ヒューリック杯淸麗戦全勝組２回戦、香川愛生VS渡部愛の対局は、１１９手で
先手の香川愛生が勝ち３回戦に進出しました。
敗れた渡部愛は２回戦敗者組戦に回ります。
同い年で元タイトルホルダーの女流三段同士のライバル対決。先手香川愛生、
先手番ゴキゲン中飛車に、後手渡部愛、居飛車の出だし。
両者角道が開いた時点で先手は５五を止め、角を７七に上げます。後手は
今回は５三の地点を守る態勢。先手が美濃に組もうとするところ、後手は
イビ穴に潜ろうとするところで、先手が銀を前進。後手３三の角頭を狙って
いきます。
後手が飛車を上げて４段目を守ると、ここで先手も穴熊に潜り出しました。
後手は角当たりを気にして角で穴熊のハッチを閉めます。先手も
飛車が狙われそうなので、金を３八に置く変則的な穴熊になりました。
先手が飛車を上げて７筋への転換を狙うと、後手も飛車を６筋に回します。
先手が飛車を７筋に回したので、後手は５筋を守っていた金を３四に移動・
攻めへの利用も目指すことに。
先手が飛車を使いやすくするために角を引くと、ここで後手が攻めを開始。
４筋での歩の交換から金が前進。先手が７筋の歩を突くと、後手は飛車で
取って飛車交換に。先手は飛砂を打ち込んで下がって龍を作ると、後手も
飛車を打ち込み、上部から金と連動させての攻め。
先手も歩を使って後手角の利きを止めながら後手守り陣を崩して、再び
龍が突入。横からの攻めを見せます。まだまだ先手からの攻めは遅いと見て
後手は金交換から直接先手玉に攻めかかります。
もう１枚駒があれば攻略できる後手渡部愛は駒を奪い取る手に。対する
先手香川愛生は落ち着いて守り駒を足していきます。
先手は銀を打ち込んで一手勝ちを狙います。銀を取りに行けば駒数が足りる
後手ですが、一手の余裕がないと判断。なかなか取り込めません。
一手の違いが勝敗を分け、受ける余裕がないと判断した後手渡部愛が龍切り
から攻め込みますが、一手先に先手玉に逃げられ万事休す。わずかな隙が
勝敗を分け、先手香川愛生が後手玉を追い落としました。
【第２期ヒューリック杯清麗戦】清麗:里見 香奈
【２回戦まで】敗者は敗者戦に回る
香川 愛生 ○ ● 渡部 愛 １１９手
飯野 愛 女流初段---+
+-渡部 -+
渡部 愛 女流三段---+ |
+-香川 愛生
大庭 美樹女流初段---+ |
+-香川 -+
香川 愛生女流三段---+
÷ 丹善人 ÷