マイナビ女子オープン本戦準決勝第２局、清水市代VS伊藤沙恵の対局は、１５７手で
先手の清水市代が勝ち、決勝に進みました。決勝戦は先に勝ち上がった加藤桃子と
行います。

交通機関の遅れで３２分持ち時間が減らされた先手清水市代は、いつもの居飛車。
後手の伊藤沙恵は角道を止めて角を３三に上げた後、飛車は後回しに、金銀を
中央に上げて行きます。

駒がぶつからないまま、両者陣形の整備。両者とも玉は一つ左にずらせたまま。
先後手とも３枚の金銀を押し出し、先手は守りの陣形。後手は３・４段目に上げて
攻めの態勢。先手が銀を５六に上げると、後手は歩を突きだしてこれを追い返し
ます。その後先手は角を７七から５九を経過させて２六に上げて、３筋４筋を
狙い目に。

３２手目にしてようやく後手は飛車先の歩を上げて居飛車を明示。７筋でやっと
駒がぶつかります。後手が７筋に銀を上げて攻めかかると、先手は右桂馬を上げて
４筋から攻撃を仕掛けます。
後手は７筋での銀交換で得た銀を打ち付けて先手の桂馬を狙います。ここは
素直に銀桂交換。後手は今度は桂馬を貼って、次に飛べば２枚の金の両当たりに。
これを無視して先手は２筋で歩を上げさせてからの垂れ歩。

後手は目障りな前進している先手の飛車を追い返し、４筋に蓋をします。
桂馬の跳ねを止めるために飛車を６筋に回す後手。さらにこちらも目障りな
２筋の歩を払いますが、この瞬間後手玉の守りがなくなり、先手の攻める順に。

６筋に駒を集めて攻めようとする先手。後手は無防備な玉を移動させます。
守りを固めた後、角を回して８筋で歩の交換から角が飛び出します。
先手は角に動かれると飛車が飛び込んでくるので、まず銀を使って飛車の動きを
封じることに。後手も先手の角筋に歩を貼って動きを封じます。

先手はと金を作って後手の飛車を玉側に追い落としてから銀が成り込んで後手玉に
近づいていきます。後手は受ける一方となりますが、構わずに金銀交換で後手の
守り陣を崩していきます。そして書くが回って攻撃に参加。後手は構わずに
回った飛車先の歩を成って反撃に使用します。

さすがに飛車に成り込まれては持たないと見た先手は飛車先を止め、銀が上がった
ところで飛車を回して逆襲。後手は先手の攻め顔もいと判断。飛び出している角を
生かしての攻めを考えて細かな攻めを行います。ボヤは早い内に消すに限ると、
これを先手が相手にしている隙に、後手は狙われそうな飛車を回して、こちらも
目障りなと金を取り去り、再び飛車が攻め込む構えに。

先手は銀取りに構わず、角を追い払う金上がりに。同角なら桂馬が上がって銀に
紐が付きます。角を見捨てる手もありましたが、先が続かないと判断した後手は
おとなしく角を引きます。先手は再度飛車先に歩を貼って攻めの態勢を再構築
します。

先手は桂取りに銀を打ち込みますが、後手も銀取りに桂馬打ち。銀が動けば
飛車の前進が可能となります。
銀を逃がすより、桂馬を奪った方が攻めの手が継続すると判断。成銀が後手の
守り駒にも当たるため、歩を貼って受ける後手。ならば銀取りに歩を貼る先手。
これを取ったところで、角道が通り、先手は角成りの手が飛車当たりに。
しかし、ここで逃げても居られない後手は飛車取りを放置。前進した銀を
さらに前進させて先手の飛車当たりに。

ここは一気に攻めたい先手は飛車交換から即飛車を打ち込んで王手に。
後手は桂馬が動いて銀を取って持ち駒を補充。先手は馬が動いて逃げ道封鎖に
出ますが、紐は付いてはいても、ちょうど王手馬取りの筋に。後手は迷わず
飛車の打ち込みから飛車馬交換しました。さらには飛車を取った成銀取りの
王手角打ちの両当たり。

ここで後手伊藤沙恵は成銀を取らずに香車を取って角成りとします。
ならばと先手清水市代は成銀守りと角取りの飛車の打ち込み。後手は角を
取られる前に角の利きを生かして香車打ちの王手。先手玉に挟撃態勢を
作ってから角を守る銀打ち。飛車取りに構わず桂馬打ちで詰めろをかける
先手。粘る後手は詰めろを消しながら玉を上段に逃がしていきます。

先手玉への攻め駒を次々払っていく先手。後手玉は入玉目指してまっしぐら。
入玉は出来た物の、角が取られそうで、どうやら点数不足になりそうな状況。
先手玉は安全で先手勝ちが見えてきました。

盤上に龍２枚がある先手はじっくりと後手玉に迫ってきます。持ち駒の歩は
打つ場所がなく、実際に打てるのは銀１枚のみという後手には先手の攻めを
受けきるだけの体力がありません。先手は交換で奪った角まで投入。大駒３枚で
とうとう後手玉を追い詰めました。


【第１３期マイナビ女子オープン本戦】女王：西山朋佳奨励会三段

清水　市代　○　　●　伊藤　沙恵　　１５７手

加藤　桃子女流三段---------+
　　　　　　　　　　　　　 +-加藤桃-+
磯谷　祐維　ア　マ---------+　　  　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-加藤桃-+
岩根　忍　女流三段---------+　　  　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 +-岩根　-+　　　　|
里見　咲紀女流初段---------+　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +-加藤桃-+
塚田恵梨花女流初段---------+　　　　　　　　 |　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　 +-塚田　-+　　　　|　 　　 |
脇田菜々子女流１級---------+　　  　|　　　　|　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-塚田　-+　 　　 |
竹部さゆり女流四段---------+　　  　|　 　　　 　　 　|
　　　　　　　　　　　　　 +-礒谷　-+　 　　　 　　 　|
礒谷　真帆女流初段---------+　　　　　 　　 　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　 　　 +-
香川　愛生女流三段---------+　　　　　　　  　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　 +-香川　-+　　　　　 　　　|
和田　あき女流初段---------+　　  　|　　　　　 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-清水　-+　　　　|
加藤結李愛女流初段---------+　　  　|　　　　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 +-清水　-+　　　　|　　　　|
清水　市代女流六段---------+　　　　　　　 　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　+-清水　-+
甲斐　智美女流五段---------+　　　　　　　 　|
　　　　　　　　　　　　　 +-甲斐　-+　　　　|
小野ゆかり　ア　マ---------+　　  　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-伊藤　-+
伊藤　沙恵女流三段---------+　　  　|
　　　　　　　　　　　　　 +-伊藤　-+
里見　香奈女流六冠---------+


÷  丹善人  ÷