前章に引き続き後手棒銀策の攻防を御紹介します
「図1」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛v銀 ・ ・v銀v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|六
| ・ 歩 銀 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=15 ▲9六歩(97) まで
「図1」は前章「図1」と同一局面、後手の出方を打診した所です
「図1」から「図2」までの手順
▽3三銀 ▲1六歩 ▽1四歩 ▲4六歩 ▽8三銀 ▲4七銀
▽8四銀 ▲6六歩
「図2」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・v銀 ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 銀 歩 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=23 ▲6六歩(67) まで
▽9四歩と受ける所で端を手抜きで▽3三銀と上がる手も有ります
これに▲2五歩だと(角換りパターン1)の進行と同じになってしまい
千日手を狙われる事になります 後手のこの変化には先に▲6六歩と
するのが大事な手順です
「図2」から「図3」までの手順
▽4二玉 ▲6五歩 ▽7四歩 ▲6八飛 ▽7三銀 ▲3八金
▽5二金 ▲3六歩 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽4四歩 ▲6九玉
▽9四歩 ▲5六銀 ▽4三金右 ▲4七金 ▽5四歩 ▲7九玉
▽2二玉 ▲2五桂 ▽2四銀 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲6六角
▽3三桂 ▲4五銀
「図3」
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v銀v歩 ・v金v桂v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v歩 ・v歩v銀v歩|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ 銀 ・ 桂 ・|五
| 歩 ・ 歩 角 ・ ・ 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 金 ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 飛 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=49 ▲4五銀(56) まで
この後手の策には▲5八金を保留して▲6五歩から▲6八飛を用意する
と言うのが▲6六歩を先にした理由です ▲6四歩を受けるのに▽7三銀と
引かせる事は出来ますが ▲6八飛も好形とは言えないので後の指し方が
難しい所です 「図3」までが狙いで、こうなれば先手優勢となります
「図2」から「図4」までの手順
▽7四歩 ▲5六銀 ▽7五歩 ▲6五銀 ▽7六歩 ▲同銀引
▽6四歩 ▲7五歩 ▽4二玉 ▲5八金 ▽5二金 ▲6八玉
▽7三銀 ▲7九玉 ▽7四歩 ▲同 歩 ▽同 銀 ▲7五歩
▽6三銀
「図4」
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金v玉v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v銀v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 銀 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=42 ▽6三銀(74) まで
自陣に手を入れていると▲6八飛と迎撃される手が有るので▲6六歩に
▽7四歩から▽7五歩と速攻する手も考えられます
これには▲5六銀から▲6五銀と厚く構えるのが好手順です
以下「図4」となった局面は形勢は不明ですが、手厚い先手陣も充分に
指せる将棋です
以上代表的な手順を紹介しましたが他にも変化は多数有り、後手側には
棒銀以外にも先後同型になる手前で先に▽6五歩と攻める策や、序盤で
▽6五歩と位を取ると言った手段も有るのですが今はいずれも指される事が
少なくなりました これは103章で解説したように先後同型の先手有利が
御破算になったのと 後手側に意外な手段が生まれた為かも知れません
その新手段は次章で