[リストへもどる]
一括表示
タイトル女流王座戦二次予選 甲斐智美VS飯野愛
記事No1167
投稿日: 2020/06/26(Fri) 17:09
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、の対局は、122手で
先手の甲斐智美が勝ち、本戦出場を果甲斐智美VS飯野愛たしました。

先手甲斐智美居飛車に、後手飯野愛は角銀を上げてから三間飛車に
出ました。じっくり形を決めながら、先手は舟囲いに、後手は美濃に
組んでいきます。後手が囲いを決める前に先手から4筋の歩を突きます。
駒がぶつかったまま、後手は飛車を4筋に回して準備。先手が桂馬を
上げると後手は美濃を完成させます。

ここで4筋の歩の交換。先手は2筋の歩も突いて、さらに叩きの歩。
後手は角筋を止めている銀を上げて角道を開けながら銀桂交換を要求。
角が直接にらみ合っていますが、一手得をしたいため、どちらも自分
からは交換は行いません。なので、先手は2筋の歩が成りこむ姿勢を見せ、
仕方なく後手から角交換。さらに飛車の突入を目指して、交換した
ばかりの桂馬を貼り、先手飛車を浮かせてから先手銀の腹に桂成りと
します。

ここは銀桂交換はやむを得ないところ。かさに乗った後手はもう1段
飛車を浮かせて銀の打ち込みで強引に飛車の成り込みを狙います。
飛車成りだけは防ぎたい先手は飛車取りの銀打ち。ここは下段まで飛車を
引き、後手の銀の前進は許すしかないところ。金銀交換は仕方が無いけれど、
飛車成りだけは阻止したいと、飛車道だけは止めますが、ならばと後手は
角貼りで成り込みを狙います。

角が成り込めるようには成りましたが、後手飯野愛はどうしても飛車を
成り込ませたいようで、桂馬貼りから飛車先を止めている銀を始末しようと
狙います。桂馬狙いの角打ちに出る先手甲斐智美ですが、かまわずに
後手は飛車先を止めている歩を桂馬で取ります。

それでもしつこく飛車先を止める先手。後手は飛車を取らせて桂馬成りから
先手玉に迫る手に切り替えたようですが、先を読んだ先手は角当たりの銀打ち。
これで後手の飛車角を両当たりとなってしまいました。
後手は桂馬成りで先手陣を乱して飛車角と飛車の交換で終えた後、王手角取りの
飛車の打ち込みを行いましたが、桂馬の合駒でぴったり受けられてしまいました。

適当な攻めが無くなった後手に対し、先手は後手玉のこびんを角が狙っていて
実に危険な状態。軽く自陣野「守りを元に戻した先手は後手玉への寄せをじっくりと
整えていきます。駒数と経験が豊富な先手は持ち時間が切れたのも関係なく、
自玉が安全なことを見越しての攻め。何の憂いもなく攻めだけに集中できます。

端を潰されての攻めは横には飛車と金が利いており、逃げ道はありません。
後手からの角取りも龍の道が変わったことでますます後手からの攻めが無くなり、
先手は9筋正面から駒を足していき、一気に後手玉を寄せきりました。


【第10期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
岩根 忍 女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・山根ことみ女流二段  ・  ・
・上田 初美女流四段  ・水町 みゆ女流初段  ・
・  ・中村真梨花女流三段  ・甲斐 智美女流五段
・室谷 由紀女流三段  ・  ・


甲斐 智美  ○  ● 飯野 愛  122手

飯野 愛 女流初段---+
           +-甲斐 智美女流五段
甲斐 智美女流五段---+


÷  丹善人  ÷