リコー杯女流王座戦本戦1回戦 鈴木環那VS加藤桃子の対局は、98手で後手の
加藤桃子が勝ち2回戦に駒を進めました。
先手鈴木環奈、後手加藤桃子、居飛車党の二人は徒然のように相居飛車で始まり
ました。
先手が角を7七に上げて8筋を鎮のに対し、後手は銀が3二に上がり、右銀も6二に
上げて、6筋の歩を突いてこちらから銀を伸ばして行きます。
後手は角さえ動けば美濃になる態勢、方や先手は居玉のままで金銀を中央に集めて
いきます。
ようやく後手も角が3三に上がり、先手が2枚銀で中央を守るところで戦端が
開かれました。6筋の歩の交換で後手の銀が6五から5四に移動。先手も右銀を
5六に上げてにらみ合う中、先手玉は6八に上がって囲いの中に。先手は3筋を
ついて、飛車が3筋に回ります。後手は桂馬を上げて8筋の歩の交換。先手は守りに
飛車を5段目に上げますが、桂馬の利きを支えに交換上等とばかりに後手は8五に
飛車をぶつけます。
交換は不利なので、4五歩と受けますが、ならばと飛車頭の3四にただの歩を打ち、
取っても逃げても銀が前に出る姿勢を見せて先手の動きが止まります。
とりあえず歩を取ってから飛車を下げる先手に、後手は予定通り銀が進出で銀交換。
続けて飛車の成り込みを見せる2五への転換。後手は先に先手角頭に歩を打って攻めを
見せますが、後手は角逃げが飛車当たりに。後手は歩を貼って角をおびき寄せて
飛車筋を消します。依然飛車当たりですが、後手の飛車が止まっている間に先手角の
道を通して角の成り込みを見せます。
角の利きを生かして歩で止める後手。ならばと直接銀の打ち込みで後手陣形を乱そうとしますが、後手から銀交換は不利と見て金上げで支えます。ここで先手は目障りな8筋の
歩を取りながら角を転換。3筋受けの金が動けば角成りが見込めますが、後手は慎重に
もう1枚の金で5三を守ります。
先手は角交換で得た銀で後手の飛車当てに。逃げる手はないと、後手はここで当たって
いた飛車取りに。先手はこの馬は取らずに飛車の成り込みを阻止するために飛車の方を
取ります。取った銀がそのまま攻めにも使えてしまうので、後手は馬が桂馬に取られ
ないように銀取りに馬を下げます。
先手は銀を取られないように桂馬を上げましたが、ただの桂馬をもらったことで、
先手の攻めが続かない限り後手が得をしたことになってしまいました。
先手鈴木環奈は自由になった銀を生かすべく、2筋の歩の交換から銀を押し上げていき
ますが、持ち駒は飛車と歩1枚だけなので有効な攻めは期待できません。
ここで後手加藤桃子はいただいた桂馬を使って、早速先手陣攻略を開始しました。
玉側にある金取りの桂馬打ち。金が逃げれば即詰みの手があります。そこで先手は
金を見捨ててなりふり構わず玉の早逃げ。駒を根こそぎ奪い取られるのが目に見えて
います。
先手玉の上部には桂馬の利きがあり、頭の丸い先手の角が逃げ道を塞いでいるので
上部脱出は不可能。逃げる先手玉に対し、後手は金を取った後、下への逃げを抑えるために飛車を打ち込みます。おそらくこれで勝負ありでしょう。
最後のお願いで先手は持ち駒すべてを使って後手玉に迫りますが、詰めろまで迫るのが
精一杯。最後は加藤桃子が綺麗に先手玉を寄せきりました。
【第9期リコー杯女流王座戦本戦】女流王座:里見 香奈女流四冠
鈴木 環那 ● ○ 加藤 桃子 98手
伊藤 沙恵女流三段-------+
+- -+
室田 伊緒女流二段-------+ |
+- -+
香川 愛生女流三段-------+ | |
+-渡部 -+ |
渡部 愛 女流三段-------+ |
+- -+
山口恵梨子女流二段-------+ | |
+- -+ | |
山田 久美女流四段-------+ | | |
+- -+ |
谷口 由紀女流二段-------+ | |
+- -+ |
岩根 忍 女流三段-------+ |
+-
加藤 桃子女流三段-------+ |
+-加藤桃-+ |
鈴木 環那女流二段-------+ | |
+- -+ |
上田 初美女流四段-------+ | | |
+-中井 -+ | |
中井 広恵女流六段-------+ | |
+- -+
水町 みゆ女流1級-------+ |
+-藤井 -+ |
藤井 奈々女流1級-------+ | |
+- -+
西山 朋佳 女 王-------+ |
+-西山 -+
清水 市代女流六段-------+
÷ 丹善人 ÷