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タイトル【戦法図鑑】194 居飛車穴熊戦法 黎明期[1]
記事No334
投稿日: 2014/11/28(Fri) 23:11
投稿者千鳥銀
本章から振り飛車の最大の敵である居飛車穴熊を対四間飛車を中心に
紹介して行きたいと思います。まず居飛車穴熊がプロ棋戦に現れ猛威を
振るう事となる黎明期とも言える時代から。

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽3二銀
▲5六歩    ▽4二飛    ▲6八玉    ▽6二玉    ▲7八玉    ▽7二玉
▲5七銀    ▽4三銀    ▲7七角    ▽8二玉    ▲8八玉    ▽7二銀
▲9八香    ▽5二金左  ▲9九玉    ▽6四歩    ▲8八銀    ▽7四歩


「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・v角 ・|二
|v歩v歩 ・ ・v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|六
| 歩 歩 角 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24  ▽7四歩  まで

手順は今とは違い、四間飛車側は特に何の対策も無く居飛車側に簡単に穴熊に
組ませてしまっています。居飛車穴熊初期の黎明期と言える昭和50年代前後には
穴熊は本格的では無いB級戦術と思われていました。


「図1」から「図2」までの手順

▲7九金    ▽6三金    ▲5九金    ▽9四歩    ▲6九金右  ▽8四歩
▲7八金右  ▽8三銀    ▲2五歩    ▽3三角    ▲3六歩    ▽7二金
▲4六銀    ▽5四歩    ▲3五歩    ▽3二飛    ▲3四歩    ▽同 銀
▲3八飛    ▽4五歩    ▲3四飛    ▽7七角成  ▲3二飛成

「図2」

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・ 龍 ・ ・|二
| ・v銀 ・v金 ・ ・ ・v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩v馬 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 銀 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 銀 歩 
手数=47  ▲3二飛成  まで

「図2」までの手順は作られた手順で実戦に出て来る事は無いと思いますが
穴熊の特徴を全て顕している物です。穴熊はまず固いと言う事と王手が掛からない
と言うのはすぐ理解出来る事ですが、実は最も大きな利点は玉が遠いと言う事なのです。
「図2」までの先手の攻撃方法は▲4六右銀型ナナメ棒銀ですが、急戦型に対して有効だった
▽4五歩の反発で捌きに出ると、図の7七角成が一つ遠くに居る穴熊玉に届かず
王手にならない為▲3四飛から▲3二飛成と取られてしまい失敗に終わります。
これが終盤に一手早く玉を寄せる競技である将棋にとって大変な利点で有る事の
認識が当時は甘く、駒が偏った無理な作戦と思われていたのでした。

「図1」から「図3」までの手順

▲6六銀    ▽6三金    ▲2五歩    ▽3三角    ▲6八角    ▽2二飛
▲7九金    ▽9四歩    ▲5九金    ▽8四歩    ▲6九金右  ▽8三銀
▲7八金右  ▽7二金

「図3」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
| ・v銀 ・v金v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 銀 金 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=38  ▽7二金  まで

現在の感覚からすれば「図1」では既に先手の作戦勝ちと言って良い形勢です。
▲6六銀から▲6八角と言う、この手順が実現出来れば居飛車穴熊は優勢が
築ける可能性が高いと言う事が長い年月で理解されて行きます。

「図3」から「図4」までの手順

▲3六歩    ▽5四歩    ▲3八飛    ▽4二角    ▲3五歩    ▽同 歩
▲同 飛    ▽3二飛    ▲同飛成    ▽同 銀    ▲2四歩    ▽2八飛
▲2二飛    ▽3一歩    ▲2三歩成  ▽同飛成    ▲同飛成    ▽同 銀
▲2二歩

「図4」

後手の持駒:飛 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v歩v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・v角 ・ 歩 ・|二
| ・v銀 ・v金 ・ ・ ・v銀v歩|三
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 銀 金 角 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 歩 
手数=57  ▲2二歩  まで

▲3五歩と角頭に仕掛けて歩を交換するのは、通常この形では振り飛車に対しては
飛車交換を強要されて悪手となるのですが、これもまた「図2」までと同じく
逆に振り飛車に思わしく無い形勢となります。今まで振り飛車側が有利とされていた
捌き合いは居飛車穴熊に有利な別れにと結果は変わるのです。それでは駒組み競争を
続けていたら、どうなるかなのですが。

「図3」から「図5」までの手順

▲9六歩    ▽5四歩    ▲7七銀引  ▽7三桂    ▲8六歩    ▽6五歩
▲8七銀    ▽4二角    ▲8八金上  ▽7五歩    ▲同 歩    ▽同 角
▲2四歩    ▽同 歩    ▲2三歩

「図5」

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
| ・v銀v桂v金 ・v銀 ・ 歩v歩|三
|v歩v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・|四
| ・ ・v角v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 銀 銀 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 金 金 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=53  ▲2三歩  まで

▲7七銀引きから▲8六歩、▲8七銀とした「図5」の金銀四枚の穴熊が通称
ビッグ4と呼ばれる最強の穴熊囲いで現在はこれに組ませないと言うのが常識と
なっている居飛車穴熊の理想形です。この形では▲9六歩と端を受けるのも形です。
後手の振り飛車側は▽4二角から▽7五歩 ▲同歩 ▽同角と捌いて▽3九角成を
狙い好調に見えますが▲2四歩 ▽同歩に▲2三歩と打ち、▽同飛なら▲2四飛と
捌いて、また飛車が逃げても▲2四飛で先手断然優勢の局面です。▲2四歩を取らず
▽3九角成としても構わず▲2三歩成と成り込み、やはり先手優勢です。

この十分に穴熊に組ませてから銀冠で、穴熊側の手を殺すと言う見事な指し回しを
大山十五世名人が当時披露して唯一四間飛車側を持って勝ち越していましたが
これはプロ棋士でも誰も真似が出来ず、この捌き合いや持久戦での駒組み競争では
居飛車穴熊を攻略する事は出来なかったのです。
後に鈴木大介八段が、穴熊に組ませて銀冠で対抗した鈴木システムが有りますが
これは▲6六歩と突かせて穴熊に「図3」の形にさせない上での戦型で、また
これとは違いますが、どちらにしてもまだこの時代には無い概念でした。

次の章では居飛車穴熊対三間飛車の攻防を御紹介します。
 

タイトル【戦法図鑑】195 居飛車穴熊戦法 黎明期[2]
記事No335
投稿日: 2014/11/28(Fri) 23:22
投稿者千鳥銀
本章では初期の頃の居飛車穴熊と三間飛車の攻防を御紹介します

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽3二飛
▲2五歩    ▽3三角    ▲6八玉    ▽4二銀    ▲7八玉    ▽6二玉

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v玉 ・v銀v飛 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=12  ▽6二玉  まで

「図1」は今でも一般的な対三間飛車に対してのの居飛車穴熊の進行となります。

「図1」から「図2」までの手順

▲5六歩    ▽7二玉    ▲5七銀    ▽4三銀    ▲7七角    ▽2二飛
▲8八玉    ▽3二金    ▲9八香    ▽2四歩    ▲同 歩    ▽同 角

「図2」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・ ・v金v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩v角 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| ・ 桂 銀 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=24  ▽2四同角  まで

通常居飛車穴熊は▲6六銀 ▲6八角と言う理想形を狙いに▲5六歩から▲5七銀と
右銀の活用を準備をしてから穴熊を目指しますが三間飛車に対しては簡単に石田流に
組ませない為に▲2五歩 ▽3三角と飛車先を決めてしまう事が多い為「図2」までの
手順に見られるような後手側が向かい飛車に振り直す策に出る場合が有り、穴熊に囲う前に
▽2四歩から急戦を狙われ▲同歩 ▽同角とした手が5七に上がった銀に当たって
先手が指し難い形成となります。銀当たりにならなくても、この向かい飛車急戦に
対してだけは穴熊に組めない場合が有るので、後の章で御紹介します。

「図1」から「図3」までの手順

▲7七角    ▽7二玉    ▲8八玉    ▽8二玉    ▲9八香    ▽7二銀
▲9九玉    ▽4三銀    ▲5六歩    ▽3五歩    ▲5七銀    ▽5二金左
▲8八銀    ▽4二角    ▲4六銀

「図3」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v角v飛 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=27  ▲4六銀  まで

後手が▽8二玉から美濃囲いを目指し超急戦には出ない事を確認してから
▲5六歩とします。後手側もただ漠然と駒組みを続けていると先手の穴熊が
組み上がってしまい捌く事も出来ず自然に不利となるので、優位を求めて
▽3五歩と石田流を目指します。先手も石田流の攻撃態勢に簡単に
組ませるのは損なので▲4六銀と出て牽制し図3」となります。

「図3」から「図4」までの手順

▽3六歩    ▲同 歩    ▽同 飛    ▲3五歩    ▽4五歩    ▲3七銀
▽3五飛    ▲1一角成

「図4」

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 馬|一
| ・v玉v銀 ・v金v角 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v飛 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:香 
手数=35  ▲1一角成  まで

▲4六銀の牽制に▽3六歩と飛車先を切りに来るのは無理筋で、▲3五歩と
蓋をされて以下▲3八金から▲3七金で飛車を殺されてしまうので、▽4五歩から
飛車を助け出す事になり「図4」まで後手が不利になります。4九の金を動かして
いないのが▽3六同飛と歩を切った時に飛車成を防いでいる点が要となります。
また「図4」のような場合に▽3三角と先手の馬を相殺して消すのが振り飛車の
常套手段なのですが。これもやはり先手玉が穴熊で▽3三角が王手にならず
構わず▲2一馬と桂を取られ無効となります。


「図3」から「図5」までの手順

▽5四歩    ▲1六歩    ▽1四歩    ▲7九金    ▽6四歩    ▲2六飛
▽7四歩    ▲5九金    ▽6三金    ▲6九金右  ▽9四歩    ▲7八金右
▽7三桂    ▲6八角    ▽3四銀    ▲3六歩    ▽同 歩    ▲同 飛

「図5」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v角v飛 ・ ・|二
| ・v歩v桂v金 ・ ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 銀 飛 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・|七
| 香 銀 金 角 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=45  ▲3六同飛  まで

「図5」までは177章の5筋位取りでも御紹介しましたが、後手の石田流模様に
▽3五歩と飛車先を伸ばした手に反撃をした局面ですが、玉形が違い遥かに先手玉の
穴熊が固い為、先手必勝と言っても言い形勢と言えます。

次章では振り飛車側が超急戦で、先手の穴熊が完成する前に攻略を狙う策を御紹介します。

タイトル【戦法図鑑】196 居飛車穴熊戦法 黎明期[3]
記事No336
投稿日: 2014/11/28(Fri) 23:25
投稿者千鳥銀
本章では居飛車穴熊が組み上がらないうちに振り飛車側から超急戦を仕掛けて行く
攻防を御紹介します。

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽4二銀
▲5六歩    ▽5二飛    ▲6八玉    ▽6二玉    ▲7八玉    ▽7二玉
▲5七銀


「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v飛v銀 ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=13  ▲5七銀  まで


今回は超急戦を仕掛け易い中飛車で、居飛車穴熊を攻略出来ないかと言う後手の
速攻作戦について見て頂きます。速攻の場合▽8二玉 ▽7二銀と美濃囲いを
完成させていると成功し難くなる為▽7二玉の形で仕掛けます。

「図1」から「図2」までの手順

▽5四歩    ▲7七角    ▽5三銀    ▲8八玉    ▽6四銀    ▲6六銀
▽4五歩    ▲9八香    ▽5五歩    ▲同 歩    ▽同 銀    ▲同 銀
▽同 飛    ▲同 角    ▽同 角    ▲6六銀    ▽3三角    ▲4三飛
▽4二金    ▲4五飛成

「図2」

後手の持駒:角 銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・v金 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩 ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| ・ 桂 銀 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=33  ▲4五飛成  まで

▽5三銀から▽6四銀で▽5五歩と仕掛ける、振り飛車超急戦でも最も速攻性の
高い仕掛けで銀交換にはなりますが、▲4三飛から龍を作られた「図2」では
先手有利な局面と言えます。手順中▽5五同飛と取る所を▽5五同角と角の方で
取るのは▲同角 ▽同飛で▲4四角と打たれ▽5七飛成と飛車は成れますが
▲1一角成と香を取られ後手が不利です。

「図1」から「図3」までの手順

▽4三銀    ▲7七角    ▽8二玉    ▲8八玉    ▽7二銀    ▲9八香
▽5四歩    ▲9九玉    ▽3三角    ▲5八金右  ▽4五歩    ▲6六歩
▽6四歩    ▲6七金    ▽4四銀    ▲8八銀    ▽5五歩    ▲同 歩
▽6五歩    ▲5六銀    ▽5五銀    ▲同 銀    ▽同 飛    ▲5六歩
▽5一飛    ▲6五歩    ▽7七角成  ▲同 銀

「図3」

後手の持駒:角 銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v飛v金 ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・v歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩 
手数=41  ▲7七同銀  まで

単純な速攻では無理なので、美濃囲いに囲ってから▽5五歩 ▲同歩 ▽6五歩と
少し本格的な攻撃を仕掛けますが、これも「図3」まで歩損で穴熊を崩すには至らず
速攻は失敗と言える局面です。ここから▽3九角と打っても▲8八飛、▽4六歩と突き
▲同歩に▽4七角と打つのも▲2五角打で攻め切れません。しかしこの戦形は条件が
変わり形に拠っては有効となり得る手段です。

「図4」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲2五歩    ▽3三角
▲4八銀    ▽2二飛    ▲6八玉    ▽6二玉    ▲7八玉    ▽7二玉
▲7七角    ▽4二銀    ▲8八玉    ▽4三銀    ▲9八香    ▽3二金
▲9九玉    ▽2四歩    ▲同 歩    ▽同 飛    ▲2五歩    ▽2二飛
▲3六歩    ▽1四歩    ▲8八銀    ▽1三桂    ▲3七桂    ▽3五歩
▲2六飛    ▽1五角    ▲1六飛    ▽2五桂    ▲同 桂    ▽同飛

「図4」

後手の持駒:桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀 ・ ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩v飛v角|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 飛|六
| 歩 歩 角 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 
手数=36  △2五同飛  まで

前章「図2」の三間飛車から向かい飛車に振り直す急戦形で触れた向かい飛車の
超急戦策ですが、実戦では居飛車側が飛車先を2六で保留して▲2五歩と
突かない事が多いので実現する事は少ないと思われますが、先手が振り飛車の場合、
三間飛車で▽8五歩と突かせ▲8八飛と振り直すと先後逆で同一局面になるので
全く無い形でも有りません。形に拠っては向かい飛車にも穴熊が組める場合も
有りますが、この「図2」までの最速で飛車先を逆襲してくる超急戦には穴熊は
疑問となります。ただし穴熊は避ける事が出来ても先手が▲9八香の所▲5八金右と
様子を見て▽3二金に▲7八銀と左美濃に変える手が有り、超急戦は難しくなります。

以上居飛車穴熊の初期、プロ棋戦の勝率が6割前後となり振り飛車党の棋士が
居飛車に転向し減ってしまうと言う程の猛威を振るった黎明期の時代の攻防を
御紹介しました。194章の最後の解説での大山十五世名人の穴熊側の手を殺す策は戦法と
言うより大山十五世名人の達人業と言うべきで他の棋士が真似られる物では無いのは
解説した通りですし、また穴熊も更に進化して行き振り飛車最強の天敵となりました。
暫くの間これと言った方策が無かったのですが、ついにその穴熊側が簡単に組めなくなる
対抗戦法が現れます。それが193章までで紹介した藤井システムです。次章からはその
壮絶な戦いの系譜を御紹介して行きます。

タイトル【戦法図鑑】197 藤井システムVS居飛車穴熊[1]
記事No345
投稿日: 2016/01/19(Tue) 23:45
投稿者千鳥銀
本章から長い激戦を展開する事になった居飛車穴熊対藤井システムの解説に入ります。
その前に四間飛車側も、簡単に理想形にはさせない工夫をした駒組みをするように
なった事は前章までにご紹介しましたが、更に有力だった作戦で今でも形に拠っては
応用される手段を見て頂き、居飛穴対藤井システムの激闘をご紹介します。

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽3二銀
▲5六歩    ▽4二飛    ▲6八玉    ▽6二玉    ▲7八玉    ▽7二玉
▲5七銀    ▽8二玉    ▲7七角    ▽3三角    ▲2五歩    ▽7二銀
▲8八玉    ▽5二金左  ▲9八香    ▽4五歩    ▲6六歩    ▽3五歩
▲9九玉    ▽4四飛    ▲5八金右  ▽3四飛    ▲2六飛    ▽3六歩
▲同 歩    ▽4四角    ▲2八飛    ▽3六飛    ▲3七歩    ▽2六飛

「図1」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v角 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・v飛 ・|六
| 歩 歩 角 ・ 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=36  △2六飛  まで

居飛車穴熊側が漠然と穴熊完成を目指すと、▽4五歩から▽3五歩と浮き飛車から
石田流のような形を組み上げられる立石流四間飛車で主導権を握られる事になります。
後にご紹介しますがアマ強豪の立石勝巳さんの創案に拠る、非常に強力な攻撃力を
有する戦法です。流石の居飛穴もすんなり組ませてしまっては好きに攻められてしまいます。

「図2」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽3二銀
▲5六歩    ▽4二飛    ▲6八玉    ▽6二玉    ▲7八玉    ▽7二玉
▲5八金右  ▽8二玉    ▲2五歩    ▽3三角    ▲5七銀    ▽7二銀
▲7七角    ▽5二金左  ▲8八玉    ▽6四歩    ▲9八香    ▽4五歩
▲6六歩    ▽3五歩    ▲7八金    ▽4四飛    ▲6五歩

「図2」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v飛 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・v歩v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 玉 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| ・ 桂 銀 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29  ▲6五歩  まで

四間飛車側の工夫に拠って穴熊側も、慎重な駒組みが求められて来ました。
ストレートに相手の動きに呼応せず穴熊に組み上げていると「図1」までのような
攻撃形を作られ、穴熊完成前に速攻されたりするので、先に▲5八金右から
▲7八金と速攻を警戒しながら組み上げ、「図1」までの立石流を狙って来たら
▲6五歩と迎え撃つ用意をするようになったのです。「図2」では居飛車側の
指し易い形勢になっています。ただこの警戒をさせる事に拠って居飛穴の理想形
四枚穴熊を阻止する事が出来たのが大きいのです。そして簡単に穴熊に組ませない。
これが四間飛車に関わらず現在の振り飛車の基本姿勢となるのです。
それではいよいよ藤井システムの登場です。

「図3」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽4二飛
▲6八玉    ▽9四歩    ▲7八玉    ▽9五歩    ▲5六歩    ▽7二銀
▲5八金右  ▽5二金左  ▲2五歩    ▽3三角    ▲5七銀    ▽3二銀

「図3」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18  △3二銀  まで

それまでの四間飛車と違い▽4二飛と振った後、▽9六歩から▽9五歩と
先に端を突き越し▽7二銀 ▽5二金左と美濃囲いを完成させても玉が入城せず
居玉のままと、現在は普通に見えるこの動きが当時センセーショナルでこの後
居飛車穴熊側を苦しめる事になるのです。

「図3」から「図4」までの手順

▲6六歩    ▽4五歩    ▲7七角    ▽6四歩    ▲8八玉    ▽7四歩
▲9八香    ▽7三桂    ▲9九玉    ▽6五歩    ▲同 歩    ▽7七角成
▲同 桂    ▽7五歩    ▲同 歩    ▽4六歩    ▲同 歩    ▽9六歩
▲同 歩    ▽同 香    ▲同 香    ▽7六歩

「図4」

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩v桂 ・v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 香 ・v歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 桂 ・ 銀 ・ 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 ・ 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 香 歩四 
手数=40  △7六歩  まで

「図1」の立石流を警戒しながらも「図3」から穴熊を目指しますが、これは藤井システムの
餌食となり、「図4」までは一例ですが既に先手側は崩壊となっています。
このような闘いになった時に、6〜9筋が戦場となり後手側の居玉は逆に良い形になるのです。
次章から、穴熊側の工夫とまたそれを打破する藤井システムの対抗策をご紹介して行きます。

タイトル【戦法図鑑】198 藤井システムVS居飛車穴熊[2]
記事No346
投稿日: 2016/01/19(Tue) 23:52
投稿者千鳥銀
引き続き藤井システムと居飛車穴熊の激闘をご紹介します。

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18  △3二銀  まで

「図1」は前章「図3」と同じ、▽3二銀と後手が藤井システムの体制を
採って来た局面です。

「図1」から「図2」までの手順

▲3六歩    ▽6四歩    ▲3五歩    ▽同 歩    ▲4六銀    ▽3六歩
▲3五銀    ▽3七歩成  ▲同 桂    ▽3六歩    ▲2四歩    ▽3七歩成
▲2六飛    ▽2四歩    ▲3四歩    ▽2二角    ▲2四銀

「図2」

後手の持駒:桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛v銀v角 ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 歩 銀 ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 飛 ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩vと ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=35  ▲2四銀  まで

当然ですが後手が居玉のままなら、穴熊に拘らず未完成の美濃囲いを狙って
急戦に方向転換する作戦は考えられます。▲3六歩に対して同様に▽6四歩と
藤井システムに必要な攻撃形を構築して行こうとすると、▲3五歩から5七の
銀を使ってナナメ棒銀の速攻を食らう事になります。左銀からの速攻から比べると
3筋が手薄で通常は右銀からのこの手の速攻は、上手く行き難いのですが
この場合は後手が居玉で戦場から近いので成立します。

「図1」から「図3」までの手順

▲3六歩    ▽6二玉    ▲3五歩    ▽同 歩    ▲4六銀    ▽4五歩
▲3三角成  ▽同 桂    ▲3五銀    ▽3四歩    ▲2四歩    ▽同 歩
▲3四銀    ▽4六歩    ▲同 歩    ▽同 飛

「図3」

後手の持駒:角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v銀v玉v金 ・v銀 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v桂 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀v歩 ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩v飛 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩三 
手数=34  △4六同飛  まで

当然ですが▲3六歩には急戦を警戒して▽6二玉と上がります。これでもまだ
玉形は中途半端なので速攻して上手く行きそうですが、一路囲いに入って
玉が露出していなければ▽4五歩と強く対抗出来て、これは上手く行きません。
「図3」では駒が捌けて後手が指し易い形成です。

「図1」から「図4」までの手順

▲3六歩    ▽6二玉    ▲7七角    ▽6四歩    ▲8八玉    ▽7四歩
▲9八香    ▽7三桂    ▲6六歩    ▽4五歩    ▲6七金    ▽8五桂
▲8六角    ▽6五歩    ▲7八玉    ▽6六歩    ▲同 金    ▽6五歩
▲5五金    ▽5四歩    ▲6五金    ▽9九角成  ▲6八飛    ▽9八馬
▲5四金

「図4」

後手の持駒:香 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀v玉v金v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・ 金 ・v歩 ・ ・|四
|v歩v桂 ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ 角 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 銀 歩 ・ ・ 歩|七
|v馬 ・ 玉 飛 ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=43  ▲5四金  まで

▲3六歩で急戦を見せる本当の狙いは▽6二玉とさせる事に拠って居玉で
速攻をすると言う藤井システムの理想の攻撃形を封じ、穴熊に組む事だったのです。
しかしただ穴熊に組むだけでは、藤井システムは一手玉が戦場に近づいても十分に
威力を発揮出来たのです。ところが▽6五歩と突かれた時に▲7八玉と戻ると言う
画期的な新手に拠って、これで藤井システムは封じられたかに見えたのですが。

「図1」から「図5」までの手順

▲3六歩    ▽6二玉    ▲7七角    ▽7一玉    ▲8八玉    ▽4三銀
▲9八香    ▽3二飛    ▲9九玉    ▽3五歩    ▲同 歩    ▽4五歩
▲3三角成  ▽同 飛    ▲3八飛    ▽4四角    ▲6六角    ▽3五飛

「図5」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v角 ・ ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v飛 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 角 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 ・ ・ ・ 金 ・ 飛 ・ ・|八
| 玉 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=36  △3五飛  まで

▲3六歩と先手が突いたら、藤井システムの攻撃形を取り止め玉を一目散に囲い
藤井システム失敗のようですが、実はこれも藤井システムの▲3六歩に対する
対応だったのです。そしてこの3六の歩を狙い3筋から速攻され、▲3六歩の為に
一手遅れた先手側は居飛車穴熊に組む前に前章「図1」でご紹介した立石流のような
速攻で不利に追い込まれてしまいます。しかしこれで居飛穴側も引く事は有りません。
次章もまた双方の工夫合戦をご紹介します。

タイトル【戦法図鑑】199 藤井システムVS居飛車穴熊[3]
記事No347
投稿日: 2016/01/20(Wed) 00:01
投稿者千鳥銀
本章でも居飛車穴熊、藤井システム共に秘術の限りを尽くす死闘の
経緯をご紹介します。

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18  △3二銀  まで

「図1」は前章「図1」と同じ、▽3二銀と後手が藤井システムの
体制を採って来た局面です。

「図1」から「図2」までの手順

▲7七角    ▽6四歩    ▲3六歩    ▽6二玉    ▲8八玉    ▽7一玉
▲9八香    ▽8二玉    ▲9九玉    ▽4三銀    ▲8八銀

「図2」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩v銀v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29  ▲8八銀  まで

前章「図5」では先に▲3六歩としたので、いち早く3筋から反撃の体制を
敷かれてしまい不利になりました。そこで▲7七角と居飛穴の意向を先にすると
後手は▽7四歩か▽6四歩と藤井システムに必要な手を指す事になります。
それから▲3六歩とすると今度は3筋からの反撃が間に合わなくなり
無事に▲8八銀と速攻を受ける前にハッチを閉めて穴熊に組めてしまうと言う
この逆モーションにより、この反撃形は消えました。

「図3」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽4二飛
▲6八玉    ▽9四歩    ▲7八玉    ▽7二銀    ▲5六歩    ▽3二銀
▲5八金右  ▽6四歩    ▲2五歩    ▽3三角    ▲5七銀    ▽5二金左


「図3」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18  △5二金左  まで

結果として後手番で▽9五歩と突き越して行く形は前章「図4」までの
▽6五歩と突かれた時に▲7八玉と戻ると言う画期的な手段により無理となり
▽9五歩と突き越す一手を▽6四歩に変えた「図3」の新型が考案されます。
これにより逆モーションの▲7七角から▲3六歩にも一手早く藤井システムの
攻撃形が作れる為に▽6五歩の仕掛けも一手早くなり▲7八玉と戻る手も
間に合わなくなります。


「図3」から「図4」までの手順

▲3六歩    ▽6二玉    ▲5五角    ▽6三銀    ▲3五歩    ▽同 歩
▲4六銀    ▽4五歩    ▲3三角成  ▽同 桂    ▲3五銀    ▽3四歩
▲2四歩    ▽同 歩    ▲同 銀    ▽4六歩    ▲3三銀成  ▽同 銀
▲4六歩    ▽同 飛    ▲2一飛成  ▽4四角    ▲5五桂

「図4」

後手の持駒:銀 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ 龍v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v銀v歩 ・v銀 ・v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v角v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩v飛 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩三 
手数=41  ▲5五桂  まで

先に▲7七角の逆モーションも通用しなくなりましたが、一つ形が変われば
必ず別な手段が出現する物で、藤井システムを間に合わせる為に突いた▽6四歩を
狙う手が現れたのです。▲3六歩と急戦を見せて▽6二玉と玉の入城を急いだ時に
▲5五角とする手がそれで、次に無条件で6四の歩を取られては良くないので
▽6三銀と受けます。この手で▽6三金と受けるのは玉の横が空いて本譜の進行に
なった時に更に指し辛くなります。しかしそこで▲3五歩と速攻を仕掛けられると
変化は有りますが先手が指し易くなります。流石に玉形が中途半端な形で急戦で
来られると難局になります。因みに▽6四歩の所で▽7四歩と突く形も指されましたが
やはり▲5五角としてから▲3六歩で同様に後手が思わしくない形勢となります。
これで▽3二銀で待機する藤井システムは、先手の居飛車穴熊を防げないと言う事が
分かり▽4三銀と上がる形の藤井システムが指される事になるのです。

タイトル【戦法図鑑】200 藤井システムVS居飛車穴熊[4]
記事No348
投稿日: 2016/01/20(Wed) 00:08
投稿者千鳥銀
本章では▽4三銀と上がる攻撃形の藤井システムをご紹介します。

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽4二飛
▲6八玉    ▽9四歩    ▲7八玉    ▽9五歩    ▲5六歩    ▽7二銀
▲5八金右  ▽3二銀    ▲2五歩    ▽3三角    ▲5七銀    ▽4三銀

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18  △4三銀  まで

「図1」は▽9五歩型の藤井システムで▽5二金右を▽4三銀に変えた
新藤井システムの局面です。

「図1」から「図2」までの手順

▲7七角    ▽6四歩    ▲8八玉    ▽7四歩    ▲6六歩    ▽7三桂
▲6七金    ▽6二飛    ▲9八香    ▽6五歩    ▲9九玉    ▽8五桂
▲8六角    ▽6六歩    ▲同 銀    ▽4五歩    ▲5三角成  ▽6六飛

「図2」

後手の持駒:銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ 馬v銀v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
|v歩v桂 ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩v飛 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=36  △6六飛  まで

先手がこの局面で居飛車穴熊を目指すと▽6二飛と回る手や場合に拠っては
▽5四銀と攻め駒を増援する手が有り、攻撃力が▽3二銀型と比べて強く
▲7七角から▲3六歩の逆モーションも通用せず、変化は有る物の穴熊に
組む前に潰される事になります。しかしこれで189章から193章までで
ご紹介した対左美濃の▽3二銀型藤井システムが使用出来なくなり、再び左美濃が
復活する事になるのです。

「図1」から「図3」までの手順

▲3六歩    ▽6二玉    ▲3五歩    ▽同 歩    ▲4六銀    ▽3六歩
▲2六飛    ▽3二飛    ▲3五銀    ▽4五歩    ▲3三角成  ▽同 飛
▲5七角

「図3」

後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀v玉 ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v飛v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩 銀 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・v歩 飛 ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 角 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=31  ▲5七角  まで

穴熊に組むのが危険なら、▽3二銀型より更に不安定な玉形を狙って▲3六歩と
急戦を仕掛ける手が有効になります。▽3二銀型では一直線の急戦は意外に
上手く行きませんでしたが、居玉の上に左金が立ち遅れている▽4三銀型では
違って来ます。▲3五歩を▽同歩と取るのは「図3」までで先手が有利となります。

「図1」から「図4」までの手順

▲3六歩    ▽6二玉    ▲3五歩    ▽3二飛    ▲4六歩    ▽3五歩
▲4五歩    ▽5二金左  ▲4四歩    ▽3四銀    ▲4八飛    ▽4二飛
▲4六銀    ▽4七歩    ▲同 飛    ▽4四角    ▲同 角    ▽同 飛
▲2二角    ▽7四飛    ▲4八飛    ▽3三角    ▲同角成    ▽同 桂
▲6五角    ▽8四角    ▲5七銀    ▽4五桂    ▲6六銀    ▽6四飛
▲3二角成  ▽6六飛    ▲同 歩    ▽同 角    ▲4七飛    ▽5七銀
▲3一飛    ▽5八銀不成▲同 金    ▽5七金    ▲6七金

「図4」

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ 飛 ・v香|一
| ・ ・v銀v玉v金 ・ 馬 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・v桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩v角 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金v金 飛 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩二 
手数=59  ▲6七金  まで

▲3五歩に▽3二飛と受けるのは振り飛車の常套手段で、▲4六銀に▽4七歩と
新手などが現れ、この形も激戦が展開されましたが、この「図4」までのように
居飛車側が指し易くなります。まだ結論が出たと言う訳では無いですが
現在では後手の藤井システムは厳しいのではと言われています。

タイトル 【戦法図鑑】201 先手の藤井システム[1]
記事No349
投稿日: 2016/01/20(Wed) 00:21
投稿者千鳥銀
本章から先手の藤井システムをご紹介します

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲6六歩    ▽8四歩    ▲6八飛    ▽6二銀
▲1六歩    ▽4二玉    ▲3八銀    ▽3二玉    ▲7八銀    ▽5四歩
▲6七銀    ▽5二金右  ▲1五歩    ▽5三銀    ▲5八金左  ▽3三角
▲4六歩    ▽2二玉    ▲3六歩    ▽4四歩    ▲3七桂    ▽8五歩
▲7七角    ▽4三金    ▲6五歩

[図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 ・ 桂 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=27  ▲6五歩  まで

先手の藤井システムの場合は必要な指したい手が全て指せる為
「図1」まで万全の攻撃体制が整った形となります。

「図1」から「図2」までの手順

▽1二香    ▲2五桂    ▽2四角    ▲4五歩    ▽3二玉    ▲4四歩
▽同 銀    ▲5六銀

「図2」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金v銀v桂 ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v玉 ・v香|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v金 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v銀v歩v角 ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 桂 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=35  ▲5六銀  まで

この形から▽1二香と強行に穴熊を目指すと藤井システムが後手番の時の
秘策だった▽3二玉と戻る手も攻撃形が一手早い為に「図2」まで通用しません

「図1」から[図3」までの手順

▽3二金    ▲2五桂    ▽4二角    ▲4五歩    ▽8六歩    ▲同 歩
▽5五歩    ▲同 角    ▽2四歩

「図3」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v角v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ 歩 角 歩 ・ 桂 歩|五
| ・ 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 銀 歩 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=36  △2四歩  まで

後手側にも一直線に穴熊に囲わず▽3二金と、一旦放れ駒を無くして
陣形を引き締める形が編み出されます。この形にも同様に▲2五桂から
速攻を仕掛けるのは「図3」まで強く応じて無理となります。

「図1」から「図4」までの手順

▽3二金    ▲5六銀    ▽4五歩    ▲同 桂    ▽7七角成  ▲同 桂

「図4」

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 桂 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=33  ▲7七同桂  まで

先手藤井システム側からの攻撃法として、まず▲5六銀と出て攻勢を取る手段が
考えられますが、これには当然▽4五歩と角交換から▽8六歩と8筋突破を
狙う手が生じます。この▽4五歩と強く決戦に出られるのも▽3二金型の特徴です
▽4五歩に▲3三角成と先手から角交換すると▽同桂と桂で取られ▲6四歩と
行けなくなるので▲同桂と両取りに取り「図4」となります。以下は次章で

タイトル【戦法図鑑】202 先手の藤井システム[2]
記事No350
投稿日: 2016/01/20(Wed) 00:28
投稿者千鳥銀
前章に続き先手の藤井システムの攻防をご紹介します。

「図1」

後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 桂 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=33  ▲7七同桂  まで

「図1」は前章「図4」と同一局面、▲7七同桂と角を取った所です。

「図1」から「図2」までの手順

▽4四銀    ▲6四歩    ▽8六歩    ▲6三歩成  ▽8七歩成  ▲5三と
▽7七と    ▲6三飛成  ▽5三銀    ▲同桂成    ▽同 金    ▲同 龍
▽4七歩    ▲8三歩    ▽同 飛    ▲8四歩    ▽同 飛    ▲6六角
▽5五桂    ▲8四角    ▽6七桂打  ▲同 銀    ▽同 と

「図2」

後手の持駒:角 銀 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩 ・ 龍 ・ ・v歩v歩|三
| ・ 角 ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v桂 ・ ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ ・vと 歩v歩 ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 金 銀 桂 
手数=56  △6七同と  まで

▽4四銀と5三の銀取りをかわして動いた瞬間先手が▲6四歩と捌きに
出ますがかまわず後手も▽8六歩と突き、激しい攻め合いになります。
5三の応酬で▲同龍の時に▽4七歩として後手が有利と言われていた
局面になります。この手に▲8三歩から▲6六角と王手飛車取りを
掛けますが以下「図2」まで逆に▽8六角の王手龍取りのお返しも
生じていて確かに後手有利となります。しかし。

「図1」から「図3」までの手順

▽4四銀    ▲6四歩    ▽8六歩    ▲6三歩成  ▽8七歩成  ▲5三と
▽7七と    ▲6三飛成  ▽5三銀    ▲同桂成    ▽同 金    ▲同 龍
▽4七歩    ▲8三歩    ▽同 飛    ▲8六歩    ▽同 飛    ▲4七銀引

「図3」

後手の持駒:角 桂二 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩 ・ 龍 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|五
| ・v飛 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 ・vと ・ 歩 銀 ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 銀 歩 
手数=51  ▲4七銀引  まで

「図1」から同一手順で45手目に▽4七歩と打たれた時に▲8三歩と叩き
飛車の守備を二段目から外した後に▲8六歩と打つのが妙手で、これを▽同飛と
取らせて▲4七銀と歩を払われると4八から玉を囲いに入る手が有り先手が
指し易い局面に変わるのです。

「図1」から「図4」までの手順

▽8六歩    ▲5三桂成  ▽同 金    ▲7一角    ▽8七歩成  ▲8二角成
▽7七と    ▲6六飛    ▽7四桂    ▲6九飛    ▽7八と    ▲6七飛
▽7七と    ▲同 飛    ▽8六角    ▲4八玉    ▽7七角成  ▲7一馬
▽4三金寄  ▲3九玉

「図4」

後手の持駒:飛 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 馬 ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v金 ・v歩v歩|三
| ・ ・v桂 ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 ・v馬 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ 金 玉 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 銀 歩二 
手数=53  ▲3九玉  まで


銀取りに▽4四銀と逃げず▽8六歩と突く手も有り、銀が5三に居ては
▲6四歩から突破する手が無いので▲5三桂成から▲7一角と攻めます。
後手も▽8七歩成と、お互いに強く応酬しますが「図4」まで形勢不明で
これからの将棋となります。この他にも▽4五歩と突く前に▽8六歩と
突き捨てるなど変化は有りますが、いずれも難解な将棋となります。

タイトル【戦法図鑑】203 先手の藤井システム[3]
記事No351
投稿日: 2016/01/20(Wed) 00:40
投稿者千鳥銀
本章では先手の藤井システム側が後手の▽3二金型に対して▲5六銀と
出る手とは別な手段を御紹介します。

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲6六歩    ▽8四歩    ▲6八飛    ▽6二銀
▲1六歩    ▽4二玉    ▲3八銀    ▽3二玉    ▲7八銀    ▽5四歩
▲6七銀    ▽5二金右  ▲1五歩    ▽5三銀    ▲5八金左  ▽3三角
▲4六歩    ▽2二玉    ▲3六歩    ▽4四歩    ▲3七桂    ▽8五歩
▲7七角    ▽4三金    ▲6五歩    ▽3二金    ▲4七銀

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 銀 桂 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29  ▲4七銀  まで

3八の銀を▲4七に繰り出すと言う初めて見たら、これが四間飛車かと
思わせるような手ですが、これが今では先手の藤井システムの定番とも
言える手段なのです。

「図1」から「図2」までの手順

▽1二香    ▲2五桂    ▽4二角    ▲4五歩    ▽5五歩    ▲4六銀
▽8六歩    ▲同 歩    ▽2四歩    ▲5五銀    ▽2五歩    ▲4四歩
▽3三金寄 ▲5六銀


「図2」

後手の持駒:桂 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂 ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・v角v金v玉v香|二
|v歩 ・v歩v歩v銀 ・v金 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 銀 ・ ・v歩 歩|五
| ・ 歩 歩 ・ 銀 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ 角 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=43  ▲5六銀  まで

まず先手の▲4七銀に後手が▽1二香と穴熊を目指すとどうなるか。
すかさず▲2五桂から▲4五歩と殺到され以下▽2四歩と桂は取れますが
▲5五銀、▲5六銀と二枚の銀を据えた「図2」は先手優勢の局面です。

「図1」から「図3」までの手順

▽4二角   ▲4五歩    ▽1二玉    ▲5六銀左  ▽2二銀    ▲6四歩
▽同 歩   ▲4四歩    ▽同 銀    ▲4六銀    ▽5三角    ▲2五桂 
▽2四歩   ▲4五歩    ▽2五歩    ▲4四歩    ▽同 金    ▲3五歩 
▽4二飛   ▲4五銀打 

「図2」

後手の持駒:桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v飛v金v銀v玉|二
|v歩 ・v歩 ・v角 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v歩v金v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 銀 歩v歩 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=49  ▲4五銀打  まで

▲4七銀に一手先に▽4二角と引き▲4五歩に▽1二玉と端玉で受ける
手段も有ります。しかしこれも二枚の銀を繰り出し▲2五桂と跳ね
この銀を取られる間に4筋から総攻撃します。後手は▽4二飛と飛車も守備に
加えて応戦しますが▲4五銀打ちと厚くせめて先手優勢となります。

「図1」から「図4」までの手順

▽7四歩    ▲2五桂    ▽5一角    ▲4五歩    ▽7三角    ▲4四歩
▽同 銀    ▲4五歩    ▽3三銀    ▲同桂成    ▽同金寄    ▲4六銀打
▽5五桂    ▲5六歩    ▽4七桂成  ▲同 金    ▽1二玉    ▲2五桂
▽2二銀    ▲3三桂成  ▽同 金    ▲1八飛    ▽5三桂

「図4」

後手の持駒:銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v銀v玉|二
|v歩 ・v角v歩v桂 ・v金v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 ・ 金 ・ 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 
手数=52  △5三桂  まで

ただ受けに回っていては強力な攻撃陣に殺到され後手は支え切れないので
▽7四歩と攻め合いを狙う手も有ります。▲4五歩に▽7三角と覗き先手の
攻めを牽制し今までのように一方的に攻められる事は無いですが
互いに攻め合い金銀交換ごなった後、▽5三桂として攻めは続く物の
形勢は難しく、強く出た割に大した事が有りません。

タイトル【戦法図鑑】204 先手の藤井システム[4]
記事No352
投稿日: 2016/01/20(Wed) 00:58
投稿者千鳥銀
引き続き本章でも先手藤井システム▲4七銀型の解説をします。

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 銀 桂 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29  ▲4七銀  まで

「図1」は前章「図1」と同一局面、先手が▲4七銀と上がった所です。

「図1」から「図2」までの手順

▽7四歩    ▲2五桂    ▽4二角    ▲4五歩    ▽8六歩    ▲同 歩
▽2四歩    ▲6四歩    ▽同 歩    ▲4四歩    ▽同 銀    ▲4五歩
▽5五銀    ▲5六歩    ▽2五歩    ▲5五歩    ▽7三桂    ▲3五歩
▽6五桂    ▲6六角    ▽8六飛    ▲8八歩

「図2」

後手の持駒:桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v角v金v玉 ・|二
|v歩 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・v歩|三
| ・ ・v歩v歩v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v桂 歩 歩 歩v歩 歩|五
| ・v飛 歩 角 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 銀 ・ 銀 ・ 歩 ・|七
| ・ 歩 ・ 飛 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
手数=51  ▲8八歩  まで

前章「図4」までの手順では▲2五桂と跳ねられた時に▽5一角から▽7三角と
反撃を狙いましたが、▲2五桂に▽4二角と引いて6筋に利かせ再度の▲4五歩に
▽5五銀と出て、この銀を犠牲に2五の桂を取り切り▽7三桂から▽6五桂と
活用して来る手段が有ります。しかし以下▲8八歩となった「図2」では難しい
局面とは言え先手の玉は中央に纏まっているのに比べ、後手陣は薄く
勝ちにくい形勢と言えます。

「図1」から「図3」までの手順

▽2四歩    ▲2六歩    ▽1二香    ▲2五歩    ▽1一玉    ▲2四歩
▽2二銀    ▲5六銀左  ▽2四角    ▲4五歩    ▽2三歩

「図3」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v玉|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v銀v香|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩v角 ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 銀 桂 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=40  △2三歩  まで

▲4七銀と先手が藤井システムの攻撃型を組んだ時に▽2四歩で▲2五桂と
跳ねられる手を防ぐのが、知らないと指しづらい手ですが現在最も有力な
手段となっています。先手は当然▲2六歩から▲2五歩と仕掛けて来ますが
かまわず▽1二香から▽1一玉と穴熊に入り▲2四歩と取り込まれても
▽2二銀とハッチを閉め▽以下2三歩まで蓋をして穴熊が完成となります。

「図3」から「図4」までの手順


▲3五歩    ▽同 角    ▲4八金上  ▽4五歩    ▲同 銀    ▽4四歩
▲3三歩

「図4」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v玉|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v銀v香|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v金 歩v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ 銀v角 ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 銀 桂 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 金 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=47  ▲3三歩  まで

「図3」からは難解でいろいろ指し方は有りますが、▲3五歩の突き捨てから
「図4」の▲3三歩は見事に技有りで、これに後手がどう応じても先手が優勢です。

「図3」から「図5」までの手順

▲3五歩    ▽同 角    ▲4八金上  ▽7四歩    ▲6四歩    ▽同 歩
▲3六銀    ▽8六歩    ▲同 歩    ▽2四角    ▲4四歩    ▽同 銀
▲1四歩    ▽同 歩    ▲1三歩    ▽同 香    ▲1五歩    ▽同 歩
▲1四歩    ▽同 香    ▲2五銀    ▽5五歩    ▲4七銀    ▽4六歩
▲3八銀    ▽7五歩

「図5」

後手の持駒:歩六 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v玉|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・ ・ ・ ・v金 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・v銀v歩v角v香|四
| ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・ 銀v歩|五
| ・ 歩 歩 ・ ・v歩 ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 角 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 飛 金 金 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=66  △7五歩  まで

▲3五歩 ▽同角に一旦桂が跳ねた後の王手の筋を消して▲4八金上に▽4五歩と
不用意に取るのは先手の術中に嵌るので▽7四歩と攻勢を見せ、先手も後手の玉頭である
1筋の端攻めと攻め合いとなりますが、▽7五歩と突いた局面は難解ながら後手の
指し易い形勢と言えます。