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タイトル女流王座戦二次予選、中井広恵VS和田あき
記事No792
投稿日: 2019/06/21(Fri) 16:47
投稿者丹善人
女流王座戦二次予選、中井広恵VS和田あきの対局は、123手で先手の中井広恵が
勝ち、本戦出場を決めました。

先手中井広恵、後手和田あき、相懸かりでの出だしは、先手が飛車を四段目に下げ
ひねり飛車にします。後手は歩の交換の後飛車は元の位置へ。先手は美濃、後手は
玉を3二に置いて金銀で囲います。

先手は角を9七に上げ、飛車を8筋に回してぶつけますが、後手は当然交換拒否。
歩を打たせて満足か、先手は飛車を7六に移動。後手が桂馬を上げたので先手は
角を下げ、後手も飛車を1段目に下げます。両者陣形を整えてから後手は桂馬交換。
飛車先を軽くします。先手は4筋の歩を突いて角筋を開けさせ、角交換に。
すぐさま6六に角を貼る先手に後手も3三角と受けます。すると先手は再度角交換。
これは後手が陣形を固くしただけ得になったのでは。

先手は端攻めに期待。後手の香車を釣り上げ、銀と香車への割り打ちの桂馬貼り。
銀が逃げて桂香交換に。その香車を後手玉頭に当たる2八に打ちますが、後手は
読んでいたかのごとく、歩を上げて香車を生け捕ろうと。先手からの桂取りの1四歩に
桂馬が逃げて、結局香桂交換に。先手の攻めがすべて交わされている雰囲気です。

先手からの攻めが途切れたので今度は後手の手番。後手は飛車当てに角を打ち、飛車の
横移動の芽を摘みに出ますが、結果的にはこれが敗着手だったのか。先手はこれを
逆利用。角の動きを悪くして、飛車角交換に持ち込んで、使いづらかった飛車と角を
交換します。
端に残していた歩を成り込ませ、と金を支えに角を貼って後手玉を追い込もうと狙い
ます。後手玉は中央へ早逃げ。

先手中井広恵はと金を使ってカナ駒を奪い取ろう言う作戦。後手和田あきは取られ
まいと逃げながら、攻めにつながる手を模索しますが、先手は金銀4枚がしっかり
スクラムを組む形で一気の攻めは難しそうです。
と金と金との交換はやむを得ず、早逃げ玉の逃げ道に歩を打ち込んで逃がすものかと
言う先手。攻めに使いたい香車で逃げ道を作る後手。勢いは先手がつかんでいます。

角2枚と金しか持たない先手ながら、後手は歩がまったく使えず、受ける駒不足に
加え、本来の守りのカナ駒がすべて独立個まではがされるのが見える状態。
駒を補充しながら寄せに来る先手に後手は手も足も出なくなりました。
先手は角1枚を切り、飛車金両当たりの桂馬打ち。これが詰めろになるので飛車は
動けません。飛車を犠牲にして逃げ出したい後手。

後手からの攻めはもうないので、先手は攻め駒を足しながらじっくり攻めます。
この後数手で先手が後手玉を寄せきりました。


【第9期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:里見 香奈

本戦シード:(前期ベスト4タイトル保持者)
西山 朋佳 女 王  渡部 愛 女流三段
清水 市代女流六段  岩根 忍 女流三段
加藤 桃子女流三段  伊藤 沙恵女流三段

本戦出場決定
・山田 久美女流四段  ・  ・山口恵梨子女流二段
・谷口 由紀女流二段  ・  ・香川 愛生女流三段
・水町 みゆ女流1級  ・  ・中井 広恵女流六段
・藤井 奈々女流1級


中井 広恵 ○  ● 和田 あき  123手

中井 広恵女流六段---+
           +-中井 広恵女流六段
和田 あき女流初段---+


÷  丹善人  ÷