タイトル | : 女流名人戦五番勝負第3局 |
投稿日 | : 2021/02/07(Sun) 15:57 |
投稿者 | : 丹善人 |
里見香奈女流名人が12連覇まであと1勝と迫った、第47期岡田美術館杯女流名人戦 五番勝負第3局が行われ、106手で後手の里見香奈が勝ち、3連勝で、12連覇を 果たすとともに、清水市代に並ぶタイトル獲得43期に並びました。 先手加藤桃子居飛車の出だしに、後手里見香奈はゴキゲン中飛車。これに超速銀で先手は 応じます。後手も銀を上げて対抗。先手は左銀も上げて応戦します。後手が中央での歩の 交換で飛車が上がると、先手は桂馬を飛ばし、後手角を下げさせます。先手は2筋で 歩を突き捨てて、いつでも飛車が動ける様にします。 後手は飛車が戻り、先手が銀上がりで銀交換から2四に上がった角と飛車の交換。 すかさず飛車当たりに角を打ち込んで馬を作ります。後手も飛車の打ち込みで先手玉を 狙います。先手は馬で取った桂馬をさっそくに攻めに打って後手陣形に揺さぶりを かけます。対する後手は打ち込んだ飛車を支えにと金を作ろうと歩を貼ります。 いきなりの終盤戦。こうなると、お互いが我が道を行くしかない。 先手加藤桃子は馬を引きつけ、奪った桂香を使っての後手玉正面攻撃。後手里見香奈は と金を生かしての横からの攻め。いったんは先手は飛車の筋をそらせて直撃を避けます。 先手は桂馬香車と立て続けに後手玉正面を襲っての駒交換。後手は慌てず騒がずに 対処します。先手が後手の守り駒の飛車金を攻める間に、後手は先手玉へ直接攻撃。 先手玉がとたんに危うくなり、あと1枚駒があれば一気の寄せも見えるところ、 その駒が後手への攻撃駒として落ちています。 守りに飛車など不要とばかり、後手里見香奈は飛車切りで銀を奪い、持ち駒に加えます。 これで材料がそろいました。後手玉への攻めはまだ遠いところ。一気に形勢が防衛へと 加速しました。投げられない加藤桃子は最後まで粘りましたが、焼け石に水。 勝利を確信した絶対王者が逃すはずもなく寄せきられました。 【第47期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負】 加藤 桃子 ● ○ 里見 香奈 +--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+ | | 氏 名 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 | +--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+ |女流名人|里見 香奈女流四冠| ○ | 先○ | ○ | 先 | | +--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+ |挑戦者 |加藤 桃子女流三段| 先● | ● | 先● | | | +--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+ | | | 90手|153手|106手| 手| 手| +--------+------------------+--------+--------+--------+--------+--------+ 里見香奈のの12連覇! 第1局 1月17日(日) 神奈川県箱根町・岡田美術館開化亭 第2局 1月24日(日) 鳥取県出雲市・出雲文化伝承館 第3局 2月 7日(日) 千葉県野田市・関根名人記念館 第4局 2月15日(月) 東京都渋谷区「東京・将棋会館」 第5局 3月 8日(月) 大阪府大阪市・関西将棋会館 ÷ 丹善人 ÷