若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】146 鷺宮定跡[4]
投稿日: 2005/03/10(Thu) 22:04
投稿者千鳥銀

鷺宮定跡編の最後として後手側が24手目に▽1二香とした時の変化を
御紹介する事にします

「図1」
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛v銀 ・v香|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24  ▽1二香(11)  まで

「図1」は先手の▲5七銀左に対して▽1二香と上がった所です

「図1」から「図2」までの手順

▲3八飛    ▽4三銀    ▲3五歩    ▽同 歩    ▲4六銀    ▽4五歩
▲3三角成  ▽同 桂    ▲3五銀    ▽2五桂    ▲3四歩    ▽3二飛
▲3六飛    ▽6四角    ▲1一角    ▽4二金    ▲5五歩

「図2」
後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・ 角|一
| ・v玉v銀 ・ ・v金v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v角 ・ ・ 歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 歩v歩 銀v桂 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 飛 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=41  ▲5五歩(56)  まで

▽1二香には先手も▲3八飛と一手早く攻める手が有ります これに▽4三銀と
上がると前章「図4」までと同じ進行になった時▽6四角に▲5五歩とする手が
有り先手優勢となります

「図1」から「図3」までの手順

▲3八飛    ▽5四歩    ▲6六歩    ▽6四歩    ▲3五歩    ▽同 歩
▲4六銀    ▽4五歩    ▲3五銀    ▽6五歩    ▲5七銀    ▽6六歩
▲同 銀    ▽3四歩    ▲同 銀    ▽4六歩    ▲3三銀成  ▽同 銀
▲4六歩    ▽同 飛    ▲3二角    ▽4九飛成  ▲3九歩

「図3」
後手の持駒:銀 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ 角 ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・ ・v銀v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ 飛 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・v龍 歩 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=47  ▲3九歩打  まで

▲3八飛には▽5四歩と突く手も有り、この手に▲3五歩 ▽同歩 ▲4六銀と
攻めると▽4五歩と突かれて、▲3三角成 ▽同銀 ▲3五銀に▽6四角と打つ手が
厳しく先手としては得策と言えません そこで▽5四歩には▲6六歩と角道を一旦
止める手が有力です 次に▲6五歩と位を取る手が有るので▽6四歩と受けますが
今度は▲3五歩からの攻めが成立します 以下「図3」では▲3九歩の底歩が固く
次に▲2一角成と駒得も確実で先手優勢の局面です

「図1」から「図4」までの手順

▲3八飛    ▽6四歩    ▲3五歩    ▽同 歩    ▲4六銀    ▽4五歩
▲3三角成  ▽同 銀    ▲3五銀    ▽4六歩    ▲3四歩    ▽4七歩成
▲3三歩成  ▽5八と    ▲4二と    ▽6九と    ▲5二と    ▽7九金
▲8八玉    ▽6八角    ▲4六角    ▽8九金    ▲同 玉    ▽7九と
▲8八玉    ▽8九金    ▲9八玉    ▽7七角成

「図4」
後手の持駒:桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・ と ・ ・ ・v香|二
| ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 角 ・ ・ ・|六
| ・ 歩v馬 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| 玉 ・ ・ ・ ・ 銀 飛 ・ ・|八
| 香v金vと ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 金二 銀 
手数=52  ▽7七角成(68)  まで

▲3八飛に▽6四歩とする手が、一見▽6四角と打つ手が消えて損のようですが
この形では最善となるのです ▽5四歩形と違い▲6六歩と突くのは▽4五歩で
後の手に困ります ▽4五歩に▲6五歩と突いても▽同歩と取られて歩損のうえに
6筋にキズが残り不利となります ▲3五歩から角交換に▲3五銀と出た瞬間
▽4六歩と突き、これを▲同銀また▲同歩なら▽2七角から▽5四角成と馬を作る
これが▽6四歩形の狙いです そこで▲3四歩として▽2二銀なら▲4六銀
▽4四銀なら▲4六歩を狙いますが構わず▽4七歩成と来られて以下「図4」では
先手の一手負けとなります また途中で自陣に手を戻すと後手にも手を戻され
玉の固さが違い先手不利な形勢となります 以上の事からこの形では▲3五歩の
攻めは成立しません 

これで鷺宮定跡編を終りますが、143章からここまで御紹介した各戦型にも
まだ多数の変化が有り、またちょっとした形の違いで優劣が引っくり返るなど
実際はかなり難解な物となります 今回は鷺宮定跡の特徴が特に分かると思える
変化を選んで御紹介しました


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