今回から、いろいろな戦法の狙い筋が見事に決まる局面を紹介します
まず将棋の戦法として基本中の基本と言える”棒銀(ぼうぎん)戦法”
からスタートします この戦型にも相掛り型と、角換り型それに対振り飛車型
などが有りますが 今回は互いに飛車先を突き合う相掛り型で
棒銀の理想的成功局面を お見せいたします
「図1」までの手順
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2八飛 ▽8六歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8二飛 ▲3八銀 ▽6二銀
▲2七銀 ▽5二金 ▲3六銀 ▽4一玉 ▲2五銀
「図1」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v金v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=23 ▲2五銀(36) まで
序盤の形1の相掛り型から 先手が飛車を▲2八飛と深く引く手を選び
真っ直ぐ飛車先に銀が出て行くのが 棒銀と呼ばれる戦法です
実はこの「図1」は既に先手必勝の局面になっています
「図1」から「図2」までの手順
▽5四歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽2三歩 ▲同銀成
▽同 金 ▲同飛成
「図2」
後手の持駒:銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩 龍v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 歩二
手数=31 ▲同 飛成(28) まで
2四まで進出してきた銀を▽2三歩と打って撃退しようとしても
2三に利いている駒の数が先手側が 飛車と銀の2枚 後手側が金1枚と
先手側が多いので▲同銀成と取られてしまい 以下▽同金 ▲同飛成
と「図2」まで相手の角頭に龍を作り必勝となりました
これが棒銀の攻めが成功した理想的な局面です この狙いを完全に受け切る
と言うのは意外に大変で 飛車を2八に引いて銀を3六まで出て行くと言う
この手順は 以前は”原始棒銀”と言われ初心者専用の戦法だったのですが
最近ではプロ間でも指されています もちろん簡単にこの理想的攻撃が決まる
と言う訳にはプロの場合は行かないですが この狙いを含みに相手の駒組みを
牽制すると言う闘い方をしています