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タイトルマイナビ女子オープン五番勝負第2局
記事No730
投稿日: 2019/04/22(Mon) 17:20
投稿者丹善人
西山朋佳女王の先勝で幕を開けたマイナビ女子オープン五番勝負第2局が行われ、
128手で後手の西山朋佳が連勝し、防衛に王手をかけました。

今期一般棋戦含めて4戦戦ってまだ勝ち星のない先手里見香奈は居飛車に、対する
後手西山朋佳は3間飛車の対抗形の出だしとなりました。駒がぶつかる前にお互い
玉形を定めて、後手は美濃に、先手は天守閣美濃から角を飛び越して玉を9八に
移動させました。

お互いの囲いが完成してから6筋で初めて駒がぶつかりました。
後手が1歩を得ましたが、先手も5筋をぶつけて角が飛び出ます。
後手はこの角に銀を当て、4四に逃げたところで後手角が回って飛車が角に
当たります。成り込むしか手がない先手に、後手は8筋を狙って歩が当たります。
取れば歩の叩きで先手の銀が死ぬので玉回りが一気に危うくなってしまいます。

なので先手はこれを相手にせず、先手先手で後手の飛車を抑えようとします。
後手は銀を犠牲にしてここは一旦押さえて、8筋からの攻めのチャンスをうかがい
ます。
先手も8筋の銀が取られるのは仕方が無く、飛車の進出だけは押さえて、玉の早逃げで
戦線離脱しますが、後手は端攻めに期待をかけます。

しかし端攻めは後手にも隙が生じることになり、そこを狙って先手は飛車が後手陣に
侵入、桂馬を奪って攻めに生かそうとします。
挟撃態勢で先手玉に迫ろうという後手西山朋佳ですが、龍馬を使って、奪った桂馬を
うまく活用すれば先手里見香奈にも勝機が生じます。一瞬の判断ミスが命取りに
なりそうな局面となりました。

後手は金銀を貼って玉を守りながら、金を奪って先手玉を追い詰めようとします。
対する先手は一目散に玉を逃がしながら、後手玉の正面からの攻めを見せます。
攻め駒を奪えた後手ですが、先手玉は逃げ切りを狙います。角取りに出る先手に、
後手はこれを無視してとにかく先手玉を追いかけます。

角を奪った先手ですが、後手玉の守りは堅く、うまく攻めにつながりません。
対する後手は再び挟撃態勢に。これを阻止しようとする先手ですが、後手は先手の
攻め駒の龍を押さえ込み、自玉の安全を確保しながら攻め駒を増やします。
後手はさらに馬も押さえ込んで先手からの詰めろはなくなったことを確認してからの
寄せに入ります。最後まで諦めない先手ですが、先手からの攻めはしっかり受け
きられた上にきっちりと先手玉に詰めろがかけられ万事休す。攻める手がなくなって
里見の投了となりました。里見は今期まだ勝ち星がありません。


【第12期マイナビ女子オープン五番勝負】

里見 香奈 ●  ○ 西山 朋佳

+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|   |  氏  名   | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|女王 |西山朋佳奨励会三段| 先○  |  ○  |  先  |     |     |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者|里見 香奈女流四冠|  ●  | 先● |     |  先  |     |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|   |         |131手|128手|   手|   手|   手|
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+

第1局 4月 9日(火) 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第2局 4月22日(月) 東京都港区「明治記念館」
第3局 5月14日(火) 埼玉県さいたま市「桜茶屋」
第4局 5月22日(水) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第5局 6月 5日(水) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」


÷  丹善人  ÷