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タイトル女流王座戦五番勝負第1局
記事No1312
投稿日: 2020/10/28(Wed) 17:43
投稿者丹善人
里見香奈女流四冠が、西山朋佳女流王座に奪還を挑む、リコー杯女流王座戦五番勝負第1局が
行われ、124手で後手の西山朋佳が先勝し、防衛に幸先良いスタートを切りました。

先手となった里見香奈は、いきなり伝家の宝刀先手番ゴキゲン中飛車で、初戦は負けられない
という気迫を見せると、後手西山朋佳は5三銀でこれを迎え、飛車も中央に移動。相中飛車と
なりました。

このあと駒組みが進み、先手は矢倉模様に移動。後手は金を横に据えての美濃。先手は
守りが金1枚という薄さ。後手は銀を伸ばして行くのに対し、先手は方針が定まらず、
玉を左右に動かします。ようやく48手目で5五で駒がぶつかり、後手が1歩を手にします。

後手は角道を開いて角交換。4筋に続けて、3筋6筋5筋と歩を突いて先手陣を
乱していきます。5五に上がった銀に歩を当てて守ろうとしますが、応\手は構わず、
3七に上がって、行き場がない桂馬頭に歩を打ち、銀桂交換でできた浮き駒当てに
金銀両取りの角を打ち込みます。銀を取られては玉が危ないので、先手は玉を
移動させながら銀の守りに。後手は易々と金を取って馬を作ります。

先手里見香奈は玉を逃がす方向で進めていきます。後手西山朋佳はさらに金打ちで
先手玉にプレッシャーをかけ、玉が逃げれば銀をタダ取り。銀を守れば歩を補充
しながら馬を最前線に持ってこようという所。

ここで先手は手抜きで後手玉正面狙いの歩突き。後手は予定通りに歩を補充しながら
金銀交換で馬が出て王手。先手に金を使わせてよしとします。
歩を伸ばす先手に、後手は桂馬跳ねで先手守りの金狙い。かわした手に今度は
逆サイドに歩を貼って逃げ道封鎖。守りの銀で食わせても玉の退路が狭まることは
同じ。

後手の拠点を残したくない先手は同銀を選択。先手玉が裸になったところで後手は
金狙いにもう1枚桂馬を追加。先手はとにかく逃げたいところ、後手は金取りから馬が
懐近くに入り込み、先手玉にせまります。

先手は後手玉に王手の銀打ち込みから金銀交換で、得た金を守りに使います。いったん
馬を引いた後、攻め駒を足す後手に、先手は最後のお願いと、後手玉を追います。
しかし先手の攻めは読み切ったと逃げ切り、手が空いたところで後手は最後の攻めに
かかります。

先手もと金をつくっての寄りから角の打ち込みで後手玉を脅かしますが、こちらも
即詰みの手はなく、両者、寄せと逃げの応手から、最後は後手がチャンスを握り、
逃げ出そうとする先手玉をしっかり捕まえて寄せきりました。


【第10期リコー杯女流王座戦五番勝負】女流王座:西山 朋佳

里見 香奈 ●  ○ 西山 朋佳

+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    | 氏  名 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|女流王座| 西山 朋佳 |  ○  |  先  |     |  先  |    |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者 | 里見 香奈 | 先● |    |  先  |    |    |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    |      |124手|   手|   手|   手|   手|
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+

第1局 10月28日(水) 東京都文京区「ホテル椿山荘東京」
第2局 11月10日(火) 東京都港区「明治記念館」
第3局 12月 1日(火) 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第4局 12月 9日(水) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第5局 12月14日(月) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」


÷  丹善人  ÷