本章から15章で少しだけ触れた四間飛車▽4三銀形に対して角交換を狙う
急戦を解説します
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 ▽4三銀(32) まで
「図1」は▲5七銀左に後手が▽4三銀と上がった所です
「図1」から「図2」までの手順
▲6八金上 ▽5四歩 ▲4六歩 ▽6四歩 ▲4五歩
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 金 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29 ▲4五歩(46) まで
▲6八金直(上)と締めますが、この手ですぐに▲4六歩と突く手も有り
その方が先手に得な事も多いので、その違いも手順の中で解説して行きます
▲4五歩と仕掛けて「図2」となります ▽同歩は角交換から2筋を破られて
拙いのは15章で御紹介した通りです
「図2」から「図3」までの手順
▽7四歩 ▲4六銀 ▽6三金 ▲3五歩 ▽4五歩 ▲3三角成
▽同 桂 ▲5七銀引 ▽4四角 ▲6六角 ▽同 角 ▲同 歩
▽2二飛 ▲6五歩 ▽同 歩 ▲8八角 ▽5一角 ▲3八飛
▽3五歩 ▲同 飛 ▽3四歩 ▲4四歩 ▽3五歩 ▲4三歩成
「図3」
後手の持駒:飛 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v角 ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
| ・v歩 ・v金 ・ とv桂v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 金 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀
手数=53 ▲4三歩成(44) まで
▲4五歩に対して▽同歩と取れないので後手側は手待ちする事になり▽7四歩は
以前は普通の手でしたが、現在は少し損な手となっています
▲4六銀が米長永世棋聖創案の手で、次に▲3五歩と突くのが狙いですが▽4五歩と
取ると角交換から▽3一角が有ると言う訳です ▽6三金に▲3五歩の瞬間▽4五歩と
取りますが、以下「図3」となれば先手が指し易い形勢と言えます
「図2」から「図4」までの手順
▽7四歩 ▲2四歩 ▽同 角 ▲同 飛 ▽同 歩 ▲3一角
▽4一飛 ▲2二角成 ▽4五歩 ▲2三馬 ▽5一飛 ▲1一角成
▽2七飛 ▲3七桂 ▽2九飛成 ▲4五桂
「図4」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v飛 ・ ・v桂 馬|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・v銀 ・ 馬v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・v龍 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:香 歩
手数=45 ▲4五桂(37) まで
▽7四歩には、この瞬間▲2四歩と突く手も有ります これに▽同歩なら▲3七桂で
通常の進行になります しかし後手側には更に▽同角と取る有力手が本来有るのですが
この▽7四歩の形では「図4」まで先手優勢となります つまり▽7四歩の瞬間
▲2四歩と突くと後手の応手は▽同歩に限定され、作戦範囲を狭めさせる事が出来ます
以上のような理由で「図2」では▽6三金とする方が得と言う事になったのです