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タイトル女流王座戦二次予選、中澤沙耶VS貞升南
記事No1173
投稿日: 2020/07/01(Wed) 20:55
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、中澤沙耶VS貞升南の対局は、141手で
先手の中澤沙耶が勝ち、本戦出場を果たしました。

本日タイトル戦が行われている藤井総太七段のきょうだい弟子である
先手中澤沙耶(先にプロになっているのも弟子入りが先なのも彼女だが、
自らは妹弟子と称している)、後手貞升南、相居飛車の出だしに、
先手は角替わり。先手が金銀を上げて右玉に構えると。後手は4二に玉を
すえます。

先手が金を後手が玉を千日手模様に動かした後、先手が左銀を引いたタイミングで
8筋での歩の交換。横歩を取られないように先手は銀を上がります。
8筋の傷は消して、後手の飛車は再び下段に。

後手は先手からの攻めを催促。乗って先手は2筋で歩の交換。ここも歩を貼って
先手の飛車もまたまた下段に。お互い手が進まないまま時間が経ち、ようやく
8五で桂馬の交換。先手が7筋の歩を突いて、守りの銀を上げさせて歩を
打ち込みますが、ここも歩でささえて膠着状態に。

先手は後手が打った歩の隙間を狙っての角の打ち込み。玉の守り駒が動けば
飛車が成り込めるという算段か。後手は玉御守りに使います。
先手は歩の交換で角成りが出来ました。後手は飛車を玉の下に滑り込ませます。
先手は6筋の歩を突いて攻めの継続。銀を下げて守る後手ですが、先手は
馬が支えについてのびのびと攻めを続けます。

角貼りで馬を消そうという後手ですが、これは渡りに船。角交換で先手を
取っての歩の銀当たりの突き捨てからの角打ちで、銀香両当たりとなり、
駒を取りながら再び馬ができるという。
後手は再度両方を受ける角打ち。この角が追われるならばなり捨てて
勝負に出ようという所か。

先手中澤沙耶は銀上がりで角を動かそうとしますが、予定通り、後手貞升南は、
角切りで先手陣を乱し、当たりになっている銀に紐を付けます。ならばと、
こちらも予定通りに後手は香車取りで馬を作ります。守ってばかりでは
勝ち目がない後手は、先手玉の守り駒が少ない今がチャンス。3筋からの
攻めを開始します。

3一に回っていた飛車を生かすように3筋を開けて飛び込む準備の先手。
先手は玉の守りの最後の銀をも使って3筋を守り切ろうとしますが、
桂銀交換で玉は裸に。後手は5筋の歩を突いて、中央に拠点を作ろうと
します。
狙い通り先手の歩を釣り上げて裸玉を狙って後手は5六金と拠点を
作りました。先手はここは一気に攻めるしかないと判断。後手が開いた
3筋を利用して桂馬貼りで後手陣を乱します。

駒が入った後手貞升南は直接先手玉に王手。先手中澤沙耶は受けきれると
判断したのか。対する後手は攻めは続かないと判断。せっかく開いた
3筋の飛車道を自ら閉じることに。
余裕のある先手は後手玉の逃げ道が塞がったと言うことで、今度は
5筋の銀を直接狙い目に。釣り上げての桂馬貼り。銀は取られても仕方が
無いと歩で支えて粘ります。

先手は桂銀交換から金を釣り上げての玉のこびんを狙っての角貼り。
後手はこの角を動かそうと角頭に歩を貼りますが、今さら角は逃げません。
3筋に銀を打ち込み、駒の精算で後手玉も裸にし、角切りから待望の
飛車の成り込みを果たして馬も玉下段からの挟撃態勢に持ち込んで、
一気に後手玉を寄せきりました。


【第10期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
岩根 忍 女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・山根ことみ女流二段  ・  ・山口恵梨子女流二段
・上田 初美女流四段  ・水町 みゆ女流初段  ・中澤 沙耶女流初段
・鈴木 環那女流二段  ・中村真梨花女流三段  ・甲斐 智美女流五段
・室谷 由紀女流三段  ・中村 桃子女流初段  ・


中澤 沙耶 ○  ● 貞升 南  141手

貞升 南 女流初段---+
           +-中澤 沙耶女流初段
中澤 沙耶女流初段---+


÷  丹善人  ÷