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タイトルマイナビ女子オープン五番勝負第4局
記事No756
投稿日: 2019/05/22(Wed) 16:34
投稿者丹善人
挑戦者里見香奈が1勝を返し西山朋佳の2勝1敗となったマイナビ女子オープン五番勝負
第4局が行われ、96手で後手の西山朋佳が勝ち、3勝1敗で初の防衛を果たしました。

先手里見香奈居飛車の出だしに、後手西山朋佳は三間飛車に。先手が早く2筋を
伸ばしたので、後手は角が3三に上がって、3筋は伸ばせませんでした。
先手は舟囲いに、後手は美濃に移動し、先手が3・4筋の歩を伸ばしてきたので、
後手は飛車を四間に振り直します。

先手は桂馬を上げてこれを支えに4筋の歩を突いて歩の交換。後手は角で取って
角交換要求。先手は応じず、2筋で歩の交換から先手の飛車が前に出たところで
後手から角交換となりました。先手は壁銀を作ることに。

先手は飛車で横歩取り。これを追い払う後手ですが、飛車が狭い場所に下がった
ところで飛車桂両当たりの角打ち。飛車には紐が付いていますが、構わず交換に
でるのか、その後の展開を考えて先手が対応に時間をかけます。

長考の結果、一番自然な桂跳ねを選択。後手は予定通りに角飛車交換から銀が前に出て
跳ねた桂馬狙いから飛車の打ち込み。先手は歩で桂馬を支え、さらに5四歩と打って
後手玉の逃げ道を封鎖してから9筋の端攻め。香車を釣り上げてから、桂馬を手に
入れようと2二歩打ち。桂馬の逃げ道に桂馬が利いているので逃げられません。これを
金で食えば飛車金当たりの角の打ち込みがあるので取れません。やむを得ず、後手から
銀で桂馬の逃げ道に効かせている先手の桂馬を取って、銀を取るなら桂馬を逃がそうと
いう作戦に。

前に出た後手の銀は放置は出来ないと、先手はこの銀を取ることに。桂馬を逃がすことに
成功した後手ですが、先手は執拗に桂取りに角を打ちます。あくまで桂馬を逃がそうと
いう後手に、これでもかと桂馬取りをうかがう先手。下手をすると飛車両当たりの
角打ちがあるので、後手は桂馬は諦めて角打ち阻止も含めて、端に落ちている香車を
取ります。

桂馬取りが確定した先手は、先に端攻めの継続。さらに、後手の飛車が前進しない
ように、飛車先を止めてからの桂馬取り。後手は奪った香車を角頭に貼り、先手玉頭を
目指します。先手は角を逃がしながら成り込んでいる後手の龍に当てますが、後手も
するりとかわすと、しつこく竜取りの角打ち。ここもうまく逃げてみると、先手は
攻めに精彩を欠く流れになり、後手が順調に攻めを継続させながら、後手玉の逃亡
阻止となっていた歩まで削除してしまいました。

継続の見込みがないまま、先手里見香奈は端攻めの再開。後手西山朋佳は駒を拾い
ながら先手玉に近づいて来ます。どうやら西山朋佳の初防衛が近づいて来た模様です。
守り駒を足していく先手に攻め駒を足していく後手。こうなるとミスを行うことも
無く、確実に固めていく後手の攻撃の前、なすすべもなく投了に追い込まれる先手
でした。

【第12期マイナビ女子オープン五番勝負】

里見 香奈 ●  ○ 西山 朋佳

+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|   |  氏  名   | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|女王 |西山朋佳奨励会三段| 先○  |  ○  | 先● |  ○  |     |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者|里見 香奈女流四冠|  ●  | 先● |  ○  | 先● |     |
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|   |         |131手|128手|118手| 96手|   手|
+------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+

3勝1敗で西山朋佳の初防衛!

第1局 4月 9日(火) 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第2局 4月22日(月) 東京都港区「明治記念館」
第3局 5月14日(火) 埼玉県さいたま市「桜茶屋」
第4局 5月22日(水) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第5局 6月 5日(水) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」


÷  丹善人  ÷