リコー杯女流王座戦本戦１回戦　室田伊緒VS伊藤沙恵の対局は、９８手で後手の
伊藤沙恵が勝ち、２回戦に駒を進めました。

先手室田伊緒、初手７八飛から角道を開けた後、角頭歩に出ます。対する後手
伊藤沙恵は四間飛車から向かい飛車に。お互い玉を四八と６二に置いて駒組みを
進めます。
後手が２筋からの攻めを見せるので先手は銀を３七に上げたところで、後手から
１筋の歩の交換。香車交換から角が１五に出ますが、ここで先手は角を４四に跳び
だしたので、後手は角を下げ、角交換となり、さらに先手は角を１三に打って、
角飛車交換となります。

後手は桂馬が飛んで桂銀交換から奪った銀を飛車金当ての割り打ちをし。金銀交換に。
先手は交換した飛車を４一に打ち込みます。これを香金で捕まえる後手。しかし
先手は攻めの桂馬を貼り、王手香車取りの桂馬打ちから歩で取らせて、できた隙間に
銀を打ち込んで王手。逃げたところで飛車切りに。さらに先手は後手守りの金と銀を
交換。いきなり後手玉を追い込みます。

後手玉への香車打ちの詰めろから銀香車交換で桂馬が成り込み挟撃態勢に。いきなり
終盤へと入り込みました。後手も飛車の打ち込みで先手陣に攻めかかり、こちらも
詰めろから後手玉への攻め駒を抜きにかかります。

後手伊藤沙恵は王手の角打ちで後手玉への攻め駒を取れる状況に。先手の受けに
後手は詰めろを消す前に先に飛車の打ち込みで王手を続け、逃げ方によっては詰めろ
解消の金取りがさらに王手になる状況に。
ここで指し手がわからなくなったのでしょう、先手室田伊緒は受け間違いで即詰みの
状態に。もっとも伊藤も即詰みの手を読み間違えたのですが、それでも詰めろを
かけて勝ちは動かない状態となりました。

時間をかけて形作りを考える先手ですが、それも焼け石に水。軽く受け流されて
持ち駒も尽きて、ようやく投了の決断をくだしました。


【第９期リコー杯女流王座戦本戦】女流王座：里見　香奈女流四冠

室田　伊緒　●　　○　伊藤　沙恵　　９８手

伊藤　沙恵女流三段-------+
　　　　　　　　　　　　 +-伊藤　-+
室田　伊緒女流二段-------+　　　  |
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-　　　-+
香川　愛生女流三段-------+　　　  |　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-渡部　-+　　　　|
渡部　愛　女流三段-------+　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
山口恵梨子女流二段-------+　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　　　  |　　　　|
山田　久美女流四段-------+　　　  |　　　  |　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-　　　-+　　　　|
谷口　由紀女流二段-------+　　　  |　　　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-岩根　-+　　　 　　　　　|
岩根　忍　女流三段-------+　　　　　　 　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 +-
加藤　桃子女流三段-------+　　　　　　 　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-加藤桃-+　　　 　　　　　|
鈴木　環那女流二段-------+　　　  |　　　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-　　　-+　　　　|
上田　初美女流四段-------+　　　  |　　　　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-中井　-+　　　　|　　　　|
中井　広恵女流六段-------+　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
水町　みゆ女流１級-------+　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 +-藤井　-+　　　  |
藤井　奈々女流１級-------+　　　  |　　　  |
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-　　　-+
西山　朋佳　女　王-------+　　　  |
　　　　　　　　　　　　 +-西山　-+
清水　市代女流六段-------+


÷  丹善人  ÷