マイナビ女子オープン本戦１回戦、加藤桃子VS甲斐智美の対局は、１０４手で後手の
甲斐智美が勝ち、２回戦に駒を進めました。

先手加藤桃子、居飛車の出だしに、後手甲斐智美、四間飛車の対抗形。後手が
先に９筋の歩を上げ、先手も応じます。後手が美濃に囲えば先手は金無双か。
両者銀を中央に上げます。

先手の銀が上がる前に後手が銀を６五に出て先手の歩を取る構え。先手は飛車を
上げて中央の歩を守ります。続けて先手は３筋の歩を突いて飛車が３筋に回ります。
後手も飛車を３筋に回して対抗。先手は後手角頭狙いに歩を前進。角が下がると
今度は２筋の歩を突き捨て。続けて上がった桂馬を生かそうと、歩の連打。

桂交換が決まれば、後手玉のこびんが狙えると、先手は先に角がこびんの筋に
入ります。先手の角が動いたので、後手は角道を開け、角成りを見せますが、先手は
歩を上げ、角道を阻止するとともに、桂打ちを阻止する銀をどかせようと歩を
上げます。さらに桂馬と菌を上げて突進から角成りと来る筋を消します。

桂馬打ちに邪魔な銀を動かしたことで先手は準備完了。桂馬交換を目指して
歩を打ち込みますが、交換したくない後手は飛車交換で我慢します。
桂馬を貰えなかった先手は、ならばと角の成り込みを図ります。
後手は歩を間に貼って、角が食えば王手角取りが決まるのですが、先手は
飛車を打ち込んでからの成りで、角に紐を付けて角を前進させます。

とりあえず銀下がりで角に侵入を阻止した後、後手も飛車の打ち込み。さらに
突入しようという飛車角を押さえ込みながら、持ち駒を増やして優位を図ろうと
します。
先手加藤桃子は後手玉のこびんをこじ開けて、角交換から王手龍を狙いますが、
後手甲斐智美はそんな作戦にはのらないぞ、と放置して攻めを敢行。先手の連続
攻めの合間にも優位を築き、角交換ならその間に寄せきってしまう手を用意
しました。これで先手は角交換が出来なくなり、角を相手に渡せば寄せられる
筋ができあがってしまいました。

先手は龍切りからの一気の寄せの手を消しますが、チャンスは後手に。いよいよ
８筋の香車成りから攻めが始まりました。逃げる玉に角交換からの角打ち。
これは勝負あったかも知れません。
やはり数手で甲斐智美が一気に押しきり、粘ることもなく加藤玉を押さえ込みました。


【第１４期マイナビ女子オープン本戦】女王：西山朋佳奨励会三段

加藤　桃子　●　　○　甲斐　智美　　１０４手

清水　市代女流六段---------+
　　　　　　　　　　　　　 +-千葉　-+
千葉　涼子女流四段---------+　　  　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+
長谷川優貴女流二段---------+　　  　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 +-長谷川-+　　　　|
竹部さゆり女流四段---------+　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+
加藤結李愛女流初段---------+　　　　　　　　 |　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　 +-里見　-+　　　　|　 　　 |
里見　香奈女流四冠---------+　　  　|　　　　|　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+　 　　 |
脇田菜々子女流初段---------+　　  　|　 　　　 　　 　|
　　　　　　　　　　　　　 +-塚田　-+　 　　　 　　 　|
塚田恵梨花女流初段---------+　　　　　 　　 　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　 　　 +-
伊藤　沙恵女流三段---------+　　　　　　　  　　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　 +-伊藤　-+　　　　　 　　　|
宮澤　紗希　ア　マ---------+　　  　|　　　　　 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+　　　　|
鈴木　環那女流三段---------+　　  　|　　　　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　　　　|　　　　|
香川　愛生女流三段---------+　　　　　　　 　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　+-　　　-+
村田　智穂女流二---------+　　　　　　　 　|
　　　　　　　　　　　　　 +-　　　-+　　　　|
渡辺　弥生女流初段---------+　　  　|　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　  　+-　　　-+
甲斐　智美女流五段---------+　　  　|
　　　　　　　　　　　　　 +-甲斐　-+
加藤　桃子女流三段---------+


÷  丹善人  ÷