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タイトル女流王座戦二次予選 渡辺弥生VS中村真梨花
記事No1158
投稿日: 2020/06/19(Fri) 16:38
投稿者丹善人
ようやく開幕成ったリコー杯女流王座戦二次予選第1対局、
渡辺弥生VS中村真梨花の対局は、120手で後手の中村真梨花が勝ち、
本戦出場をはたしました。

スポンサーであるリコーが開発したAI自動棋譜記録装置を使っての
対局で、振り駒のみ職員が行うという。振り駒の結果、先手となった
渡辺弥生、居飛車から金無双の出だしに、後手中村真梨花は当然の
四間飛車美濃に組みます。

先手は桂馬を上がった後、頭を守りに飛車が6段目にまず上がり、
銀が中央から上がってきて3筋からの攻めを見せます。後手は一旦
角を3三に上げた後、5一に移動。各地が開くことを予想して香車を
1二に上げ、さらに飛車を下段に下げて待ち受けます。さらに先手が
3筋の歩を突っかけてきたので、飛車を3一に移動させます。

3筋での歩の交換の後、先手は2筋の歩の突き捨てから銀を前進。
後手は銀をぶつけて銀交換。先手はすぐに銀貼りから4筋に角を上げます。
後手は銀貼りで角を追い払い、歩を貼って銀交換をさらにいどみますが、
先手は桂取りに歩を貼ります。

ここは桂馬を捨てて銀桂交換となり、と金はそのままに後手は飛車を
成り込ませる態勢に持っていきます。先手は成り込み阻止を兼ねて
銀取りの桂馬貼り。飛車を支えに後手は銀が前進。銀桂交換から
先手飛車当ての桂馬貼り。飛車が逃げれば飛車の成り込みが成立します。

先手は飛車を見捨てて飛車成り阻止の手に出ますが、結果としての
飛車交換は後手には文句のないところ。先手が取った飛車を打ち込んで
攻めの手を狙いますが、構わずに後手は先手の守りの金を上部に誘い
出してからの金取りの飛車の打ち込み。金を引いて守る先手ですが、
飛車成りは保証済み。先手は持ち駒が歩しかなく、打ち込んだ飛車と
と金の2枚だけでは十分な攻めは見込めません。対して後手は銀2枚が
あり、取られそうだった金も前進して攻めに活用していきます。

攻め駒を増やそうと、先手渡辺弥生は玉の守りにいた角を成り込ませ
ます。しかしこれは玉の守りが減ったことにもなり、先手は銀を上げて
守りに使いますが、これは壁銀にもなり、玉の逃げ道が狭まったことにも
なります。後手中村真梨花は攻撃を開始。着実に先手玉の守り駒を
減らしながら飛車成りとしました。交換で手にした駒で守ろうとしますが、
後手は駒を足して確実に押しつぶしていきます。

遠見に馬が守りに利いているとは言え、その筋を消しながら攻めていく
攻めに、裸玉は逃げるのみ。攻めるには美濃は遠すぎて届きません。
最後まで抵抗を見せる先手渡辺弥生でしたが、攻め巧者中村真梨花の前に
矢尽き刀折れました。


【第10期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
岩根 忍 女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・  ・  ・
・  ・  ・
・  ・中村真梨花女流三段  ・
・  ・  ・

渡辺 弥生 ●  ○ 中村真梨花  120手

中村真梨花女流三段---+
           +-中村真梨花女流三段
渡辺 弥生女流初段---+


÷  丹善人  ÷