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タイトル倉敷藤花戦三番勝負第1局
記事No1321
投稿日: 2020/11/05(Thu) 15:21
投稿者丹善人
女流棋界レジェンドの一人中井広恵女流六段が、タイトル戦登場最年長記録を引っさげ、
女流四冠を保持する最強の一人里見香奈倉敷藤花に挑戦する、倉敷藤花戦三番勝負第1局は
115手で先手の里見香奈が勝ち、防衛に王手をかけました。

先手となった里見香奈、得意の先手番ゴキゲン中飛車。後手はオーソドックスに中有を守り、
玉が矢倉に移動。先手も1筋の歩を上げ、後手も応じたので穴熊はない模様。先手は
美濃に囲いながら、予定通りに銀を中央から伸ばして行きます。

ここで後手は飛車を7筋に回して、7七角狙いに。歩の交換から飛車を前進させます。
これに先手は角を上げた後、飛車を回して交換要求。これに後手も応じ、互いに飛車を
手持ちにした後、後手は積極的に3筋あら攻撃を仕掛けていきます。先手は左銀で
これを守った後、銀冠にして囲いを強化しました。

後手も金銀を集めてダイヤモンド美濃に。空いたところに先手は飛車を打ち込みます。
これを桂馬を支えに飛車を張って対抗する後手に再び飛車交換。先手は再度の飛車の
打ち込み。桂馬が跳ねているので、後手の対抗はないので、後手も飛車を相手陣に
打ち込みます。香車取りになっているので、先手は金底の歩を貼って阻止。後手は
取られそうな桂馬を跳ねて戦いに参加。先手は飛車取りに出ます。

後手は飛車取りに使われそうな金頭に歩を貼りますが、これは金を取られても飛車が
取られる勘定で、先手は飛車の切り捨て阻止に出ます。これで飛車は動けなくなって
しまいました。
飛車は諦めて、先手は角を使おうとします。落ち着いてこれに対抗する先手。
後手からの攻めが難しくなってきました。

先手里見香奈は、目障りな桂馬を交換でなくして、自陣に戻ることができた龍を使って
飛車の生け捕りに出ます。後手中井広恵は交換した桂馬を貼って先手玉を追い込み、
カナ駒があれば詰ませられるところ、先手は金渡しとならない様に龍での飛車取りに
行きます。

後手は飛車はあきらめて端攻めに期待をかけますが、先手は落ち着いて飛車取りに。
手も出ない後手は角を動かして直接玉狙いに。先手は龍が戻って角取りに出ますが、
後手は角頭に歩を貼って交換狙いに。先手は角を取られても大丈夫と判断。交換で
龍が又後手陣に入り込みます。

先手は目障りな1六の歩を取りますが、逆に言えば1筋の守りがなくなったので、
後手は角を打ち込んで詰めろに。これを角を合わせて受ける先手。後手は歩成りで
守りの金を動かして、空いたところに桂馬成り。再び詰めろに。先手は2八に角を
上げてこれを防ぎます。

後手は駒の精算から龍金両当たりの角打ち。竜取りを防ぐ先手に、後手は金取りとは
せずに銀を打ち込んで攻めを重視。しかし、ここで先手は後手からの攻めはまだまだ
遅いと読んで、寄せを目指して香成りで挟撃態勢を決めました。持ち駒を使い果たした
後手には守るすべがありません。

後手は再度銀交換から手をつなぎますが、先手も攻めを優先、後手玉に迫ります。
後手中井広恵は攻めの補充で桂馬を飛ばしますが、実はこれが急激態勢の成香を
取るための物。取った後、返す刀で金も取り、攻め駒十分にはなったのですが、
手番は先手里見香奈に。こちらも持ち駒十分で、攻め駒が後手玉に届き、一気の寄せが
決まりました。


【第28期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負】倉敷藤花:里見 香奈

里見 香奈 ○  ● 中井 広恵

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|    |  氏  名   | 第1局 | 第2局 | 第3局 |
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|倉敷藤花|里見 香奈女流五冠| 先○  |     |     |
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| 挑戦者 |中井 広恵女流六段|  ●  |  先  |     |
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|    |         |115手|   手|   手|
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第1局 11月 5日(木)「関西将棋会館」
第2局 11月21日(土)岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」
第3局 11月22日(日)岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」


÷  丹善人  ÷