本日開幕となったマイナビ女子オープン本戦１回戦、竹部さゆりVS長谷川優貴の対局は、
１３０手で、後手の長谷川優貴が開幕局を制しました。

先手竹部さゆり、飛車先は保留のまま矢倉に玉を移動。後手長谷川優貴は４間飛車に。
ようやく先手も飛車先の歩を上げました。先手は穴熊に。後手は美濃に囲います。
P互い中央に銀を上げ、にらみ合う形から、先手は３三に上がった角を目標に歩を突き、
飛車が３筋に回ります。

歩の交換で先手は飛車を上げたまま、桂馬を上げ、２筋の歩を突き捨てて後手が
角を上がりますが、飛車は成り込めますが、そうすると銀がタダになるところ。
ただ、飛車成りが先手飛車に当たることからそちらを選択。そして銀を下げて
角成りを防ぎます。

後手は穴熊の弱点となり端を突いた後、３七の桂馬ねらいに歩を貼ります。成り込んだ
龍で取れば角の支えで飛車が前進して当てることが出来るのでこれは取れません。
後手は桂馬を奪った後、その桂馬を攻めに活用。穴熊潰しにかかります。

端の香車を奪い、玉狙いに８筋に香車を貼って、一気に穴熊が壊れます。
先手も成り込んだ龍を生かそうと、端の逆襲で香車を釣り上げます、対する後手も
角成りで作った馬を生かしながら、飛車も成り込もうというところ、情勢は後手の
守り陣を崩せないでいる先手が劣勢。

先手は９筋の歩を成って後手玉を小尾出しますが、継続手がありません。
逆に後手は先手玉狙いに貼り付けた桂馬と香車が協力で、馬を寄せて一気に
潰そうと狙います。

先手の端攻撃を軽くかわした後手長谷川優貴は逆に端歩を伸ばして、先手玉正面を
追い詰めます。先手竹部さゆりは桂馬しかない待ち駒をすべて使って守りを増やし、
雨後ての馬に対して角を直接当ててかわそうとするのが精一杯。

先手は角銀串刺しの香打ち。これを角をかわした後、後手は９筋に駒を足して一気の
攻めに。先手は受けは諦めて銀取り。これを後手も無視して攻撃開始。しかし連続攻めが
できないため、いったん玉を引いて守ります。先手は再度馬飛車串刺しの今香打ち。
しかし後手はこれを放置。飛車角両方を与えるつもりで、９筋攻撃で先手玉に一気に
迫ります。

しかし先手もまだ耐久力があると信じて後手玉に迫ってきます。後手に見落としが
あったのか、攻めを中断させて守りに入ります。飛車角を奪った先手は逆転のチャンス。
しかし持ち駒の余り駒で補強した後手は先手玉に詰めろの、逃げ道封鎖の金打ち。
同金と取られても、逃げ道が無くなることには変わりなく、飛車角を持ち駒に加えた
先手は他の守り駒がないのでどうやらこれで勝負あったかも。

先手竹部さゆりは角打ちから角捨ての、これしかないという受けを見せましたが、すでに
その手は読んでいた後手長谷川優貴はノータイムで取った角を貼り付けて玉を追い詰め、
質駒を奪い取って勝負が決しました。


【第１４期マイナビ女子オープン本戦】女王：西山朋佳奨励会三段

竹部さゆり　●　　○　長谷川優貴　　１３０手

清水　市代女流六段---------+
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
千葉　涼子女流四段---------+　　  　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+
長谷川優貴女流二段---------+　　  　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 +-長谷川-+　　　　|
竹部さゆり女流四段---------+　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
加藤結李愛女流初段---------+　　　　　　　　 |　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　　　　|　 　　 |
里見　香奈女流四冠---------+　　  　|　　　　|　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+　 　　 |
脇田菜々子女流初段---------+　　  　|　 　　　 　　 　|
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　 　　　 　　 　|
塚田恵梨花女流初段---------+　　　　　 　　 　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　 　　 +-
伊藤　沙恵女流三段---------+　　　　　　　  　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　　　　　 　　　|
宮澤　紗希　ア　マ---------+　　  　|　　　　　 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+　　　　|
鈴木　環那女流三段---------+　　  　|　　　　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　　　　|　　　　|
香川　愛生女流三段---------+　　　　　　　 　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　+-　　　-+
村田　智穂女流二---------+　　　　　　　 　|
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　　　　|
渡辺　弥生女流初段---------+　　  　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+
甲斐　智美女流五段---------+　　  　|
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
加藤　桃子女流三段---------+


÷  丹善人  ÷