本章では角換り腰掛け銀先後同型の攻防を解説しますが、この戦型は
昔から指されていて、現在でもプロ間で結論の出ていない変化も多く
したがって現状での最新状況を御紹介すると言う事になります
「図1」
後手の持駒:角 歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉v桂 角|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・v香|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v銀v銀v歩 ・ ・|四
| ・v歩v歩 ・ ・v歩 歩 ・v歩|五
| 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=55 ▲1一角打 まで
「図1」は前章「図4」と同一局面です 先後同型の形から「図1」までは
丸山九段によって創案された手順です ▲2九飛と深く引いているのは
後手に▽3六歩から▽3七歩成とする変化の可能性が有り その時に
飛車取りに当たらないようにする為です
「図1」から「図2」までの手順
▽3五銀 ▲4五銀 ▽3八角 ▲2八飛 ▽4九角成 ▲3三歩
▽同 桂 ▲3四銀 ▽4二玉 ▲4三歩 ▽同 銀 ▲3三銀成
▽同 金 ▲5五桂 ▽5四銀打 ▲6三桂成 ▽同 銀 ▲3三角成
▽同 玉 ▲4五桂 ▽4四玉 ▲2三飛成 ▽5八馬 ▲5六金
「図2」
後手の持駒:角 金 桂 歩七
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀 ・ 龍 ・|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v玉 ・ ・ ・|四
| ・v歩v歩 ・ ・ 桂v銀 ・v歩|五
| 歩 ・ ・ 歩 金 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・v馬 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 歩
手数=79 ▲5六金打 まで
先手の▲1一角打に対して、まず▽3五銀とかわす手が考えられます
▲4五銀に▽3八角と打つのが後手の狙いの一手ですが 以下「図2」まで
変化は有りますが、一気に攻め潰して先手の勝ちとなります
「図1」から「図3」までの手順
▽2二角 ▲同角成 ▽同 玉 ▲3四歩 ▽3八角 ▲2八飛
▽4九角成 ▲2五桂 ▽3九馬 ▲2六飛
「図3」
後手の持駒:歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉v香|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v銀v銀 歩 ・ ・|四
| ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ 桂v歩|五
| 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・ 飛 ・|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・v馬 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=65 ▲2六飛(28) まで
次に▽2二角と角を合わせる手が、当然考えられるのですが 実はこの手を
先手は想定したうえで▲1一角と打っているのです ▲同角成に▽同玉で
後手の玉を2二に引っ張り出すのが真の狙いと言う訳です
▽3八角から先手の飛車を追って以下「図3」となります ここから参考に
なる変化が多数有るので順次紹介します
「図3」から「図4」までの手順
▽3五銀 ▲1三歩 ▽同 香 ▲1五香 ▽2六銀 ▲1三香成
▽3一玉 ▲3三香
「図4」
後手の持駒:飛 歩五
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉v桂 ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ 香v歩 杏|三
|v歩 ・ ・v歩v銀 ・ 歩 ・ ・|四
| ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ 桂 ・|五
| 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・v銀 ・|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・v馬 ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=73 ▲3三香打 まで
▲2六飛に▽3五銀と当てるのが幸便に思えますが、▲1三歩と打つ手が有り
先手勝勢となります この手に▽2六銀と飛車を取るのは▲1二歩成 ▽同玉
▲4四角 ▽2四歩 ▲3三歩成で潰れます「図4」では次に▲2三成香が
厳しく、後手は飛車一枚では有効な手が有りません
「図3」から後手の別な応手については次章で解説します