ヒューリック杯淸麗戦予選２回戦 渡部愛VS脇田菜々子の対局は、８９手で先手の
渡部愛が勝ち、３回戦に駒を進めました。敗れた脇田菜々子は敗者戦に回ります。
人数調整で１回戦がシードだった渡部愛女流王位の対戦相手は女流１級に昇級した
ばかりの脇田菜々子。先手渡部愛、後手脇田菜々子相居飛車の出だしに相懸かりに
なります。先に動いたのは先手。２筋の歩の交換から浮き飛車にし、後手が５四歩
から銀が５三に上がったところで角交換。４筋の歩を伸ばしていきます。
対する後手は銀が前進。棒銀に出て、かくを５三に貼って攻めの継続。先手はこれを
相手にせずに銀交換を避けて、７六に銀を上げます。いったん前に出てきた後手の
飛車を追い返して、飛車が角狙いに５筋に回って後手飛車の頭に歩を打って角を
無防備にさせようとしますが、後手は歩を取らずに横移動。ならばと歩を支えに
角の打ち込みで角成りを狙うと仕方なしに飛車角交換となります。
後手は飛車を狙って５五に歩の突きだし。これを取れば飛車と金両当たりの角打ちが
あるので、横に逃げますが、そこで２七に角の打ち込み。先手は飛車を７筋に移動
させ、次に後手からの飛車狙いの銀下がりを要求します。しかしそうなれば先手から
王手角取りの飛車の打ち込みがあるのでうかつには動けません。
後手は飛車の成り込みは放置しての角成り。先手も飛車成りは後回しにして
田楽刺しを狙って香車を取ります。後手は飛車当たりが厳しくなる玉の早逃げ。
かまわずに先手は香車貼りの田楽刺し。後手も狙われている角を支えに飛車取りの
銀打ち。飛車で銀を取る手も考えられたが、飛車を渡すと、先手からの攻めが
切れた時に怖いので、ここは両者大駒交換に。
後手玉の守り駒の金が離れ駒にはなりましたが、先手からの飛車の打ち込みでも
まだ耐えられると見て、後手は飛車を取った銀成りから、さらには馬切りの猛攻。
この順は先手渡部愛の読み筋か。ぎりぎりかわした後に詰めろの龍の再度の侵入。
奪った金を守りに使う後手脇田菜々子。しかし敬虔の差がここで物を言うか、
終盤の読みに自信のある先手は桂馬打ちで玉のこびんを開けさせてからの角打ち。
さらには龍切りで一気に勝負を決めていきました。
【第１期ヒューリック杯清麗戦】清麗:未定
【２回戦まで】敗者は敗者戦に回る
渡部 愛 ○ ● 脇田菜々子 ８９手
和田 あき女流初段---+
+-脇田 -+
脇田菜々子女流２級---+ |
+-渡部 愛 女流王位
渡部 愛 女流王位------------+
÷ 丹善人 ÷