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タイトル女流王座戦二次予選 中村桃子VS堀彩乃
記事No1171
投稿日: 2020/06/30(Tue) 17:05
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、中村桃子VS堀彩乃の対局は117手で
先手の中村桃子が大逆点で勝ち、本戦出場を果たしました。

先手中村桃子、3手目1六歩と突いて、振り飛車美濃宣言。後手堀彩乃は
8筋の歩を突いていきます。先手はその後四間飛車に振り、後手は矢倉模様に
進めていきます。
後手は中央から銀が進出。先手は玉頭2筋を突き合い、後手が角を4四に
上げます。先手は歩を突いてこの角を追い返します。
後手は金無双に組みました。対する先手はダイアモンド美濃を完成。

戦いは後手から角道をこじ開けての角交換。上がった桂馬当てに再度3三に
角貼り。これを5五歩と止めますが、後手はこれに乗じて銀が上がります。
先手も銀上げで対抗します。後手は8筋をついて飛車の成り込みを見せると、
先手も6筋をついてなり込みを見せます。お互い成り込みは後回しで、
相手の飛車先を止めることに。お互い5筋にあった銀が6筋のそれぞれの
歩を取り払います。

先手は4五に貼った角が成り込める状態なので、後手は歩を貼って阻止。
先手はここで桂馬交換に出て、飛車角のどちらかが成り込もうと狙います。
後手は先に角成りで飛車をまず止めようとします。さらに桂馬上げで
角を移動させて、銀交換に出た先手に対して銀を交わして角当たりとします。
これは角の逃げ場は1カ所しか無く、ほとんど捕まったも同然です。

先手中村桃子は後手玉前の歩をこじ開け、銀が動くことで角を助けようと
試みますが、後手堀彩乃は丁寧に応じて、銀が動いたところで角を取り、
さらに馬も好位置に付けて先手玉に圧力をかけます。
何とか駒交換から桂馬貼りから桂馬成りで後手の飛車を酢煮に追いやり、
飛車を成り込ませます。

後手は浮いた金当てにもなり、先手守り駒2枚の内の1枚を狙う角打ち。
後手は飛車の守りを避けて龍を1段目まで進入。後ろが弱い後手玉は
受けの桂馬打ち。とりあえず玉側の金を引きつけた後、先手は下から金打ちの
攻め。後手は攻防の桂馬を飛ばします。

先手赤村桃子の金での王手も、3段目に逃げ道を開いた後手堀彩乃は
飛車の横の守りを利かせて逃げます。ならば角馬両当たりの桂馬打ちとする
先手ですが、ここは馬はすでに切る予定。さらに飛んだ桂馬も切って、
角成りが先手玉の側に着地。詰めろがかかりました。

しかし角を手にした先手も下からがダメなら上からの抑えでどうだと、
桂馬打ちで玉のこびんをこじ開け、攻防の角打ちでの王手。これを後手は
角筋を剃らせる狙いの中合い。持ち駒が銀1枚の先手は攻めが続きません。
なので形作りの金寄り。後手は合駒に使った桂馬をも攻め駒として、
馬も切って金銀3枚を手にしての寄せ。はたして駒は足りているのか。

どうやら後手堀彩乃の計算違いか。1枚駒が足りず、急遽受けに回ることに。
大逆点が生じて。持ち駒十分の先手中村桃子が負け勝負を拾いました。


【第10期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
岩根 忍 女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・山根ことみ女流二段  ・  ・山口恵梨子女流二段
・上田 初美女流四段  ・水町 みゆ女流初段  ・
・鈴木 環那女流二段  ・中村真梨花女流三段  ・甲斐 智美女流五段
・室谷 由紀女流三段  ・中村 桃子女流初段  ・


中村 桃子 ○  ● 堀 彩乃  117手

中村 桃子女流初段---+
           +-中村 桃子女流初段
堀 彩乃 女流1級---+


÷  丹善人  ÷