里見香奈初代淸麗に上田初美が挑戦する、ヒューリック杯淸麗戦五番勝負第１局は、
１０１手で先手の里見香奈が防衛に向けて先勝しました。
先手里見香奈、先手番ゴキゲン中飛車に後手上田初美は三間飛車美濃を選択。
先手はわざわざ壁銀にして玉を以降。金無双に組む模様。。
先手玉が後手飛車の正面に位置しているので、後手から３筋の歩の交換で、
王手となり、玉前に歩を貼らざるを得ず、後手が１歩得しました。
先手は早々と９筋の歩を突き超し、これに乗して角を６六に上げて端攻めを
視野に入れます。後手はこの角を攻撃目標に銀を上げて歩を突きます。
角がそれたので後手は角道を開いて桂馬当たり。先手は歩を上げて守ります。
後手は攻める手順が出来たので、囲いの完成に向かい、これを見て先手は
この後の動きのために桂馬の守りに金を上げます。
後手は先手の角を善戦から追い払ってから６筋の歩を伸ばします。これに
飛車を回して受ける先手。邪魔な歩を銀で払うと、銀がそれたタイミングで
今度は４筋の歩を突きます。叩きの歩に先手は銀を戻し、同時に飛車道を
通します。守りの金を１段上げて受ける後手。先手も歩損を承知で壁銀解消に
後手飛車先の歩の交換で銀が上がります。
後手飛車が３四に引いたので、先手はこの飛車を狙い目に。桂馬跳びを
要求する４五歩突きに、桂馬跳ねが飛車の動きを制限することになり、
近寄せて銀上がりで狙いに行きます。誘いを承知で後手も受けて立ちます。
単純に銀上がりで飛車をねらうかと思いきや、先手は角を上げて成り込みを
見せて、桂馬上がりを誘導。この桂馬取りに角切りから飛車を確実に確保して
打ち込む筋を読んでいました。飛車を得ると王手角取りに飛車を打ち込んで
角を取り返す手が生じるので後手は考え物です。
後手は飛車が取られる筋を読めていなかったのか、先手の読み通りに進行。
飛車を諦めた後手は先に桂馬を飛ばして桂銀交換で攻めをつなぎます。
飛車の打ち込みには取ったばかりの銀で間に合うので、飛車損だけで
すみそうです。
後手は陣形がとにかく危ういので先に玉をが\上がることを選択。ならばと
先手は玉正面からの攻撃を始めます。
結果的に飛車角交換で終わった今こそ逆転のチャンスと、後手も攻めを優先。
直接先手玉頭を攻めて行きます。
先手から歩が伸びて玉頭銀取りに進んでも、攻めが先と、後手も歩成りで王手。
先手守り陣も薄くなりました。
当たりとなっている後手の銀は、前進すれば飛車でタダ取り。歩を取っても
下がっても王手金取りの桂馬打ちがあるので身動きが取れません。
ということで後手上田初美は銀は諦めて飛車先に歩を貼って飛車の侵入だけを
阻止。先手里見香奈はまず銀を取ってから、相手の手に乗って飛車を移動。
４筋からの成り込みを見せます。
ここでも駒を貼って侵入阻止を図る後手ですが、攻め駒を使って守っている
ようでは勝ち目が見えてきません。
後手にこれ以上の手がないと見た先手は金取りに打たれた歩を手抜いて、
後手玉の横の筋にある金角両当たりの飛車の打ち込み。金をタダ取りされては
一気に玉が寄ってしまうので放置は出来ません。後手が先に金を取っても、
取り返した桂馬が銀当たりになるので、後手からの継続の手がありません。
ということで金守りに銀を引くしか無く、角取りで龍を作った先手が
はっきりと勝ちに向かって進んでいます。
最後のお願いで後手は頓死を狙った角打ち。引っかかるはずも無く、先手は
１一の香車を取って龍を１段目に下げ、最後の寄せに向かいます。
一手違いを見せて詰めろを掛ける後手上田初美でしたが、持ち時間を十分
残した先手里見香奈に間違うはずもなく、最後はきっちりと後手玉を
寄せきりました。
【第２期ヒューリック杯清麗戦五番勝負】清麗:里見 香奈
里見 香奈 ○ ● 上田 初美
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| | 氏 名 | 第１局 | 第２局 | 第３局 | 第４局 | 第５局 |
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|清麗 |里見 香奈女流四冠| 先○ | | 先 | | |
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|挑戦者|上田 初美女流四段| ● | 先 | | 先 | |
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| | |１０１手| 手| 手| 手| 手|
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第１局 ７月 ４日（土） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第２局 ７月１０日（金） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第３局 ７月３１日（金） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第４局 ８月 ６日（木） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
÷ 丹善人 ÷