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タイトル女流王座戦本戦1回戦 岩根忍VS谷口由紀
記事No820
投稿日: 2019/07/16(Tue) 16:01
投稿者丹善人
リコー杯女流王座戦本戦1回戦 岩根忍VS谷口由紀の対局は、99手で先手の
岩根忍が勝ち、2回戦に駒を進めました。

共に関西出身で現在は関東所属、既婚でタイトル挑戦3回と似たような状況の
二人。先手岩根忍、後手谷口由紀、相3間飛車の出だしとなり、互いに飛車を
2四と8六に上げる似たような配置。先手は金無双模様に対し、後手は玉が
7二で囲いは保留のまま進み、後手が中央から銀を上げる形を見せた瞬間に、
先手から角交換。後手は5筋を上げているので飛車の横利きが止まっているので、
先手は8筋で歩の交換を入れ先に7筋の歩も突き捨てているので、飛車が7筋に
回ってからいったん飛車を下げ、2歩得で再び飛車を8筋に戻します。

ここで後手も先手と同じ囲いにしてから銀を上げていきます。先手も対抗で銀を
上げたので後手から2筋の歩の交換。お互いの銀が6筋にいるだけのよく似た
陣形となりました。

先手は銀と桂馬が連動できる位置にあり、桂馬を支えに銀をぶつけますが、後手は
交換を拒否。先手はそのまま桂馬が跳ね、9三桂成りで飛車筋を通し、金で受ける
ところを無理矢理タダ捨ての王手の角打ち。これを取ると飛車が成り込めるので
後手は8八の銀を玉で守りながら逃げますが、ここが勝負所と、先手は飛車切りに
出ます。

先手岩根忍は6一に打ち込んでいる角を支えに後手玉を一気に寄せようとします。
9筋に香車が利いていて、6五に銀も居るので相当受けづらいところ、後手谷口由紀は
必死の受けを試みます。玉を上部に上げて追い詰めようという玉頭への歩打ちは
同金と取って対応しますがその結果玉の上部脱出はさらに
難しくなり、と金を作って詰めろをかける先手に、後手は自陣飛車を打って守るのが
精一杯。

後手の受けに先手は駒の精算で対応。後手は裸玉となり、先手に飛車が渡りました。
香車の利きを止めて上部脱出を図りたい後手。持ち駒を増やして阻止しようという
先手、ついに金を残して後手玉1間おいての歩を貼って、頭金の詰めろが出来上がり、
飛車切りで受ける後手でしたが、その飛車を使われて終了。谷口由紀らしさがまったく
出せない一方的な勝負となってしまいました。


【第9期リコー杯女流王座戦本戦】女流王座:里見 香奈女流四冠

岩根 忍 ○  ● 谷口 由紀   99手

伊藤 沙恵女流三段-------+
             +-   -+
室田 伊緒女流二段-------+     |
                  +-   -+
香川 愛生女流三段-------+     |    |
             +-渡部 -+    |
渡部 愛 女流三段-------+         |
                      +-   -+
山口恵梨子女流二段-------+         |    |
             +-   -+     |    |
山田 久美女流四段-------+     |     |    |
                  +-   -+    |
谷口 由紀女流二段-------+     |         |
             +-岩根 -+         |
岩根 忍 女流三段-------+              |
                            +-
加藤 桃子女流三段-------+              |
             +-加藤桃-+         |
鈴木 環那女流二段-------+     |         |
                  +-   -+    |
上田 初美女流四段-------+     |    |    |
             +-中井 -+    |    |
中井 広恵女流六段-------+         |    |
                      +-   -+
水町 みゆ女流1級-------+         |
             +-藤井 -+     |
藤井 奈々女流1級-------+     |     |
                  +-   -+
西山 朋佳 女 王-------+     |
             +-西山 -+
清水 市代女流六段-------+


÷  丹善人  ÷