西山朋佳女王が2連勝で初防衛に王手をかけた。マイナビ女子オープン五番勝負
第3局 が行われ、118手で後手の里見香奈が1勝を返し、1勝2敗で
タイトル奪還への希望をつなぎました。
先手西山朋佳初手7八飛と振り、後手里見香奈は5四歩と出ます。その後先手が
角道を開き、後手も角道を開いたところで先手は角を7七に上げます。先手が
飛車を8八の向かい飛車に振り直したところで、後手は角交換に。先手が角上がりを
行っているので、一手損にはならないと言うことらしいです。後手は角がなくなった
ので、自然に向かい飛車に。相向かい飛車の出だしとなりました。
先手は玉が右に移動した物の、後手の飛車を警戒して金銀が23筋を守ります。
後手も玉を右に移動させましたが、こちらは先手の出方を待ちます。
先後共に飛車先の歩の交換から飛車を1段目に下げます。ここでようやく後手も
銀を上げて8筋の守りにつけます。後手が左銀を4段目に上げたところで先手は
玉を5八に戻して中央を固めます。
先手は2枚の銀も中央に集めて攻防両方に効く構え。後手は飛車を5筋に回して
中央突破を狙います。
攻撃を仕掛けたのは先手から。2五に桂馬を飛ばし、3筋の桂馬狙いに歩を突き
ますが、後手は軽く銀を交わし、角を打って桂頭を守ります。続けて7筋の歩も
突いて攻めを続けますが、効果的とは言いがたく、軽く受けとめられています。
中盤ですでに陣形の差が出てきたようで、後手里見香奈は受け潰しの作戦に出る
模様。責めるしか手がない先手西山朋佳は玉頭を攻めていきますが、無理攻めの
感が強くなりました。
一見勝負手に見えた6六桂貼りですが、合わせると最善手になっただろう手が見え
なかったのか、角の打ち込みが不発となってチャンスをのがした格好になりました。
後手はじっくりと桂馬取りの歩の合わせで、確実に攻め駒を増やす作戦に出ました。
後手の確実な攻めの前に先手はまったく手が出ず、終盤は一方的な展開となって
里見香奈がタイトル奪還へ向けて圧勝で寄せきりました。
【第12期マイナビ女子オープン五番勝負】
西山 朋佳 ● ○ 里見 香奈
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| | 氏 名 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
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|女王 |西山朋佳奨励会三段| 先○ | ○ | 先● | | |
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|挑戦者|里見 香奈女流四冠| ● | 先● | ○ | 先 | |
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| | |131手|128手|118手| 手| 手|
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第1局 4月 9日(火) 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第2局 4月22日(月) 東京都港区「明治記念館」
第3局 5月14日(火) 埼玉県さいたま市「桜茶屋」
第4局 5月22日(水) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第5局 6月 5日(水) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」
÷ 丹善人 ÷