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タイトル女流名人戦五番勝負第2局
記事No50
投稿日: 2017/01/22(Sun) 17:13
投稿者丹善人
挑戦者上田初美の先勝で始まった、岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第2局は、
104手で後手の上田初美が2連勝し、タイトル奪取に王手をかけました

先手里見香奈石田流三間飛車に対し、後手上田初美後手番一手損角替わりで
対応。両者すぐに角を5段目に打ち合い、成り込みを狙う様子。
後手は2七に成り込みましたが、先手は角の成り込みを装いながら7筋の
歩を突っかけます。
後手は角の成り込み阻止を優先、飛車を四筋に回しますが、先手は3筋での
歩の交換で桂馬を引きずり出し、角を一旦下げて飛車先を通します。

先手が飛車を繰り出す前に、と後手は端歩突きで1筋の香車を引っ張り出して
馬で取ります。続けて桂馬も奪えるところ、先手はこれを放置して飛車が7筋の
後手の桂馬の前に打った歩を取って.後手が桂馬を取れば先手も桂馬を奪って
飛車が成り込みます。お互い我が道を行く攻め優先で、どちらが先に
相手玉に迫るか怖いところとなりました。

先手は飛車の成り込みに加え、いつでも角が攻撃に参加できる態勢。
対して後手は馬を作った物の、飛車が4二の位置に釘付けにされたまま。
先手はそこを狙って、飛車を攻めに参加させないように仕向けた後に
5五に桂馬打ちで攻め駒を足していきます。
後手はその桂馬狙いの香車打ち。これで桂馬が動けば、先手玉の
正面を直に狙う態勢にもなっています。

先手は桂馬は動かさず角を攻撃に参加させます。ならばと桂馬を取って
香車がまともに玉頭を攻める形にさらに桂馬を追加。一気に玉頭を攻撃
しようとする後手。先手は金を上げて守りますが、その金を狙っての桂打ち。
さらに銀を追加で守る先手に、桂金交換から銀に変わった守り駒に奪った
ばかりの金打ち。先手は玉で直接守りながらの早逃げ。金銀交換から
玉が単独で逃げようとするところ。桂成りから馬を引いて、直接先手の
攻撃の馬に当てます。

ここは馬交換しかなく、再度先手は角貼りで後手玉への攻撃態勢を維持
します。先手玉への攻め駒が馬交換で遠ざかったのが後手には痛手。
先手の攻撃は変わっていない分、攻めが途切れた後手が若干不利に。
しかし先手の攻めも守り駒を奪いにいけども、こちらも玉の早逃げで
つかまらず、どちらが有利か、この時点では不明のまま。

単純に駒を奪っていくのは、先手玉が単独で逃げているため、王手飛車の
筋に入ってしまうことから、先手は守り駒を足しながら角成りの馬と竜を
後手玉に近寄せていきます。
対する後手も玉の逃げ道封鎖に攻防の角打ちとしますが、先手は奪った駒を
守りに使ったこともあり、両者とも駒不足が否めません。
そして後手はここで、馬竜両当たりになる金引きで、どちらかをいただこうという
手に。後手玉が壁銀になっているだけに怖いところ、先手は馬を残して
竜を捨てる方を選びます。

後手上田初美は持ち駒に飛車を加え、金も落ちているので拾えますが、
その一手の隙があるかどうか。先手里見香奈は4四の歩を突いた後、馬が
後手飛車当たりを見せて、詰めろに出ます。
しかし後手は玉の腹への当たりの歩成りが角の開き王手にもなり、逃げれば
詰み。取れば王手馬取りの飛車打ちが利くことに。
さすがに詰みだけは許すわけにはいかず、合駒に貼った金と1枚の飛車を交換、
馬取りを許します。先手も返し技で後手玉を釣り上げて王手角の飛車打ちで
先手玉を脅かしている角を払いますが、持ち駒が少なく、攻めの継続が
はかれません。

後手は依然として玉を追いかけていた成り駒が残っていて、挟撃態勢が
いつでも築くことが出来、遊んでいた銀を前に押し出すことで、飛車を
追い払いながら先手玉上部から駒を足していって攻めていきます。
持ち駒に余裕がある分、ここで勝負あったか、落ち着いた様子の上田が
じっくり駒を足して先手玉を寄せて行きます。
最後まで粘る里見でしたが、持ち駒の差はいかんともしがたく、無念の
投了となりました。


【第42期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負】

里見 香奈 ●  ○ 上田 初美

+--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    |  氏  名   | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
+--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|女流名人|里見 香奈女流五冠|  ●  |  先● |     |  先  |     |
+--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者 |上田 初美女流三段|  先○ |  ○  |  先  |     |     |
+--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    |         |101手|104手|   手|   手|   手|
+--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+

第1局 1月15日(日)  神奈川県箱根町・岡田美術館
第2局 1月22日(日)  鳥取県出雲市・出雲文化伝承館
第3局 1月29日(日) 千葉県野田市・関根名人記念館
第4局 2月 5日(日)  岡山県真庭市・湯原国際観光ホテル 菊之湯
第5局 2月22日(水)   東京都渋谷区・東京・将棋会館

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