リコー杯女流王座戦本戦準々決勝、加藤桃子VS中井広恵の対局は、９７手で先手の
加藤桃子が勝ち、ベスト４最後の一人に名乗りを上げました。

女流棋士転向後全勝を続ける先手加藤桃子、後手中井広恵、相居飛車で、５段目には
まだ駒を上げないまま陣形を決めていきます。初対局だけに様子見というところか。
両者共に矢倉模様。先手は角を下げて２筋を目標に。後手もいったんは角を３三に
上げながら、右に移行させるのか。

後手が角を７三まで移動させ、銀が上がったところで初めて駒がぶつかります。
後手が６筋の歩の交換で銀が上がり飛車を６筋に回します。先手は金と角でしっかり
６筋をカバー。そして飛車を３筋に回してこちらからの攻めを見えます。

先手は角を８四に回して駒を増やしますが、先手は歩を使って後手の銀を飛車先に
移させて飛車道を止めます。それから３筋の攻めに桂馬と銀を集めていきます。
後手はあくまで６筋狙い。歩の交換から先手の角を呼び出して角交換。続けて
先手玉頭の８筋の歩を釣り上げ、歩の垂らし。さらには守りに戻った銀を狙って
７筋の歩を上げます。

今度は逆に先手からの攻撃。４筋の歩の交換から金を釣り上げて、金狙いに角を
貼ります。後手はなけなしの歩で受けますが、金の頭から歩を打たれて万事休す。
少しでも先手の攻めを緩和しようと攻め駒の一つの桂馬を取りますが、先手は
手に乗って銀が上がり、同時に飛車道も開いて、もはや先手の攻撃をかわす余裕も
なくなりました。ならば攻めるのみ、と７筋の歩を伸ばして銀上がりから飛車を
生かそうとしますが、先手はこれをかわし、角銀両当たりの桂馬打ちを催促。
両取り逃げるべからずと、攻めを優先。金取りで一気に攻め崩そうとします。
後手はまだ余裕があると、桂馬で銀を取り、さらには金当たりに。金取りには目も
くれずに先手は銀を繰り出して攻めを継続させます。

金銀交換から先手加藤桃子は飛車を飛び出させて王手。これを歩で受ける後手ですが、
ここは角切りで詰めろがかかります。
ならば先手玉を詰ますしかない後手中井広恵は最後のお願いに出ますが、これは持ち駒
不足。しっかり逃げ切られて勝負が付きました。


【第９期リコー杯女流王座戦本戦】女流王座：里見　香奈女流四冠

加藤　桃子　○　　●　中井　広恵　　　９７手

伊藤　沙恵女流三段-------+
　　　　　　　　　　　　 +-伊藤　-+
室田　伊緒女流二段-------+　　　  |
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-伊藤　-+
香川　愛生女流三段-------+　　　  |　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-渡部　-+　　　　|
渡部　愛　女流三段-------+　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
山口恵梨子女流二段-------+　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-山口恵-+　　　  |　　　　|
山田　久美女流四段-------+　　　  |　　　  |　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-岩根　-+　　　　|
谷口　由紀女流二段-------+　　　  |　　　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-岩根　-+　　　 　　　　　|
岩根　忍　女流三段-------+　　　　　　 　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 +-
加藤　桃子女流三段-------+　　　　　　 　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-加藤桃-+　　　 　　　　　|
鈴木　環那女流二段-------+　　　  |　　　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-加藤桃-+　　　　|
上田　初美女流四段-------+　　　  |　　　　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　 +-中井　-+　　　　|　　　　|
中井　広恵女流六段-------+　　　　　　　　 |　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
水町　みゆ女流１級-------+　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　 +-藤井　-+　　　  |
藤井　奈々女流１級-------+　　　  |　　　  |
　　　　　　　　　　　　　　　　  +-西山　-+
西山　朋佳　女　王-------+　　　  |
　　　　　　　　　　　　 +-西山　-+
清水　市代女流六段-------+


÷  丹善人  ÷