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タイトル女流王座戦二次予選、室田伊緒VS松下舞琳
記事No798
投稿日: 2019/06/24(Mon) 16:11
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦二次予選、室田伊緒VS松下舞琳の対局は、101手で先手の
室田伊緒が勝ち、本戦に駒を進めました。

アマ女流もレベルが極端に上がり、一昨日はマイナビ女子チャレンジマッチで、
最強中学生野原未蘭とこの松下舞琳が一斉予選を勝ち上がり、そのまま東京に
残っての対局となって、昨日は連戦の疲れもあったのか、野原未蘭は敗退と
なりましたが、松下舞琳は一日休養を取っての対局を迎えています。

最近は「藤井総太七段の姉弟子」という呼ばれ方で注目される室田伊緒ですが、
中学時代は修学旅行を抜け出して参加した女流アマ名人戦優勝を含めて
アマ戦歴を引っさげてのプロ入りで、実力はあるものの、友人の里見香奈女流五冠の
陰に隠れる形で、なかなか本来の力を発揮できない状況が続いていましたが、
弟弟子に刺激されて上を目指していきたいところでしょう。

先手室田伊緒、先手番ゴキゲン中飛車に、後手松下舞琳居飛車の出だしとなります。
後手は飛車先を伸ばし、超速銀で迎えます。後手が角道を開けないので、先手は
銀の進出封じに6六歩を上げて自ら角道を塞ぎました。

なかなか後手は角の出方を示さず、両者美濃に囲ってから、ようやく後手も4四歩を
突いてから角道を開けました。
先手の銀が中央に向かったところで、後手は先手角頭を狙い目に。歩を突いて角頭を
むき出しにしてから銀が前進。飛車が7筋に回ります。先手は角を9七に上げますが、
後手が9筋の歩を突いたので、先手は7筋の歩を突いて桂馬を上げさせてから角を
引きます。すると今度は後手は6筋の歩を突いてから飛車が6筋に回ります。

先手も飛車を6八に回しますが、これが1三と出た角にぴったり狙われます。
先手は7筋の歩を突いてと金作りに。後手は角飛車交換に。さらに後手は飛車が前進。
取った飛車を打ち込んで再度飛車角交換に。この間先手も角の打ち込みから馬を
作ります。この馬を引いて直接王手。逃げる玉に先手は飛車の打ち込み。ここは
龍の利きを生かして歩で止めます。

この後、両者とも小駒の取り合い。龍の利きが無くなったので先手は成った竜を近づけ
ますが、後手は馬当ての角打ち。交換は不利なので、いったん馬を引く後手。これは
守りにも使えます。
陣形は先手玉が守りは金銀1枚ずつですが、馬が攻防に利かせています。対する後手は
金銀3枚に角がありますが、と金を攻めに使っている先手が攻めでは若干有利かも。

先手は歩を使って後手玉の逃げ道を阻止している馬を動かしました。素直に応じる
先手ですが、この先、銀馬両当たりの金打ちがありますが、後手の守りにもなっている
歩が動くことで、攻めやすくなると言う計算のようです。

ここで先手室田伊緒は長考。攻めの順に何か嫌な手順が見えたのか。馬金交換の後
攻めの手は後回しに、先に自陣に手を入れて守りを固めます。後手松下舞琳はこの
受けの手をはずしに来ますが、これは手を損した模様。無視すれば後手からの攻めが
遅くなるだけで、先手の時間稼ぎができたことになります。ということで、先手は
落ち着いて攻めに専念します。

後手も打ったからには攻めるしか無いけれども、一歩早く後手玉に詰めろがかかる
ことに。この寄せのために長考したようで、後手は詰めろが振りほどけません。
プロの寄せを見せて欲しいと言うばかりに松下舞琳は首を差し出しますが、読み切った
室田伊緒の差し手は早く、あっという間に後手玉を寄せきってしまいました。


【第9期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:里見 香奈

本戦シード:(前期ベスト4タイトル保持者)
西山 朋佳 女 王  渡部 愛 女流三段
清水 市代女流六段  岩根 忍 女流三段
加藤 桃子女流三段  伊藤 沙恵女流三段

本戦出場決定
・山田 久美女流四段  ・室田 伊緒女流二段  ・山口恵梨子女流二段
・谷口 由紀女流二段  ・  ・香川 愛生女流三段
・水町 みゆ女流1級  ・上田 初美女流四段  ・中井 広恵女流六段
・藤井 奈々女流1級


室田 伊緒 ○  ● 松下 舞琳  101手

松下 舞琳 ア マ---+
           +-室田 伊緒女流二段
室田 伊緒女流二段---+


÷  丹善人  ÷