女王西山朋佳、挑戦者加藤桃子、ともに１勝１敗で迎えた、マイナビ女子オープン
５番勝負第３局は、６５手で先手の加藤桃子が勝ち、女王奪回に王手をかけました。

先手加藤桃子居飛車の出だしに、後手西山朋佳は角筋を止める３間飛車の対抗形。
先手が４筋の歩を伸ばして角道をこじ開け、３三に上がっている角と角交換から
飛車当てと８三への成り込みを狙った６五角打ちに出ます。後手は角成りを阻止する
方を選択。ならば先手は飛車角交換とします。

早速に飛車を相手陣に打ち込み、飛車成りを狙いますが、桂取りを阻止するために
銀を下げた後手に対し、先手は先に２筋の歩を突っかけます。２筋での歩の交換で
先手が飛車を出しますが、暴れ込まれては困るので、後手は自陣角を打って防御
します。

さらに強引にと金作りを目指す先手に、後手はもう１枚の角を貼って飛車取りに
出ますが、先手は構わずに歩の成り込み。先手は飛車切りで金を奪って後手陣を
荒らしますが、後手も香車取りの角成りで、駒割は後手の駒得となっています。

先手は桂馬を上げて馬の筋を止めますが、後手も飛車を自陣に打って龍がこれ以上
暴れるのを阻止します。ならばと桂馬を飛ばして攻めに参加させますが、後手は
奪ったばかりの香車を守りに利かせます。こおまでのところ、先手がやや暴走気味か。
後手は先手の攻めが止まれば優位に立てそうです。

先手は数の攻めで手をつなごうとします。後手は玉の早逃げ。先手は邪魔な香車を
消し去って桂馬成り。駒を足して守ろうとする後手に、先手も奪ったばかりの香車を
攻めに使います。ギリギリの攻めにギリギリ受ける後手。どうやら守り切っている
ような気配です。

一気の攻めは難しく、先手はいったん龍を引きます。しかし後手も持ち駒に使える
良い駒がないので、守り切るのも難しく、同時に攻めの手も難しく、飛車が成り込め
ますが、飛車を動かすと守りに使えないので痛し痒しです。
とりあえず後手は飛車を龍に変えることで守りを強固にしようという手に出ました。

相手に適当な受けがないと判断した先手加藤桃子は、反撃されないように自陣に手を
入れます。後手西山朋佳も守り駒を動かして守りを固めますが、それは読みの内。
後手の馬を使えないように追い詰めてから攻めを再開。手が見つからない後手は
なけなしの持ち駒を使って攻める態勢を見せますが、辛い先手はその手もなんなく
遮って、打つ手がなくなった後手はここで投了となりました。

【第１３期マイナビ女子オープン五番勝負】

加藤　桃子　○　　●　西山　朋佳

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|　　　|　　氏　　名　　　| 第１局 | 第２局 | 第３局 | 第４局 | 第５局 |
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|女王　|西山朋佳奨励会三段| 　●　 |　先○　| 　●　 | 　先　 | 　　　 |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者|加藤　桃子女流三段|　先○　| 　●　 |　先○　| 　　　 | 　　　 |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|　　　|　　　　　　　　　|１２９手|１０１手|　６５手|　　　手|　　　手|
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+

第１局 ４月　７日（火）　神奈川県秦野市「元湯　陣屋」
第２局 ４月１６日（木）　東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第３局 ５月１２日（火）　東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第４局 ５月１８日（月）　東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第５局 ６月　３日（水）　東京都渋谷区「東京・将棋会館」


÷  丹善人  ÷