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タイトル女流王座戦二次予選、山口恵梨子VS飯野愛
記事No780
投稿日: 2019/06/12(Wed) 15:31
投稿者丹善人
女流王座戦二次予選、山口恵梨子VS飯野愛の対局は、121手で先手の山口恵梨子が
勝ち、本戦に駒を進めました。

先手山口恵梨子、2筋を伸ばす居飛車の出だしに、後手飯野愛は角を3三に上げた
後、四間飛車に。先手は舟囲い、後手は美濃に囲っての戦いとなりました。
先手は右の金銀桂を上部に上げて4筋から戦いを仕掛けます。対する後手は金銀で
中央を守り、桂頭狙いに、飛車を3筋に回した後、角を下げて直接飛車が桂頭を
攻めます。

後手は3筋での歩の交換で1歩を手にして満足したか、飛車を下げて今度は再度
4筋狙い。後手は4筋で歩の交換を入れて後手の銀を釣り上げてから5筋の歩を突き、
攻め込みやすいと見て2筋も突きます。しかし後手は角が上がって金狙い。現在
金には飛車の紐がついてはいますが、飛車を動かせば楽々金が取れます。

後手は上がった銀を利用。銀捨てで先手桂頭に歩を打ち込み、桂馬が逃げれば
2筋の歩が取れるという所。先手は後手の銀が動いたので、角道が通り、成り込んで
香車を奪いました。続けて後手角の道を塞いで後手からの攻めが難しくなりました。

後手は質駒の桂馬を奪ってすぐに先手馬筋に桂馬を貼り、角が出やすくしましたが、
先手は銀を歯って歩を守ります。ならばとの桂銀交換で飛車が前進。しかし金上がりで
前進阻止。ならば馬との交換も辞さずと馬筋に飛車を回しますが、厩舎があるのを
忘れていたのか、あっさりと奪われてしまいます。
攻めるしかない後手は飛車を取られる間にと金を作って、これを攻めの要として
駒を打ち込みますが、いかんせん駒不足。十分な効果は得られません。

先手山口恵梨子は目障りな後手のと金を奪い取理に出ます。と金は助けられないと
悲観している後手飯野愛はなんとか角筋を通そうとします。この時点でおそらく
勝負ありでしょう。
後手は角道を押さえている歩をはずしに香車を打ちますが、先手は馬を後手玉の
こびんに下げて、香車を動けなくします。やむなく単独で角成りとした後手ですが、
攻めもこれまで。

先手は桂馬を貼って後手の駒をはずしていこうとします。対する後手はなけなしの
金を貼って、この桂馬をはずすしか手がなく、後手が動くたびに先手の持ち駒が増えて
いくという状況。先手玉への寄り筋は無く、いつ投了となってもおかしくない所です。

先手は後手の持ち駒すべてを使わせる作戦に出ます。それは同時に、先手からの攻めも
なかなか見つけにくいということでもあります。
後手が飛車取りに馬を引いたところで、ようやく先手の攻めが開始されます。飛車を
取っても馬の位置が悪く、攻めの手がないというのが理由のようです。

満を持しての先手の攻めに防戦一方。。一手隙で後手に飛車を取らせる間に後手玉への
詰めろがかけられました。後手は飛車金を手持ちにしてはいますが、これで先手玉には
迫れません。なんとか受けの手がないか必死で考える後手でしたが、水を飲んだ後
投了の意思表示をしました。


【第9期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:里見 香奈女流四冠

本戦シード:(前期ベスト4タイトル保持者)
西山 朋佳 女 王  渡部 愛 女流王位
清水 市代女流六段  岩根 忍 女流三段
加藤 桃子女流三段  伊藤 沙恵女流三段

本戦出場決定
・山田 久美女流四段  ・  ・山口恵梨子女流二段
・谷口 由紀女流二段  ・  ・
・水町 みゆ女流1級  ・  ・
・藤井 奈々女流1級


山口恵梨子 ○  ● 飯野 愛  121手

飯野 愛 女流初段---+
           +-山口恵梨子女流二段
山口恵梨子女流二段---+


÷  丹善人  ÷