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タイトル女流王座戦二次予選 中井広恵VS山根ことみ
記事No1165
投稿日: 2020/06/26(Fri) 16:15
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、中井広恵VS山根ことみの対局は、104手で
後手の山根ことみが勝ち、本戦出場を果たしました。

先手中井広恵、後手山根ことみ、相居飛車の出だしに、両者9筋の歩を
付き合い、先手は玉を7八に移動、後手は居玉のまま角銀を上げて2筋の
先手からの攻めに備えます。先手は矢倉に構えた後、角を7九に引いて
1筋の歩も突き合ってから角を4六に上げます。

駒がぶつかる前に両者駒組みの整備に入ります。先手は金銀を玉側に集め、
後手は美濃に以降、飛車を下段に下げます。回戦は後手が6筋の歩を突きます。
桂馬があるので取れず、銀が上がって桂馬の当たりを避けます。ここで
歩の交換。先手の金銀が上がったところで、後手は歩を6四に打ってひかえ
ます。結果的に先手の駒が上がっただけに。

後手は置き去りにされた先手の銀を目標に飛車を5筋に移動。先手は銀先を
疲れてもいいように、4筋の歩を上げて、銀の前進を匂わせます。ただし
単純に銀が上がれば飛車成りを許してしまうので、銀は動かせません。
後手は8筋の歩を釣り上げてこちらからの攻めも見せます。

先手が銀交換を狙って4筋を伸ばしたので、後手は5四の地点での銀交換。
後手の守りの銀が動いたのですかさず角が飛んで王手。後手は飛車先を止める
ことになりますが、やむを得ずに銀貼りで受けます。
持ち駒を使わせて良しとして先手は角を引きます。

先手は後手玉を2二に引き戻した後、3三の地点の守り駒を移動させます。
ここで素人目には4三銀が自然な一手と思えたのですが、なぜか先手中井広恵は
2六角。後手山根ことみは要の4四の歩を取り去って一安心。
先手は2筋の玉頭の歩を釣り上げて角切りからの十字飛車を決める狙いの
ようです。

狙いはそのまま進みましたが、角と銀2枚の2枚替えで終わっただけで先手
からの継続手がなく、ここで先手は一転守りに転じました。後手はここが
狙い目で、歩の打ち込みと守り駒を狙う叩きの歩で攻めを続けます。
先手も後手玉をなんとか釣り上げて攻めに持ち込みたいところです。

後手は先手玉を釣り上げて飛車が上がって飛車交換を要求。交換で上がった
後手の角が先手玉の間近にいます。攻防の飛車打ちで打開しようとする
先手中井広恵でしたが、冷静な後手山根ことみの見切ったと思える手に
やむなく投了となりました。


【第10期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
岩根 忍 女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・山根ことみ女流二段  ・  ・
・上田 初美女流四段  ・  ・
・  ・中村真梨花女流三段  ・
・室谷 由紀女流三段  ・  ・

中井 広恵 ●  ○ 山根ことみ  104手

山根ことみ女流二段---+
           +-山根ことみ女流二段
中井 広恵女流六段---+


÷  丹善人  ÷