里見香奈淸麗の先勝でスタートした、第２期ヒューリック杯淸麗戦第２局は、
１１０手で後手の里見香奈が２連勝とし、初防衛に王手をかけました。
先手上田初美居飛車の出だしに、後手里見香奈は今回もゴキゲン中飛車美濃。
先手は超速銀で迎えます。先手は左右の銀を上げ、２枚の銀で中央を守ります。
今回は穴熊にはしないようです。
先手は金２枚で守る態勢で桂馬も上げてから２筋の突き捨て。後手は飛車に
備えて金を上げて２筋を守ります。
先手は４四に上がっている先手の銀に銀をぶつけますが、これは桂馬に上がられる
だけなので、後手は銀が３四に上がられるのを阻止して金を２三に上げます。。
ということで、先手から銀交換。角で取ったところで桂馬が跳ねます。飛車角
両当たりの銀の打ち込みがあります。激しく攻める順もあったようですが、ここは
後手はおとなしく、銀の打ち込み阻止に銀貼りとしました。
先手はいったん飛車を下段まで下げた後、２筋攻撃を目指して１五銀とします。
後手は桂取りを防ぐために桂上がりとします。
先手は順当に金銀交換から飛車が成り込み、後手は替わりに桂馬を飛ばして
５筋からの攻めを見せます。
先手は桂先の歩を突いて桂馬跳ねを催促。後手は乗って５七桂成り。次々と駒を
貼って攻めかかろうとします。先手は飛車銀両当たりの桂馬打ち。それにかまわず、
後手は銀取りから歩を成り込み、王手角取りを示しますが。先手もそれを無視しての
飛車取り。さすがに成桂をそのままにしておけずに後手はこの成桂を取り去ります。
先手は６筋をカバーしながら攻めの手も見せる６五飛車張り。後手はこの飛車を
動かそうと、銀貼りで対抗します。先手は飛車で歩を払って飛車角交換を
せかします。後手は交換では無く、飛車をタダ取りする手を選択。ならばと、
先手は飛車切りで相手陣に切り込んで銀を取ります。これを金で取れば後手玉が
頓死します。なので角で取ることに。
先手上田初美は穴だらけとなった先手守り陣を埋めようとしますが、後手里見香奈は
駒得を武器に攻め立てます。攻める手はなくなった先手ですが、飛車切りで得た
銀を守りに使って、まだまだしぶとく残します。後手は桂金交換から飛車の打ち込みで
先手守り陣を崩していこうとします。
先手からも金銀両取りの桂馬打ちの手が見えるのですが、後手は打たせる余裕も無く、
一気に攻め立てる方針のよう。しかし先手は攻め駒として残しておきたい金を
投入して、玉横からの攻めを続ける飛車を移動させて手番を得ました。
手番を得た先手は予定通りに桂馬打ち。しかし駒１枚得ても攻め駒を１枚使っている
ので、攻めは続きません。後手は両取り逃げるべからず。寄せが無いことを
見越して６六歩打ち。長考の先手上田初美は、一番効果が高い銀を始末することに。
おそらくこれが受けの最善手だったのでしょう。ならば連続の歩成りで守りの
銀を浮かせた後手里見香奈は、ここで自陣に手を入れます。自陣の守り駒と交換で
先手の攻め駒である桂馬を手に入れれば先手玉は寄せられるということでしょう。
先手は桂馬はいつでも入手できると、６六に歩を打っ守りのて角を上げさせ、
と金銀を取ってから角腹に金打ち。ここで先手は桂馬成りで銀との交換。奪った
銀を守りに穴埋めします。どこまでも駒を投げずに守り抜こうとします。ｓかし
後手はあっさりと角を取り、桂馬貼りからの一気の寄せを目指します。
しかし先手が金を取らずに、形作りの攻めの龍寄りに来たので、先手はさらに
金を使って寄せの態勢に。
後手は寄ってきた龍を使って後手の龍の道を遮り、玉を上部脱出へと向かわせ
ますが、王手飛車の角打ちが決まり、取った飛車で最後に玉正面から逃亡阻止の
王手で逃げる道を塞がれてここで投了となりました。
【第２期ヒューリック杯清麗戦五番勝負】清麗:里見 香奈
上田 初美 ● ○ 里見 香奈
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
| | 氏 名 | 第１局 | 第２局 | 第３局 | 第４局 | 第５局 |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|清麗 |里見 香奈女流四冠| 先○ | ○ | 先 | | |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者|上田 初美女流四段| ● | 先● | | 先 | |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
| | |１０１手|１１０手| 手| 手| 手|
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
第１局 ７月 ４日（土） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第２局 ７月１０日（金） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第３局 ７月３１日（金） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第４局 ８月 ６日（木） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第５局 ８月１８日（火） 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
÷ 丹善人 ÷