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タイトル女流王座戦二次予選、谷口由紀VS脇田菜々子
記事No774
投稿日: 2019/06/06(Thu) 16:48
投稿者丹善人
女流王座戦二次予選、谷口由紀VS脇田菜々子の対局は、143手で先手の
谷口由紀が勝ち、本戦に出場しました。

先手谷口由紀中飛車に後手脇田菜々子居飛車の対抗形。先手は5筋を伸ばし、
銀を上げていき、しばらくしてからようやく飛車を中央に回しました。
お互いの銀が4段目でにらみ合ってから囲いに入ります。両者共に美濃囲い。

後手が角頭を目標にすると、先手は角を6八に移動。ならばと角道を開けてます。
このタイミングで先手は5筋の歩の交換から飛車を下段に下げます。
飛車除けに4筋の歩を上げた後手はさらに歩を伸ばして再度角道を開けますが、
ここで先手は角を再び7七に戻します。そこで先手からの戦闘開始に後手は
とりあえず桂馬を飛ばして角狙いに。よける先手に続けて銀上がりで角にぶつけ
ますが、先手は角を見捨てて銀が中央で前進。金当たりとしますが、これは
取れば飛車が飛び出す計算。結局は角金交換の形となり、後手は対応が悩ましい所。

後手は先手の成銀を放置。先手の飛車が飛び込んでこないように飛車先を止めます。
先手は先に銀取りの王手。これを玉で取った後手は守り駒が金のみとめちゃくちゃ
薄くなりました。とりあえず飛車の成り込みだけは阻止できたので、後手は取られ
そうな銀を下げ、先手も飛車先を開けましたが、もう一度歩を貼って飛車先を
止めます。

先手は飛車先を止める要の桂馬をはずそうと銀張り。後手は後手玉の壁になっている
角をどかしつつ香車取りの角成りをしますが、先手は桂馬を上げて、桂馬をはずし
ながらの馬当たりに持っていきます。この手は気づかなかったのか、後手は馬を
見捨てて、飛車がそっぽに行けばしばらくは大丈夫かと桂馬取りの方に期待をかけ、
成桂で金を取って、結果的に2枚替えにしました。
お互い玉の守り陣は薄い状態。持ち駒は十分。両者どちらが先に寄せの態勢を
作り上げるかの勝負となりました。

先手は角打ちから飛車当たりの角成りといきますが、ここで後手は攻守に利く
角打ち。これは同馬といくしかなく、後手が優位になったかも。後手は再度の
角打ちで先手美濃を攻略しようとします。先手は歩を突いて止めようとしますが、
ここは強気で攻めた方がよかったかも。後手はいったん角を逃がしたため、
先手玉は瞬間的に一気の寄せがなくなったので、攻める番になりました。

両者相手の攻め駒を消去を優先。後手玉には先手の歩だけがのどもとに残り、
先手玉を狙う声の駒は、まず角で要にある歩を取り去りますが、後手からの
と金作りで金との交換から取り払った飛車に後手の馬が圧力をかけますが、
先手は精算で取った金打ちで敗れかけた美濃を再構築します。

先手は攻めの要の歩を生かして後手の守り陣をすべて取り払い、飛車の成り込みに
期待をかけますが、後手はあくまで攻めの姿勢を崩さず、一手の隙に襲いかかる
態勢。先手はなかなか飛車を成り込ませてはくれません。しかし先手は駒を費やし、
先手玉を釣り上げて、とうとう飛車が成り込んで詰めろまで持っていきます。
ここは後手も必死に詰めろを消して、先手が駒を補充する間に最後の攻めを敢行。

まだまだ諦めていない先手は後手の攻めの要の角を目標に桂馬打ち。これが
後手玉の逃げ道封鎖にもなり、まだまだわかりません。後手は歩が成り込んで
金取りで先手陣を弱体化。しかし先手の馬が攻めの要も桂馬をはずしたおで
先手玉はまだ詰めろではない。そこで馬が攻めに回って先手の最後の攻撃を開始
します。

先手谷口由紀は後手の飛車を奪って詰めろを掛けます。後手脇田菜々子は逃げ道封鎖の
金を払ってなんとか逃げ道確保しようというところですが、先手は王手馬取りの飛車
打ち。大駒を失い、斜め駒がない後手は先手玉に迫るには厳しい状況。
先手はじっくりと詰めろを掛けるのに対し、後手は詰めろを消すのがやっと。
こうなるとタイトル戦経験も豊富な谷口の方が分が良く、咲いてに斜め駒を渡さない
ように攻めれば十分。駒を大量に貼り付け逃げ道を完全封鎖して後手玉をついに
追い詰めました。


【第9期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:里見 香奈女流四冠

本戦シード:(前期ベスト4タイトル保持者)
西山 朋佳 女 王  渡部 愛 女流王位
清水 市代女流六段  岩根 忍 女流三段
加藤 桃子女流三段  伊藤 沙恵女流三段

本戦出場決定
・山田 久美女流四段  ・  ・
・谷口 由紀女流二段  ・  ・
・  ・  ・
・藤井 奈々女流1級

谷口 由紀 ○  ● 脇田菜々子  143手

脇田菜々子女流1級---+
           +-谷口 由紀女流二段
谷口 由紀女流二段---+


÷  丹善人  ÷