里見香奈初代淸麗への挑戦者を決める、第２期ヒューリック杯joryu淸麗戦本戦、
準決勝上田初美VS岩根忍の対局は、８５手で先手の上田初美が勝ち、挑戦者決定戦に
駒を進めました。
同日行われる予定でした伊藤沙恵VS石本さくらの対局は、新型コロナウィルス対策の
為の遠距離移動対局自粛により、後日行われることとなっています。
先手上田初美得意のイビ穴に、後手岩根忍は三間飛車美濃の出だし。駒がぶつかる前に
両者陣形を整えました。後手は３三に上げた角を４二に引いて飛車先を伸ばしての
交換を目指し、先手は銀が出てそれに対抗します。とりあえずは３筋での歩の交換。
先手はおとなしく歩で受けて後手は飛車を１段目に下げます。
先手が５五で歩の交換から銀が上がると、後手は飛車を４段目に上げて４四の地点を
守ります。ならばと先手は飛車を中央に回して中央突破を狙います。後手は桂馬を
上げて飛車先を止めようと言う所か。先手は先に銀を突っ込んで銀交換を迫ります。
ここは銀交換やむなし。飛車が前進していますが、後手は３筋での歩の交換から
飛車の転換を図ります。
先手は飛車引きから大技を狙います。さすがにこれは読まれて３筋での歩の交換は
あきらめて銀が前進。先手角頭狙い。ここも読み筋で先手は角をぶつけての角交換。
後手は飛車筋を止めますが、先手は飛び出しすぎた銀狙いに飛車を転換。後手は
角打ちで銀を守りますが、これでは攻めが遠のくばかり。先手は角の打ち込みで
馬を作り、後手の飛車を追い詰めます。
後手岩根忍は飛車取りを避けて逃げますが、先手上田初美は駒を貼って取れる飛車を
あえて取らず、持ち駒温存で桂馬を取って攻めの手を見せます。飛車が助かった後手は
飛車成りと出ますが、しっかり受けられて継続の手がありません。先手は使えていない
飛車と角を交換して、穴熊が遠いうちに連続した攻めの手を見せます。
先手は竜取りも狙った角打ち。龍が逃げれば角切りから一気に寄せにつなげよう
という手。後手は龍を逃がして、角切りへの対応は後回しに龍切りで穴熊を崩そうと
しますが、一角を崩したのみにで、穴熊玉にはまだまだ遠く、飛車を渡したことで
先手玉が危うくなりました。
こうなれば成り捨てた角を取っても後手の守り陣が崩されるだけで、「Ｚ」の形を
保った先手玉に迫ることは難しく、たたみかけるように駒を貼っていく先手の攻撃に
いつまで持ちこたえられるかの時間の問題となり、なんとか先手玉に詰めろはかけた
ものの、多量の持ち駒を持つ先手は余裕の攻めで後手玉を追い落としました。
【第２期ヒューリック杯清麗戦本戦トーナメント戦】清麗:里見 香奈
上田 初美 ○ ● 岩根 忍 ８５手
岩根 忍 女流三段---+
（３回戦再挑戦） +-岩根 -+
甲斐 智美女流五段---+ |
（６回戦再挑戦） +-上田 -+
中村真梨花女流三段---+ | |
（４回戦再挑戦） +-上田 -+ |
上田 初美女流四段---+ +-
（２回戦再挑戦） |
石本さくら女流初段---+ |
（５回戦再挑戦） +-石本 -+ |
中村 桃子女流初段---+ +- -+
（１回戦再挑戦） |
伊藤 沙恵女流三段------------+
（予選全勝通過）
÷ 丹善人 ÷