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タイトル女流王座戦二次予選 田中沙紀VS水町みゆ
記事No1166
投稿日: 2020/06/26(Fri) 16:40
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、田中沙紀VS水町みゆの対局は、158手で
後手の水町みゆが勝ち、本戦出場を果たしました。

この対局に勝てば念願の女流2級昇級がかかる先手田中沙紀、元奨励会の
後手水町みゆが壁となるか、両者相懸かりの出だしとなりました。
先後手ともじっくりと駒組みを進め、先手は矢倉模様から角を5九に移動。
後手も矢倉模様に移動したところで7筋の歩の交換に入りました。

先手は7五に上がった角を目標に、2筋の歩を釣り上げて飛車が5段目に
上がります。これは角を引いて何でもなく、単純に2二歩で2筋は
守られます。さらに飛車も追い返して先手が歩を損しただけの話と
なりました。

打開を図りたい先手は1筋で歩を1枚ゲット。冷静な後手は3七に上がって
飛車のこびんを狙っている角をこれも下段に追い落とします。そして8筋に銀を
上げ、遅ればせながらの棒銀。先手が謝って銀2枚で攻めようとした先手の
攻めを押さえ込んでしまいました。

先手は1筋を攻めて行きますが、大局観が上回る後手が王手飛車を狙っての
駒回しに受ける一方。攻めるチャンスが得られません。
飛車には逃げられましたが、後手はかまわずに角を進ませての王手。先手は
すぐに角合いで交換とします。次に王手桂馬取りの先手からの角打ちが
見えるところ。その筋に香車を貼って田楽刺しに。先手は角を貼りたかった
位置に守りを歩を打つことに。

後手は6筋に先手の守り駒が3枚並んだことで、8筋からの攻めを再開。
先手も1筋の攻めに3筋からの攻めを織り交ぜます。
ここで、後手は先手玉の守り駒をうわずらせて、ついに王手飛車を市立
させました。

角合いで角交換に持ち込ませたい先手田中沙紀ですが、そうは問屋が
卸させない。攻め駒でもある角を使わせたことで後手玉への脅威が
限りなく減ったことに安心する後手水町みゆは、玉の早逃げで攻めを
切らせます。圧倒的な不利になった先手は駒を惜しげも無く総動員させて
後手玉に迫ろうとします。

飛車を打ち込み、正面と横からの攻めは厳しく、余裕を持った後手が
きっちりと先手玉を追い詰めていきます。女流2級昇級及び正規入会
まであと1勝だった田中沙紀でしたが、九分九厘夢が絶たれ、残すは
おそたくはマイナビオープンでの本戦入りのみが残されたチャンスと
なりました。


【第10期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
岩根 忍 女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・山根ことみ女流二段  ・  ・
・上田 初美女流四段  ・水町 みゆ女流初段  ・
・  ・中村真梨花女流三段  ・
・室谷 由紀女流三段  ・  ・


田中 沙紀 ●  ○ 水町 みゆ  158手

田中 沙紀女流3級---+
           +-水町 みゆ女流初段
水町 みゆ女流初段---+


÷  丹善人  ÷