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タイトルマイナビ女子オープン五番勝負第4局
記事No1126
投稿日: 2020/05/18(Mon) 15:17
投稿者丹善人
挑戦者加藤桃子が女王奪回まで2勝1敗と王手をかけた、マイナビ女子オープン
五番勝負第4局は、105手で先手の西山朋佳が勝ち、2勝2敗の五分に戻し、
決着を最終戦に持ち込みました。

後がない先手西山朋佳、先手番ゴキゲン中飛車に、後手加藤桃子は居飛車から
中央をがっちり守ります。お互い玉を2二、2八に置き、先手は美濃、
後手は矢倉模様にがっちり固めます。

後手が浮き飛車で5四の地点を守ると、先手は飛車が5六から7六へと回り、
三間飛車の変形となりました。5筋4筋と譜のぶつけ合いの後、先手の角が
飛車当てに出たところで後手は飛車をぶつけ、それに応じての飛車交換と
なりました。

さっそく8三に飛車を打ち込む先手に、後手は中央の歩を伸ばして飛車は
温存。先手は角道を開いて今度は角交換となりました。先手が一方的に
大駒交換から後手陣を崩しに行く格好となりました。

対する後手も譜の連打で先天守り陣にプレッシャーをかけながら、角打ちで
後手陣を睨みながら、角の支えでと金を作ります。しかしこのと金は
先手玉から遠く、その間に先手は飛車成りから角も打ち込んで大駒で後手玉に
揺さぶりをかけようとします。後手は飛車を守り駒として貼らざるを得なく
なりました。

と金で駒を拾い集めていく後手ですが、先手は後手陣近くにと金を作り
守り駒を直接はがしに行きます。後手も奪った香桂で先手玉を直接狙いますが、
攻防に利く桂馬打ちでかわされ、二の矢がない後手は受けるしかなくなります。

と金を後手玉側に近づける先手に、後手はこのと金を狙いながら、角取りにも
なる銀移動としますが、先手は角には目もくれずにと金攻めを続けます。
これは放置できず、結果的に先手は角銀交換で、タダ取りされそうだった
角をも生かし、後手に有効な守り駒がないのを見透かしての龍の直接攻撃と
出ます。

玉をかわして逃げるしかない後手に、先手は持ち駒の銀2枚を有効に使っての
王手飛車取り。上部脱出を狙うしかない後手に、飛車取りから飛車を直接貼るのでは
なく、先に角取りに香車を貼って、上部脱出阻止を優先します。

まだ詰みは無いと読んだ後手加藤桃子は戦って玉頭の桂馬取りを選択。ここで先手
西山朋佳は飛車打ちで後手玉を香車が利いている後手角の後ろに追いやり、
後手が動けないことを見越して香車を取り去って手を渡します。

一気の寄せは無理と判断した後手は攻防に利く角打ち。これは先手玉への
詰めろとなっています。しかしこれは先手の読み筋の内か。角取りから
角打ちの王手でもう1枚の角も奪い取って、飛車との交換とはなりましたが、
先手玉へのキュイはなくなりました。

遠く龍がにらみを利かせているので後手玉の入玉はなく、きっちりと
先手が後手玉を押さえ込んで寄せきりました。

【第13期マイナビ女子オープン五番勝負】

西山 朋佳 ○  ● 加藤 桃子

+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|   |  氏  名   | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|女王 |西山朋佳奨励会三段|  ●  | 先○ |  ●  | 先○ |     |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者|加藤 桃子女流三段| 先○ |  ●  | 先○ |  ●  |     |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|   |         |129手|101手| 65手|105手|   手|
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+

第1局 4月 7日(火) 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第2局 4月16日(木) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第3局 5月12日(火) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第4局 5月18日(月) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第5局 6月 3日(水) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」


÷  丹善人  ÷