[リストへもどる]
一括表示
タイトル女流王座戦本戦2回戦 鈴木環那VS里見香奈
記事No1232
投稿日: 2020/08/25(Tue) 15:32
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦本戦2回戦4局目 鈴木環那VS里見香奈の対局は、102手で
後手の里見香奈が勝ちベスト4に進出しました。
準決勝は伊藤沙恵VS加藤桃子、山根ことみVS里見香奈で行われます。

先手鈴木環那居飛車の出だしに、後手里見香奈はゴキゲン中飛車。先手は玉を
8八まで移動させ、金銀4枚を集めてからイビ穴としました。対する後手は
美濃に囲い、銀を中央に出します。

先手は右側に飛車1枚だけ残し、がっちりと玉を囲った後、2筋で歩の
突きだし。後手も左側は角1枚の守り。中央で先手の金と後手の銀がにらみ
あいます。

ここで後手から端攻撃。歩の突き出しで歩を貼って香車を引っ張り出し、穴熊玉の
頭を開けさせてから香車当ての桂馬の飛びだし。先手は角を上げて後手玉のこびんを
狙いますが、ここは後手が5五に銀を上げて金にぶつけて角筋を止めます。
先手も5筋の飛車頭に歩を貼って、取れば桂馬が飛んで飛車角両当たりを示します。

これを承知で後手が歩を取ると、桂馬は飛ばずにさらに歩を貼ります。何か嫌な
筋が見えたようです。なので誘いに乗ってさらに飛車を上げ、飛車当たりに金が
上がると、飛車取りを放置。後手は飛車角交換とします。穴熊に飛車は使いづらい
との判断かも知れません。
後手はただちに角の打ち込みから馬を作ります。先手は玉のこびんに角が2枚も
利いているのは危険と判断して飛車馬交換とします。

先手鈴木環那は危険な玉頭を守る為に飛車を投入。後手里見香奈は香桂交換で
先手の桂馬を釣り上げた後、弱くなった穴熊玉の横を狙っての飛車を打ち込みます。
早速にも穴を埋める桂馬打ち。後手も2枚香で攻め駒を増やします。

先手は攻め駒の角をも狙うようにしましたが、これを逆用、後手は角を移動して
角も端攻撃に参加させる態勢にしました。
先手も守り駒を増やしますが、後手も香車を奪って正面からの攻め駒を増やします。
先手が角当ての銀を打つと、ここで後手は角を切り飛ばしての総攻撃の開始。
3段ロケットを構築すると一気に発射させます。
攻め駒十分の後手に先手は受けるすべがなく、投了もやむなし。里見香奈が貫禄で
ベスト4進出をはたしました。


【第10期リコー杯女流王座戦本戦】女流王座:西山 朋佳

鈴木 環那 ●  ○ 里見 香奈   102手

伊藤 沙恵女流三段-------+
             +-伊藤 -+
室谷 由紀女流三段-------+     |
                  +-伊藤 -+
中村真梨花女流三段-------+     |    |
             +-藤井 -+    |
藤井 奈々女流初段-------+         |
                      +-   -+
中村 桃子女流初段-------+         |    |
             +-甲斐 -+     |    |
甲斐 智美女流五段-------+     |     |    |
                  +-加藤桃-+    |
山口恵梨子女流二段-------+     |         |
             +-加藤桃-+         |
加藤 桃子女流三段-------+              |
                            +-
岩根 忍 女流三段-------+              |
             +-岩根 -+         |
水町 みゆ女流初段-------+     |         |
                  +-山根 -+    |
上田 初美女流四段-------+     |    |    |
             +-山根 -+    |    |
山根ことみ女流二段-------+         |    |
                      +-   -+
石本さくら女流初段-------+         |
             +-鈴木 -+     |
鈴木 環那女流二段-------+     |     |
                  +-里見香-+
中澤 沙耶女流初段-------+     |
             +-里見香-+
里見 香奈女流四冠-------+


÷  丹善人  ÷