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タイトル女流王座戦二次予選 和田あきVS山口恵梨子
記事No1169
投稿日: 2020/06/30(Tue) 15:45
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、和田あきVS山口恵梨子の対局は110手で
後手の山口恵梨子が勝ち、本戦出場を果たしました。

先手和田あき、居飛車から銀冠に進み、後手山口恵梨子は9筋の歩を
突き合ってから角道を止める純粋中飛車に出て。美濃に囲います。
後手は簡単には先手に銀冠はさせないと、桂馬も上げて玉頭にプレッシャーを
かけます。

後手が銀を上げ、金を守りに近づける間に先手は銀冠に以降終わり。さらに
穴熊に潜ろうとするところで後手は8筋を突きます。8筋の歩を消去させて
穴熊ながら周面に傷が付いた状態の先手。後手が自陣の整備に回る間に
傷を塞ぎます。後手はしっかり1筋狙いに駒を集めます。

後手は飛車を5一に下げ、5筋の歩の交換で再度5一に戻ります。
傷を埋めるばかりの先手に、後手は銀角も前進。中央からの突破を
はかります。先手も攻めの機会を狙いますがすっかり押さえ込まれるばかし。
その間にも後手は盛んに揺さぶりをかけます。

押さえ込まれて自由が利かない先手は、銀を上げて銀交換に。さらに金を
上げて角との交換。一見先手の方が駒得の交換のように見えますが、
後手は穴熊崩しに必要なカナ駒を得たことになり、いよいよ後手の穴熊
崩しが始まりました。

後手は攻防の角打ちで攻めの要になっている後手の桂馬を払おうとしますが、
後手は飛車先を止めている歩を飛車で払って桂馬を守りますが、銀上がりで
飛車が交替。さらに先手は先を考えての後手の守りの銀魂に歩貼り。
銀が逃げれば飛車道が止まることになり、食えば守りが弱体化し、桂馬取りが
有利に働きます。考慮の結果、後手は歩を取ることに。先手は角上がりで
後手玉を睨むことになり、希望をつなぎました。

後手山口恵梨子はこの角狙いと飛車の成り込みを狙っての4三に飛車移動。
最後のお願いと、先手和田あきはばっさりと角切り。眠っていた飛車を
5筋に回して成り込もうとします。後手は成り込みでの王手飛車金取りを
何としてでも阻止したいはずなのですが、なんと飛車先を止めずに
いきなり穴熊崩しの金取りに。飛車を取られても先手玉を詰ませると
思ったのか。

当然先手は飛車成りの王手。歩で受けますが、金または飛車取りの間に
角打ちが必至になります。受ける手がなくなった先手は最後の王手を
かけてから投了。山口恵梨子の完勝となりました。


【第10期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
岩根 忍 女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・山根ことみ女流二段  ・  ・山口恵梨子女流二段
・上田 初美女流四段  ・水町 みゆ女流初段  ・
・  ・中村真梨花女流三段  ・甲斐 智美女流五段
・室谷 由紀女流三段  ・  ・


和田 あき ●  ○ 山口恵梨子  110手

和田 あき女流初段---+
           +-山口恵梨子女流二段
山口恵梨子女流二段---+


÷  丹善人  ÷