矢倉戦において端歩が重要な意味を持つ事は駒組み編でも言いました
それでは序盤に端歩を受けると どんな危険が有るか
戦闘編[2]では それを咎める代表的な戦法を見て頂く事にします
<font face="MS ゴシック,Osaka-等幅">
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉v角v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v銀v歩v歩|三
| ・v歩v歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 角 玉 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 ▽3一角(22) まで
</font>
「図1」は駒組み編の「図1」と同型です ここまでの手順は前章同様
10章の駒組み編を見てください
「図1」から「図2」までの手順
▲3七銀 ▽4三金右 ▲1六歩 ▽1四歩 ▲6八角 ▽4二角
▲7九玉 ▽3一玉 ▲8八玉 ▽2二玉 ▲2六歩 ▽6四歩
▲2五歩 ▽6三銀 ▲2六銀 ▽7二飛
<font face="MS ゴシック,Osaka-等幅">
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・v角v金v玉 ・|二
|v歩 ・ ・v銀 ・v金v銀v歩 ・|三
| ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 銀 歩|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=40 ▽7二飛(82) まで
</font>
”矢倉崩し”では▲3五歩と歩の交換に出ましたが ▲1六歩 ▽1四歩と
端歩の突き合いが入った場合 別の攻め筋が発生します
「図2」を見て気がついた方もいると思いますが ▲2六銀と繰り出す
棒銀戦法の再登場です ただし矢倉棒銀の狙い筋は全く違います
「図2」から「図3」までの手順
▲1五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽同 香 ▲同 香 ▽1三歩
▲1七香 ▽1二銀 ▲1八飛 ▽7五歩 ▲1三香成 ▽同 銀
▲同香成 ▽同 桂 ▲同角成 ▽2一玉 ▲1二銀
<font face="MS ゴシック,Osaka-等幅">
「図3」
後手の持駒:香二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・|一
| ・ ・v飛 ・ ・v角v金 ・ 銀|二
|v歩 ・ ・v銀 ・v金v銀v歩 馬|三
| ・v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ 飛|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 歩二
手数=57 ▲1二銀打 まで
</font>
「図3」で後手玉は詰んでゲームセットとなりました もちろんこれは
すべて素直に応じた結果ですので この局面になる前に変化するとは
思いますが どう変化しても▲1五歩と仕掛けた局面からは先手優勢です
ここでのポイントは▽1五同歩に▲同銀と銀で歩を取り返して行く事です
矢倉に限らず棒銀の別の狙い筋が この端攻めです
あまり早く端を受けると この棒銀が有るため端を突かれても受けない方が
安全なのです 俗に”矢倉囲いに端歩は突くな”と言われる理由です