タイトル | : 女流王座戦五番勝負第3局 |
投稿日 | : 2020/12/01(Tue) 18:08 |
投稿者 | : 丹善人 |
対戦成績を1勝1敗の五分に戻して出直しとなった女流王座戦五番勝負第3局は、97手で 先手の里見香奈が勝ち、女流王座奪還に王手をかけました。 先手挑戦者里見香奈、ゴキゲン中飛車に、後手西山朋佳女流王座は三間飛車。後手が玉を 美濃に移行させると、先手は後手玉頭を目標に7〜9筋の歩を上げていきます。8五歩と 伸ばした後、角を6六に据えて、向かい飛車に移行。直接後手玉を狙いに行きます。 後手は危険と知りつつ、守りを固めるために、あえて玉を美濃に入ります。先手は8筋で 歩の交換。飛車を1段目まで下げます。 先手は続いて桂馬を上げて端攻撃。歩の突き捨てから歩を打ち込み、後手は9三に利かせて いる先手の角をとりあえず下げさせてから桂交換。先手は6筋の歩を突き捨てて軽くしてから 9筋の香車を釣り上げて桂馬打ち。後手は銀で守り、桂香交換。飛車が玉正面に突入します。 銀冠を完成させる後手に、先手は9筋に飛車を回します。 後手は玉も上がって守りを固めますが、先手はこれを逆利用。歩を突いて玉のこびんを開けて から端狙い。5五歩と打ちますが、これを取ると角の突入から飛車の成り込みが成立します。 なので後手は角道を止める桂馬打ち。これがちょうど飛車当たりにもなって、手番が 奪えます。 後手西山朋佳はもう1枚の桂馬を貼って、先手の飛車の動きを完全にストップさせました。 なので、先手里見香奈は別の箇所からの攻めに切り替えます。しかし後手は角道を遠し、 桂馬の紐が切れてしまった先手角を狙い目にします。誘いに乗る先手。後手は角交換で 奪った角をさっそく打ち込み、飛車取りに。先手はこれを相手にせずに、こちらも角の 打ち込みで王手とし、手番を取ります。 先手は玉頭を守る金に角の紐付きで直接香車貼りの田楽刺し。後手はこれを放置しての 先手玉側に銀当てに打った歩がそのまま銀取りで成り込んで、先手玉にプレッシャーを かけます。しかし今度は先手が攻める番。玉をうわずらせての飛車の突入。角が利いて いるため合駒は出来ず、逃げるしか手がありません。 後手陣の守り駒を飛車1枚だけにしての飛車の成り込み。先に打ち込んだ角がよく利いて いるため、後手玉は逃げ場がありません。後手は攻防の香車打ち。しかし先手は落ち着いて 後手玉に詰めろを掛けました。必死で逃げようとする後手でしたが、攻めは十分。 落ち着いた指し回しで先手里見香奈が貴重な星を手にしました。 【第10期リコー杯女流王座戦五番勝負】女流王座:西山 朋佳 里見 香奈 ○ ● 西山 朋佳 +--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+ | | 氏 名 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 | +--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+ |女流王座| 西山 朋佳 | ○ | 先● | ● | 先 | | +--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+ |挑戦者 | 里見 香奈 | 先● | ○ | 先○ | | | +--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+ | | |124手|110手| 97手| 手| 手| +--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+ 第1局 10月28日(水) 東京都文京区「ホテル椿山荘東京」 第2局 11月10日(火) 東京都港区「明治記念館」 第3局 12月 1日(火) 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」 第4局 12月 9日(水) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」 第5局 12月14日(月) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」 ÷ 丹善人 ÷