を突っ込ませ、大裁きに出ました。先手は相手の手には乗らずに攻めの
態勢。ならばと後手は先手陣形を乱してから中央攻撃。先手は後手の飛車先を止めてから
中央で銀交換。銀取りの角が飛車当たりになったので銀貼りで受けると後手は角切りに。
ただちに考案した銀を打ち込む後手。先に貼った5筋の歩を支えに攻め込んできます。
先手は金取りに打ち込まれた銀を放置。飛車取りを兼ねて、角を打ち込みますが、後手は
飛車を突入させるかまえ。先手は飛車は取らずに中央に角成り。直接後手玉を狙います。
さらに金銀交換で直接の自玉への脅威を消して持ち駒を増やしますが、後手はかまわず
先手玉に攻めかかります。
後手里見香奈はさらに金取りに歩を打ち込みます。渡部愛戦でよく出現する駒柱が出来上がり
ました。先手渡部愛はあっさりと角切りに。後手は自玉への脅威になっている馬を消しに
桂馬を飛ばします。先手も飛車を押さえ込む歩貼り。後手の方が早く、馬を取ったので、
先手は飛車は取らずに、先人へのキュイとなっている金を飛車で取り除きます。
後手は飛車取りに角を打ち込みますが、先手は交換はやむなしと、先に危険と思われる
桂馬を消去します。ならばの飛車角交換から王手銀取りの飛車の打ち込み。先手は
交換したばかりの角を貼って銀も守ります。
後手はもう1枚自玉への脅威となっている桂馬を銀との交換で消去。自玉が安全になった
ところで、単純な歩攻めで先手玉を追い落としにかかります。
後手里見香奈がついに飛車成りで先手玉を追い詰めました。逃げようのない先手渡部愛は
最後の勝負に出ます。
自玉に詰みなしと読んだ後手は詰めろを掛けて手を渡します。後手玉を寄せるしか手が
なくなった先手は最後の攻撃。しかし駒が足りずに無念の投了となりました。
里見香奈は昨年より続けている連勝を15と伸ばしました。
【第11期リコー杯女流王座戦本戦】女流王座:西山 朋佳
渡部 愛 ● ○ 里見 香奈 124手
伊藤 沙恵女流三段-------+
+- -+
加藤結李愛女流初段-------+ |
+- -+
中村真梨花女流三段-------+ | |
+-脇田 -+ |
脇田菜々子女流初段-------+ |
+- -+
塚田恵梨花女流初段-------+ | |
+-山口恵-+ | |
山口恵梨子女流二段-------+ | | |
+- -+ |
小佐季子女流初段-------+ | |
+- -+ |
山根ことみ女流三段-------+ |
+-
加藤 桃子女流三段-------+ |
+-加藤桃-+ |
加藤 圭 女流二段-------+ | |
+- -+ |
山田 久美女流四段-------+ | | |
+- -+ | |
中澤 沙耶女流初段-------+ | |
+- -+
室谷 由紀女流三段-------+ |
+- -+ |
上田 初美女流四段-------+ | |
+- -+
渡部 愛 女流三段-------+ |
+- -+
里見 香奈女流四冠-------+
÷ 丹善人 ÷