後手の超急戦棒銀に対する先手の対抗策を見て頂きます
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・v銀 ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 金 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=15 ▲6八角(79) まで
「図1」は前章「図4」と同一局面です 前章でも触れたように後手の飛車
そして角銀が先手陣に集中して、これでとても受け切れると思えませんが
「図1」から「図2」までの手順
▽6五歩 ▲同 歩 ▽9五銀 ▲5五歩 ▽同 角 ▲5八飛
「図2」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
|v銀v歩 ・ 歩v角 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 金 角 飛 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=21 ▲5八飛(28) まで
▽6五歩の突き捨てから▽9五銀と前章「図2」と同じように後手が攻めて
来た瞬間に▲5五歩と突き出します 角道が止まっていたのでは仕掛けは
成立しないので▽同角と取ります そこで▲5八飛と角取りに飛車を回る
これが▲6八角を先にして▲5六歩と5筋の歩を突いておいた狙いなのです
「図2」から「図3」までの手順
▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 銀 ▲5五飛 ▽7七銀成 ▲同 桂
▽8九飛成 ▲7九銀 ▽9九龍
「図3」
後手の持駒:銀 香 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 飛 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 桂 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 金 角 ・ ・ ・ ・ ・|八
|v龍 ・ 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二
手数=30 ▽9九龍(89) まで
▽4四角と引いたのでは▲5五歩と打たれて完全に攻めは受け止められて
しまいますので 当然▽8六歩と角を捨てて攻める事になります
以下は一本道で「図3」となりますが この局面で次の一手が分かれば
相当の棋力と言えます
「図3」から「図4」までの手順
▲6四歩 ▽5四香 ▲同 飛 ▽同 歩 ▲6三歩成 ▽6七歩
▲4六角 ▽6八銀 ▲4八玉 ▽7九銀成 ▲同 金 ▽6八銀
▲同 角 ▽同歩成 ▲5三銀
「図4」
後手の持駒:飛 角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v歩 と 銀v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 桂 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・vと ・ 玉 ・ ・ ・|八
|v龍 ・ 金 ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 香 歩二
手数=45 ▲5三銀打 まで
「図3」では次に▽5四香と飛車を田楽刺しにして王手飛車取り状態にする
手が見えるので飛車を逃がしたい所です しかし平然と▲6四歩と突くのが
用意の一手なのです 当然後手は▽5四香と来ますが▲同飛から▲6三歩成
として、と金を作り先手優勢となります ▽5四香で▽6二歩と受けると
▲8五飛と回る手が有るので後手も▽5四香と打つしか無いでしょう
以下▽6七歩と攻め合いに来ると▲4六角から「図4」まで先手が勝勢と
なるので▽6七歩の所では▽4二玉と早逃げする手も有りますが、それには
▲6九歩と受けておいて、やはり先手が指せる形勢です 玉の側にと金が
作れると言うのは大変な得と言え、「図4」のような形になると受けが
無くなってしまうのです 以上、後手の超急戦棒銀には「図1」のように
迎撃体勢を敷く事によって撃退出来る事が分かりました
次章からは矢倉の本格的戦法を御紹介します