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タイトル女流王座戦二次予選、山田久美VS加藤結李愛
記事No770
投稿日: 2019/06/03(Mon) 16:48
投稿者丹善人
女流王座戦二次予選、山田久美VS加藤結李愛の対局は、131手で先手の山田久美が
勝ち、本戦に駒を進めました。

先手山田久美、後手加藤結李愛、相居飛車でお互い飛車先を伸ばしたので角を
3段目に上げて様子見の状態。その後両者とも相手の角頭を目標に歩を伸ばして
いきます。後手が先に歩を突き先手は後手銀の進出を牽制。構わずに後手は銀を
上げて行きます。

角頭の歩を取らせ、6筋の歩を取ったところで、後手は銀を一旦後退。
今度は先手が後手の角頭に歩を突いて取らせて、両者角頭が傷に。そのまま先手は
角頭に歩を貼って角を下がらせ、飛車が3筋に回ります。対する後手は8筋の
歩を突きだし、ここから狙おうかという所。

8筋の歩を取った先手はそのままじわじわと駒を伸ばして行きます。対する先手は
3筋の歩を突いて飛車が出ようとしますが、お互い前に出た飛車が歩で押し返され、
後手玉の守り駒がしっかりしてきて上部からの攻撃は難しくなりました。
ならばと7筋からの攻めを見せる先手です。

銀2枚で攻め込もうとする先手に後手は必死で阻止します。なんとか2枚の銀を
下がらせると先手は銀交換要求。これは紐が付いているので今は急ぐ必要は無いと
後手は飛車先を自由にする手を選択。
とりあえず銀交換の後飛車が前進。飛車狙いで飛び出した先手角を銀打ちで追い払い、
ますが、先手も角を釣り上げて飛車当たりと銀の成り込みを狙った銀打ちで逆襲。
やむを得ず角銀交換を許しますが、先手は続けて角の打ち込みで優勢を築きます。

必死で守る後手加藤結李愛はこの角も追い返し、成った馬を追い詰めます。
先手山田久美は後手玉側にと金を作り、馬を生かそうとしますが、後手は馬取りを
優先。ならば飛車を回して成り込みに期待をかける先手ですが、これも阻止。
なんとかこじ開けようとする先手ですが、後手の駒が前進。逆に先手の駒は
1カ所に固められてしまいました。

後手はと金が生きている内に何とか攻めをつなげようとします。角を成り込んで
さらに銀打ちで挟撃態勢をつくり、あと1枚駒があれば寄せも可能なところ。
対する後手は、先手が手をこまねいているところで何とか寄せまで持っていきたい
ところですが、先手玉の守りは十分。駒を渡さずに攻めきれるかどうか悩むところ。

先手は挟撃態勢を強化。後手は逃げ道を作ります。先手は正面に歩を貼ってさらに
逃げ道封鎖。ここで後手は桂馬打ちで勝負に出ます。すると先手はこの桂馬と飛車を
交換。取った桂馬を貼ってこれは詰めろになっているのか。しかし後手も飛車を
得たので、寄せがあるかもしれません。

しかし読み切れなかった後手はここでミスが出ました。
受けに選んだ手が実は受けにはなっておらず、頓死を食らう結果に。慎重さが
求められる局面で時間に追われたようでの惜しい敗戦となりました。


【第9期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:里見 香奈女流四冠

本戦シード:(前期ベスト4タイトル保持者)
西山 朋佳 女 王  渡部 愛 女流王位
清水 市代女流六段  岩根 忍 女流三段
加藤 桃子女流三段  伊藤 沙恵女流三段

本戦出場決定
・山田 久美女流四段  ・  ・
・  ・  ・
・  ・  ・
・藤井 奈々女流1級


山田 久美 ○  ● 加藤結李愛  131手

加藤結李愛女流2級---+
           +-山田 久美女流四段
山田 久美女流四段---+


÷  丹善人  ÷