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タイトル女流王座戦本戦準々決勝、山田久美VS加藤桃子
記事No1672
投稿日: 2021/07/27(Tue) 15:13
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦本戦準々決勝、山田久美VS加藤桃子の対局は、112手で後手の
加藤桃子が勝ち、ベスト4一番乗りを果たしました。

先手山田久美、後手加藤桃子、相居飛車の出だし。駒がぶつかる前に後手は
角を6四に転換。先手飛車を牽制しながら、8筋からの攻めを見せます。
先手は雁木、後手は矢倉に移行しながら、両者歩を4段目に上げてにらみ合う
中、後手が8筋で歩の交換。すばやく飛車を下段に引きます。

続けて後手は9筋で歩を突っかけて、取らせて裏に歩の打ち込み。続いて
3筋も歩を突っかけて先手の飛車をおびき出します。さらに桂馬を飛ばして
先手陣を乱しながら角交換。飛車が9筋に回って先手陣を乱します。

先手は後手の桂馬を奪って桂得にはなりましたが、戦形はちぐはぐな状態。
後手は角を打ち込んで左右からの攻めの態勢を作ります。先手も角の打ち込みで、
9筋にある後手の飛車を移動させて、なんとか攻めにつなげようとします。
後手は守りに利いている先手飛車をどかせて、攻め駒を増やしていきます。

先手は飛車狙いに桂馬の成り込みとしますが、後手は角との交換ならかまわないと、
飛車角交換の位置に飛車を置きます。先手が攻めに出てきた後手の銀目当てに
桂馬を打つと、狙いを変えて、後手は先手守りの飛車と馬の交換に出ます。
守りの弱い先手玉には、飛車の打ち込みが脅威になります。

後手加藤桃子は、まず、先手の守り駒を弱体化させる歩の打ち込みに続いて、
飛車の打ち込み。追い詰められた先手山田久美の玉には逃げ道が残されていません。
後手は交換承知の飛車まで前進。先手玉の逃げ道は完全に塞がれました。
もはや、形作りをするまでもなく、一方的に勝負はついてしまいました。


【第11期リコー杯女流王座戦本戦】女流王座:西山 朋佳

山田 久美 ●  ○ 加藤 桃子   112手

伊藤 沙恵女流三段-------+
             +-伊藤 -+
加藤結李愛女流初段-------+     |
                  +-   -+
中村真梨花女流三段-------+     |    |
             +-脇田 -+    |
脇田菜々子女流初段-------+         |
                      +-   -+
塚田恵梨花女流初段-------+         |    |
             +-山口恵-+     |    |
山口恵梨子女流二段-------+     |     |    |
                  +-   -+    |
小佐季子女流初段-------+     |         |
             +-山根 -+         |
山根ことみ女流三段-------+              |
                            +-
加藤 桃子女流三段-------+              |
             +-加藤桃-+         |
加藤 圭 女流二段-------+     |         |
                  +-加藤桃-+    |
山田 久美女流四段-------+     |    |    |
             +-山田久-+    |    |
中澤 沙耶女流初段-------+         |    |
                      +-   -+
室谷 由紀女流三段-------+         |
             +-上田 -+     |
上田 初美女流四段-------+     |     |
                  +-   -+
渡部 愛 女流三段-------+     |
             +-里見香-+
里見 香奈女流四冠-------+


÷  丹善人  ÷