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タイトル倉敷藤花戦三番勝負第1局
記事No283
投稿日: 2017/11/07(Tue) 16:10
投稿者丹善人
里見香奈倉敷藤花に伊藤沙恵が挑戦する第24期倉敷藤花戦三番勝負第1局は、
170手で後手の里見香奈が大熱戦をものにしました。

先手伊藤沙恵は、3手目に9六歩とついて相手の出方を見ます。後手里見香奈は
石田流三間飛車に。そこで先手は向かい飛車に構えます。
後手が3筋での歩の交換を入れると、先手は8筋の歩を突いていきますが、
後手は飛車を四段目に下げて歩の交換を拒否。
先手は3筋の傷を埋めて金無双に。後手は美濃に組みます。

後手の飛車の横利きが止まったところで先手は8筋の歩の交換から飛車を四段目に
こちらもすえます。
先手が銀を左に上げていきますと、後手も銀を中央から左に上げ、お互いに棒銀模様。
先手が1九に銀を上げて守りにつかせると、逆を付いたように後手は飛車を5筋に
回しました。

後手は飛車角銀桂馬が一気に襲いかかる態勢を作り上げていきます。
ここで先手から銀頭に歩を突いて銀交換。さらに角筋を通してから金銀交換で
桂馬を奪っての角成りを果たしますが、これには後手からも飛車の成り込みを
許すことに。先手は龍当てに金を貼って、金3枚ががっちり玉を守る態勢に
組みました。

先手は馬が後手玉を狙う形に。正面にある飛車を含め、桂馬を手持ちにしている
ので、あと少し駒を補充できれば一気の攻略も考えられます。
対する後手は竜を使ってどこまで攻められるかが鍵となりましたが、角が自由に
使えず、と金作りもままならず、厳しい状況となっています。

後手は駒の補充に銀2枚当ての桂馬打ち。ここで後手は角を犠牲にしての桂馬取り。
見かけ上は先手の馬が絶好の位置に来ましたが、桂馬がなくなったために詰ませる
手がなくなったところで、先手から銀打ちで先手陣を乱しにかかります。
ここが勝負手で、銀の交換でと金を作ることができた後手はと金が金取りに
動いた手が馬取りにもなっています。先手は玉頭を歩で食い破ってからの攻防に
利かす角打ちで馬を守ります。

後手はと金でやすやすと金と交換。先手陣が一気にあやうくなりました。
後手は先手の馬の頭に歩を貼って守りを固めようとしますが、先手は
後手玉頭にある銀をあぶりだし、銀打ちで後手玉を7一に追い詰めてから有効な
攻めが見当たらなかったのか、馬を引いて手渡します。

今度は後手が攻める番。金銀交換からとうとう先手の守り駒を金1枚まで減らし、
ここで後手は残りの金を目当てに歩を打ちますが、ここは玉が奪って上部脱出を
はかります。攻めが続かなくなった後手は一転して守りを固める方向に。
先手も挟撃態勢での攻めを目指しますが、後手の守り駒が多く、一気には崩せません。
先手は馬切りで持ち駒を増やしますが、攻め崩せません。

ここで先手は飛車ぶつけの手に。さすがに交換は出来ずに後手の竜は逃げますが、
先手の守り駒を増やしたところで、先手は桂馬張りで攻め駒を増やします。
後手も桂馬張りで守りを増やすと、先手が攻撃に出ようとしますが、持ち駒を
使い尽くし、攻めが続かなくなっての駒の補充。
この瞬間が勝負所と、今度は後手の反撃。まるでシーソーゲームのような展開に
なりました。

後手は角打ちで後手の持ち駒を使わせ、銀が飛車取りに前進。やむなく先手は
飛車を切っての金取り。後手は奪った飛車で王手銀取りで先手の攻め駒である
銀を払いました。
挟撃態勢がなくなった先手ですが、一方からの攻めは玉が逃げ切ってしまいます。
先手の攻め駒であると金が後手陣を荒らしますが、放置しての先手玉底への
銀の打ち込みからの攻めの継続。

先手伊藤沙恵は上部への玉脱出も視野に入れて成り駒を増やしていきます。
上部への先手玉脱出経路をふさげない後手里見香奈はあくまで下からの
攻め駒の投入にかけ、竜を寄せて逃げ道封鎖ができるように作戦を立てます。

上部脱出阻止用に張った金が馬取りにもなり、この金を取ることで、
後手の竜が阻止駒として使えるようになり後手の作戦成功。残った持ち駒
桂馬打ちで先手玉を追い詰め、後手が一気に勝利を呼び寄せました。


【第25期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負】倉敷藤花:里見 香奈

伊藤 沙恵 ●  ○ 里見 香奈

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|    |  氏  名   | 第1局 | 第2局 | 第3局 |
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|倉敷藤花|里見 香奈女流五冠|  ○  |  先  |     |
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| 挑戦者 |伊藤 沙恵女流二段| 先● |     |     |
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|    |         |170手|   手|   手|
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第1局 11月 7日(火)東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第2局 11月26日(日)岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」
第3局 11月27日(月)岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」



÷  丹善人  ÷